徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

新潟償い行脚-3

2015-03-13 08:36:29 | 建築つれづれ…
 新潟建築卒業設計展session!2015の1日目が終了すると、そこから研究室のOB会総会となる。50名ほどのOB・OGが集結した。出席名簿を見ると、6期生の私はだいぶ上位に名前が載っている。この建築学科、建築コースもゆうに30年以上の歴史を綴っているので当然といえば当然なのだが…。

 

 会は2期生のOB会長の挨拶後に乾杯となるが…何とノンアルコール。ノンアルコールでの2時間は場が持たない…。現役の学生も合流してきたので、人口密度が急上昇で本当の意味での熱気でムンムンである。よってグングン喉も渇いてくるのは必然だった…。

 開始から1時間。我慢できなくなったベテラン陣は2期生~6期生で集結し会場を後にした。そして駅近くの居酒屋を散策。手ごろな店を見つけ7名でプチOB会開催となる。無論アルコールで乾杯。

 初めて顔を合わせる先輩たちと名刺交換&挨拶を終えると、我々が学生時代を過ごした80年代の話で盛り上がる。サラリーマン社会で言えば、皆働き盛りを少し過ぎた世代か…。でもベテラン陣も皆、元気でバイタリティに富んでいた。
 
 場が盛り上がってると、OB会長の携帯に電話が入る。OB会幹事から2次会への参加要請の電話だった。OB会長不在では2次会もカッコが付かないのだろう。プチOB会の面々は2次会会場に向かった。

 2次会の会場は鳥屋野潟のほとりの店。オーナーもOBなのである。session!2015の審査員の方々、現役学生、OB・OGと入り乱れているが、とりわけOB・OGは30前半の若手ばかりだった。そこに出来の悪かったオジサンOB達が入店すると場が盛り上がり再度乾杯となった。

 OB・OGからはアドバイスを請われ、自分の起業・独立時の話をさせてもらったり、学生にはこれからの進路の相談をされたり、審査員の方々とは今回の卒業設計の内容や自分たちの建築の方向性等々話をさせて頂いた。楽しいひと時を過ごさせてもらった。

 人はそれぞれ違うもの。しかし、建築、同窓というカテゴリーで結ばれているこの人種は、それぞれ違うが見据えている方向は同じだった。それを確認した、そんな一夜だった。幹事の皆様、大変ご苦労様でした。また来年再会しましょう。


 ~OB会の楽しいひと時の写真は、楽しすぎて1枚も撮っておりません。悪しからず…。~
 
 
 
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新潟償い行脚-2

2015-03-11 08:56:53 | 建築つれづれ…
 先生の自宅を後にし同期Hと向かったのは新潟駅。取り合えず2人ともホテルにチェックイン後に再び新潟駅ビルで集合とした。

 新潟駅ビルで開催されているのが、「新潟建築卒業設計展session!2015」。審査員に現役で活躍されている建築家を呼んでの卒業設計展。学生は新潟県内と近隣県の大学から集まった。出展者たちは、審査員、OB・OGたちと卒業設計の内容について3日間ディスカッションを交わすという、超ヘビーな卒業設計展である。

 私もOBとして現役学生にアドバイスを送る。そして新潟大学の学生に限りOB・OG賞というものがありOB・OGが投票する。私も一票投じる。そんな目的で会場へ向かった。

 会場に着くと同期Hはまだ来ていなかったが、学生たちの卒業設計の展示をゆっくり見て回った。

 

 我々の時代よりもプレゼンのテクニカルなものは非常に高い。そりゃそうだ、我々の頃はロットリングで図面を描き、エアブラシが登場した頃で全て手作業。今は全ての学生がパソコンを駆使し、CADで図面を仕上る、勿論カラーで綺麗にプリントアウトする。時代の趨勢というものか…。

 気になった数人の卒業設計内容を直に聞かせてもらった。その説明を聞いて感じたことをストレートに学生たちにぶつけてみる。設計の背景のこと、プログラムのこと、何を訴えたいのか、この設計の一番の売りは何なのか、プレゼンのテクニックのこと等々…。

 

 今の学生は素直でみんな真面目、そしておとなしい。私がアドバイスすると皆真面目に話を聞く。いい子達だと思う反面、少々癖があって、我々や審査員の先生方に突っかかってくる学生もいてもいいなと感じた。

 そしてもう一つ嬉しいことが。うちの大学は、昔から2年生のときの夏休みに模型製作の課題が出る。ここ数年、OB建築家の住宅作品を題材に模型を製作しているのだが、去年の夏休みに製作した模型が同じ駅ビルのアトリウムに展示されていた。私が課題提供したものも勿論展示してあった。嬉しい限り。

 

 

 若者の設計を見せてもらい、あの頃を思い出し刺激をもらった。できの悪い反抗ばかりしていた学生が、今こうして現役学生にアドバイスするなんて恐れ多いのかもしれない。しかし先生に、大学に不義理をしていた分、こんなカタチでの償いの仕方しか今は見つからない。先生、こんなカタチでもいいですよね…。

 ~写真は全て「新潟建築卒業設計展session!2015」のFacebookページから引用させてもらいました~
 
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新潟償い行脚-1

2015-03-09 08:59:36 | 建築つれづれ…
 3月7日(土)雪が無く快晴のこの日、私は新潟へと向かった。目的は色々とあったが、当初から予定していたのは研究室のOB会に出席の為。

