滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【0804/25:外国籍市民】ペルー青年:アロソンさんに援助を、日本は母国同然、勉強続けたい

2008-04-05 23:24:32 | Weblog

◇「不法残留」と、両親帰国 1人だけ再入国--今春、野洲高卒業し専門学校へ
 
◇あす「まつり」収益の一部寄付--支援団体ら来場呼び掛け
 
家族と共に不法残留で摘発されてペルーにいったん帰国し、1人だけ再入国を許された湖南市のアロンソ・カジャスさん(18)は今春、県立野洲高を卒業し専門学校に進学するものの、経済的に困窮している。両親の仕送りはなく、留学生扱いの在留資格で生活保護の対象にならないためだ。これを受け、4月6日に甲賀市である「近江の歌うたいまつり」の実行委が収益の一部を学費に寄付しようと、多くの来場を呼び掛けている。【服部正法】

アロンソさんの父カルロスさん(44)は91年に日系人と偽って入国し、その後、アロンソさんと母メルセデスさん(45)、姉カルラさん(21)を呼び寄せた。一家は数年後にビザ更新が不許可となり、その後は不法滞在状態に。入国時に2歳だったアロンソさんは日本語が母語となり、県立野洲高サッカー部に入り、全国高校選手権で優勝も経験した。

しかし、大阪入管は昨年2月、一家を摘発。同年7月、定住資格がある日系ブラジル人男性と結婚していたカルラさんには在留特別許可を出す一方、3人に強制退去を命じた。ただ、入管は支援者に、就学意思のあるアロンソさんについてのみ、いったん両親と帰国すれば、法相の配慮で上陸許可を出すことを伝えた。

このため、アロンソさんは昨年9月に両親と帰国したが、翌10月に高校などへの留学ビザにあたる就学ビザで再入国した。今年3月に野洲高を卒業して、甲賀健康医療専門学校に進学し、サッカーを続けながら、スポーツ健康科学を学ぶ。

現在はカルラさん夫妻宅に身を寄せているが、夫妻も収入は多くなく、アロンソさんは支援者からカンパされた貯金を取り崩して、勉学やサッカーの資金に充てている。

まつりは6日午前10時、同市水口町宇川の宇川会館で開催。県内のミュージシャンらが出演し、食品の屋台も出る。実行委に「カジャス一家を支える会」が参加し、収益金の一部をカンパする。

同会の坂尾昭彦事務局長は「アロンソさんの学習に必要な金を支援したい」と話している。

【関連ニュース番号:0709/52、07年9月12日など】

(4月5日付け毎日新聞)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20080405ddlk25040245000c.html

【0804/24:カワウ問題対策】カワウ「釣って」捕獲:県、琵琶湖で実験着手へ、異常繁殖抑制

2008-04-05 23:09:17 | Weblog

琵琶湖の「はえ縄漁」などで使う漁具を応用したカワウ捕獲の実証実験に、滋賀県が今春着手する。「魚ではなくカワウが引っ掛かる」漁業被害の事例にヒントを得た逆転の発想で、異常繁殖によるアユの食害などの抑制効果を探る。

■針に掛かり「困った」 漁業被害でヒント

計画では、琵琶湖の水深約5メートルの浅瀬に釣り針を付けた数100メートルの縄を沈め、アユなど餌の魚を狙って水中に潜ったカワウが釣り針に引っ掛かる仕組み。河川でも、ウナギなどを捕る「置き針」を応用して、川に釣り針を流す実験を行う。

県によると、「カワウが釣り針に掛かり、漁に支障が出ている」との被害報告が漁業者の間で相次いでいるという。漁具を使ったカワウ捕獲は山梨県などの河川で前例もあり、年間およそ4万羽と有数の飛来地である琵琶湖でも活用できるか、効果を見極める。

実証実験は県漁連などに委託し、カワウが飛来する今年春から9月ごろまで行う。針の形に工夫の余地がないか、はえ縄をどのくらいの水深まで沈めれば効果的かなどを試す。 県水産課は「一定の効果は見込めそう」としたうえで、「漁具が有効だと確認できれば、琵琶湖全体で捕獲法を取り入れることも可能になる」と期待を込めている。

【関連ニュース番号:0802/195、2月29日など】

(4月5日付け京都新聞)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008040400075&genre=H1&area=S00

【0804/27:鳥インフルエンザ】韓国の鳥インフルエンザ発生で、県が4月7日から立ち入り検査

2008-04-05 23:04:28 | Weblog

県畜産課は4月4日日、韓国において一年ぷりに高病原性鳥インルエンザ(H5N1亜型)の発生が確認されたことを受け、4月7日から県内の養鶏農家を立ち入り調査を実施するなど、発生予防に向けて万全の態勢で臨むと発表した。

具体的には▽養鶏農家への正確な情報の提供と早期通報の徹底▽養鶏農家への緊急巡回指導の実施=7日~11日の期間、養鶏場への立ち入リによる発生予防対策の徹底指導(昨年度は定期巡回として年間3回実施)▽琵琶湖周辺の水鳥のウイルス保有状況調査時期=昨年10月~今年3月まで実施していた調査を一か月延長(琵琶湖周辺の水鳥の落下ふんを採取)▽養鶏農家のモニタリング調査の継続=毎月一回、県内の東西南北に位置する4農場において、ウイルス分離と抗休検査を定期的に実施ーなどに取り組むとしている。

農林水産省からの情報によれば今月(4月)2日、韓国の全羅北道金堤市(韓国南西部)の農場で、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)の感染が確認され、現在までに全飼養羽数15万570羽中、2380羽が死亡したという。

