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徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

サラブレッドの履歴書

2017-08-03 08:43:30 | 建築つれづれ…
 先月入院中の同級生から郵便物が届いた。日本経済新聞に連載してあった「私の履歴書~谷口吉生編~」全編の新聞切抜きだった。

 同級生は入院中にその記事を読み、SNSに投稿すると私の目に留まった。SNS上で連絡を取り全編送ってもらうことに。

 

 谷口吉生。建築関係者ならこの名前を知らない人はまずいない。祖父に松井清足、父に谷口吉郎を持つ3代目建築家だ。

 私は高校一年のときに、谷口吉生の分身とも言える土門拳記念館に出会う。

 ただこのときは「谷口吉生」という名前は知らなかったが大学で建築を学んでいくうちに彼の名を知り、地元酒田に素晴らしい記念館を設計したということでそれから彼のことを崇拝して行くのだった。

 さて、新聞記事を一気に読破した。感想は…彼は自分と違う世界の人間だということ。

 幼少時からの生い立ち、出会う人々、関わっていく場所、全てにおいて出てくる名前はビッグネーム、ビッグプレイスのオンパレード。

 何から何まで育った、生きてきた環境が違いすぎる。その中でもいくつか価値観がシンクロする部分もあった。

 「建築設計は個人の想像力から始まるが、建築家一人では何も実現できず、多くの専門家との協働が不可欠。」

 「父の設計した自邸は、工法や材料を絶えず自邸で試していて原寸大の模型のようだった。」

 「建築家の父に抵抗して大学は機械工学科。」(実際はハーバード大学建築デザイン系大学院卒)

 「建築が完成するまでのすべての過程に直接参加できるよう、事務所の組織は小さく保ってきた。」

 がしかし、あまりにもスケール感が違いすぎる。サラブレッドとは彼のことを言うのであろう。そうだ、土門拳記念館に行こう…。


 ~谷口吉生先生を文中「彼」と表現したことは私が先生に対する尊敬を通り越し、遠く足元にも及ばない一ファンだからと解釈していただければと思います。野球ファンがプロ野球選手を呼び捨てで呼ぶように。~

 

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