 しかし、急遽目的の一つに突然加えなければならなかった悲しい知らせ…。研究室の先生の奥様が亡くなられた。

 私は研究室の同期Hと新潟駅で待ち合わせ。私の車に彼をピックアップし先生の自宅に向かう。

 

 26年前、大学近くのアパートに住んでた先生と奥様。よく研究室のメンバーで押しかけ、奥様の手料理とお酒をご馳走になった。そんな我々にいやな顔一つせず笑って対応してくれた奥様。

 当時は先生も若く、私たちとそんなに年が違わなかった。だからか、先生にはよくひどい発言をしてたものだ。反抗ばかりして、文句ばかり言ってたどうしようもない生徒。

 卒業すると仕事の忙しさに格好付けて、全くといっていいほど新潟には足を向けなかった。社会人となっても先生と奥様にも挨拶すらすることも無かった悪い教え子。

 3年前に初めて研究室のOB会なるものが開催された。できの悪い生徒は、不義理をしていたことを改めるためにOB会に参加。そのOB会に何と先生の奥様も出席されていた。奥様は私のことも覚えていてくれて、懐かしい当時と変わらない笑顔がそこにはあった。

 

 車中同期Hと、先生のことや奥様のこと懐かしく話した30分程はあっという間だった。先生の自宅に着き線香を上げさせて頂いた。そんな学生時代のことが数々思い浮かんでは、不義理をしてしまっていたことを心の中で侘びる私。

 闘病生活2年半。奥様、ごゆっくりお休みになって下さい。ご冥福をお祈りします。そして先生、気を落とさずに…。また新潟まで顔見に行きます。
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何ちゃって設計士にはなるな!

2015-03-04 09:11:18 | 建築つれづれ…
 昨年秋に設計契約を交わしたプロジェクト。着実にクライアントと一緒に歩を進めてきた。そして先日、最後の設計打合せが終了。この時点で仕上がっていた分厚い図面を見せると、ビックリしたようにクライアントは言った。「こんなに図面描くんですね。」

 この図面中の数枚はこの日の打合せで訂正が入ったが、これら図面は今までクライアントと価値を創造してきた結晶の何物でもない。

 

 一般の人は、10枚程度の図面で建物ができると思ってるかもしれない。設計という創造の作業の中で、クライアントと打合せしてきた5~6ヶ月間の内容は10枚程度で表現できるものではないし、そうであっては半端な物つまり我々で言う「建築」とまったく異なった物でしかない。

 工事は形になっていく過程が物理的に視野に入ってくる。それは当事者で無くてもだ。しかし設計作業は当事者にしか創り上げる過程が見えない。だから周りの人、経験したことのない人は、設計は1ヶ月程度で終わる作業だと思っているかもしれない。

 これは一般の人が「建築」に関る一番身近なもの「家づくり」の今までのやり方、つまり設計という行為を蔑ろにしてきた住宅業界の歴史がもたらした功罪だと私は思っている。

 この歴史が、打合せも数えるほどしかせず、10枚程度の図面で満足している「何ちゃって設計士」を生んだ。

 我々建築家の役割は大きい。クライアントの代理人としてアイディアと技術・専門知識を提供する。施工業者の技量を判断し、クライアントに推薦し、提出された見積書の内容をチェックする。工事金額を安くする為の減額案の提示やネゴ交渉然り。

 工事に入れば、第3者的な見地で工事内容をチェックしていき、工事工程へのアドバイス、クライアントの変更要望への対応等々。

 それらのフィルターを通して、クライアントの理想を実現する。彼らの人生、暮らしそのものを創造していると言ってもいい。

 さて、設計打合せが終了したプロジェクト。施工業者への図渡しを完了し、今月下旬に見積書が提出される予定。今回も初めてお付き合いさせて頂く業者。今後の為にも、ガッチリ見積書の内容はチェックさせてもらいます。数週間、楽しみに待つことにする、果報は寝て待て…。
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突然の匠訪問

2015-03-02 08:36:18 | 建築つれづれ…
 先週末に図面UPの〆を控えた週半ば、事務所で図面作成に没頭していた午前中にメールが鳴った。メールの送り主を確認しビックリ。

 メールの送り主は、例のリフォーム番組でおなじみの匠:瀬野和広氏であった。メールをくれたこの日、仕事で酒田に来るから夜食事一緒にどう?という内容だった。

 ちょうどその日の夜は谷間ですっぽり空いていた。即答する。OK!

 瀬野さんとは一年半前にイベントで知り合った。山形県村山市出身で、随所に出る内陸訛りが妙に人間臭さを感じる人物。もちろんいい意味での人間臭さである。同じ山形県人として直ぐに意気投合。それからお付き合いをさせてもらっている。

 瀬野さんと一緒するのは1年ぶり。いつもFacebookでやり取りしてるので、そんなにブランクがあったことを感じさせない。酒田在住で、彼の専門学校時の同級生という女性も一緒だった。

 

 酒田の美味しい肴を前に、建築のことはもちろん、例のTV番組の話、地元の話、若かりし頃の話と酒が進む。

 我々の業界では有名人の彼。同じ山形県人として、建築家として学ぶべきことが多く目標とすべき人物。そんな人物と仲良くさせてもらっている私は幸せ者である。

 目標とすべき瀬野和広氏であるが、一つだけ彼に追い付けない、いや、追い付こうとしていないことがある。それは内陸訛りだ。笑)。 

 こうして瀬野さんと会って、刺激を受けることで私の好奇心、向上心がくすぐられる。いい数時間を共有させて頂いた夜だった…。
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