(4月5日付け滋賀報知新聞:同日付け朝日も報道)

http://www.bcap.co.jp/s-hochi/n080405.html#6


【0804/26:ダム問題】毎日「現場から記者リポート:淀川水系ダム問題の行方

2008-04-05 22:40:49 | Weblog

◇国と流域委、埋まらぬギャップ
 
◇大戸川ダム、不要決断の素地も--滋賀、京都、大阪知事
 
国土交通省近畿地方整備局の専門家会議「淀川水系流域委員会」(宮本博司委員長)で、国の淀川水系河川整備計画原案の審議が山場を迎えている。今月にもまとまる同委の意見書は、大戸川ダム(大津市)などの建設について、国の建設姿勢とは異なる内容になりそうだ。意見書を受け、嘉田由紀子知事ら関係府県知事はどう判断し、国は原案を基にどんな内容の計画を正式に作るのか。審議経過や知事らのスタンスを探った。【服部正法】

◆治水思想の根本的な違い◆

淀川水系の整備を巡っては、昨年8月に同局が整備計画原案を公表。河川法の手続きにより、原案について住民、学識者、流域市町村の首長、関係府県知事の意見を聞いたうえで、国が計画を策定する。流域委は先月(3月)11日、淀川水系4ダムの建設は認めないなどとする委員長と副委員長が作った意見書案を提示。出席委員の約半数は賛成したが、数人から異論もあり、現在、審議が継続中だ。

4ダムを推進したい同局と委員長らの大きな違いは、どこにあるのか。「治水の考え方が根本的に変わっている」。昨年9月19日の流域委で、宮本委員長が声を張り上げた。

同局が05年7月に出した淀川水系の「ダム方針」で、それまで建設方針だった大戸川ダムを凍結に方針転換し、今回の原案では再び推進に。原案の考え方の基本には「戦後最大規模の洪水」への対応という指標がある。これに対し、同委は計画以上の洪水でも人命を救うため、堤防の崩壊を防ぐことを治水の優先課題として議論してきた経緯があった。

この優先課題について「共通認識だったはず。原案で国が突然方針を変えた」と考える委員の間で不信が募った。

つまり、原案の審議は、治水の考え方の根幹部分で、同局と委員の考え方が相容れないままスタートしたと言え、このギャップは埋められないままだ。

◆不十分な国の説明◆

同局はダム方針(05年)、原案(07年)を発表する度に方針を変えたが、最終的には大戸川ダムは必要とした。理由は(1)淀川中流部で河川の掘削が必要(2)改修後は下流で流量が増える(3)その調節のために上流でダムが必要--との論法だった。

記者は昨秋、掘削部分と指摘された京都市伏見区の大下津地区を訪れた。従来の堤防の外側に新たに堤防を造り川幅を広げる「引き堤」を行い、新堤防の上に集落が集団移転したばかりの地区だ。自治会長は同局が言う掘削について、記者から尋ねられるまで知らなかった。「引き堤以上の改修は頼んでいない。京都市などからの要望も聞いていない」と言い、逆に掘削で川底が下がることで堤防などへの悪影響があるのではと懸念した。

同局は計算上、同地区での改修の必要性を打ち出したのかも知れないが、地域の実情に見合う改修なのか。

丹生ダムについては今年1月29日の同委で「原案の議論の前提となる想定洪水規模と、丹生ダムでの想定洪水規模がなぜ違うのか」との疑問が出たが、同局は裏づけ資料を提示して説明できなかった。ダムの必要性を訴える正念場で、説得力を欠いていた。

今月3日、3府県知事が同局と同委に意見聴取した際、橋下徹・大阪府知事が「宮本委員長の説明は分かりやすかった。効果が分からない物には(追加負担は)出さない。効果を検証し、専門家でなくても分かる説明をしてほしい」と述べた。納得できることにしか予算を使わない“橋下流”の表現だろう。財政問題を抱える各自治体に国は分かりやすく説明すべきだ。

◆知事の姿勢の変化◆

嘉田知事は4月3日の意見聴取会で、大戸川ダムについて「今になって(治水単独ダムが)経済的に有効という理由は何か」と質問。また、異常渇水対策用の水の貯水の是非が論じられている丹生ダム(余呉町)についても「渇水対策が緊急か」と同局に問いかけ、ダムに対して慎重な姿勢を明確にした。

これまで嘉田知事は、06年7月の知事選の際には新幹線新駅などと共にダム建設を批判したマニフェストを発表。しかし、昨年の2月議会で、県内のダムについて「容認」「必要性を認める」と表明し、方針転換したと受け止められた。

だが、その後、ジリジリと再び凍結方向ににじり寄り、今年1月の定例会見で、大戸川ダムに関して「多目的ダムとして計画されてきたものを、治水専用ダムにすることには議論が必要だ」と、「そもそも論」を持ち出した。

明らかな軌道修正の背景には、知事を支持する「対話の会」の躍進による県議会構成の変化があると思われる。法的制度で整備計画に知事が国に意見を言う際、滋賀では県議会の議決が必要。県議選以前はダム推進派が多い自民が多数だった県議会は様変わりし、知事がダム凍結の方針を言える素地ができたことが影響したのではないか。加えて、流域委の議論を見ながら「勝機あり」と判断したかもしれない。3知事のトップダウンで「ダム不要」と決断する素地もできつつあるようにも思える。嘉田知事の動きから目が離せない。

【関連ニュース番号:0804/20、4月4日など】

(4月5日付け毎日新聞)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20080405ddlk25010276000c.html