徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

ボルダリングのあるイエ物語-3

2022-11-17 08:05:49 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 かくして、ご主人が呟いた一言でコンセプトが決まったボルダリングのあるイエ。

 その一言を言わせるためにヒアリングをしていると言っても過言ではない。

 

 この一言を胸に刻み、ファーストプレゼンに向かってペンと共に頭を巡らせる。

 建て主夫婦の要望書を何度も読み返し、ボルダリングホールドを設置できるような壁をどこに配置するか…。

 そして頭の中で構想がまとまった段階でパソコンに向かった。

 私は最初からパソコンには向かわない。

 構想を練る時はペンとトレーシングペーパーと対峙するアナログでの志向。

 昔の人間といわれそうだが、ずっとこの方法でやってきているし、その方が性に合っているようだ。

 CADで図面を描き始めて約一週間。図面を3D化しデザイン検証。微調整しては3Dでチェック。

 3Dの中で納得すると次は模型製作に移行する。

 昔は自分で作製していた模型も、老眼が進んだ今現在は細かい作業の精度がイマイチ。

 ということで、ここ数年は模型製作はアルバイトや助っ人にお願いしている。

 さて、図面、3D、模型とファーストプレゼンに向けた三種の神器がそろった。

 いよいよプレゼンに臨む。

 ~つづく~
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ボルダリングのあるイエ物語-2

2022-11-08 08:03:05 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 資金計画の目途が立った若夫婦は安どの表情を浮かべ、再度家づくりの相談を進めていった。
 
 先ずは土地の購入。子育て世代の若夫婦が希望している場所、土地購入の予算等をヒアリング。

 

 不動産屋さんに当たることはもとより、不動産情報誌や金融機関からの情報入手についてもアドバイス。

 今気になってる土地の件も相談に乗る。

 一通りの相談に回答しその日は事務所を後にした若夫婦。

 それから連絡があったのは、3~4か月たった日だった。土地を決めたので設計に入りたいと。

 購入した土地は、以前会ったときに気になると言っていた土地だった。

 最初に会ったときにヒアリングした内容のおさらいと再ヒアリングが始まった。

 どんな家にしたいか、新しい家でどんな暮らし方をしたいか。

 色んな話の中からキーワードを見つける作業。

 雑談の中から見つけることが多いキーワードだが、今回も雑談の中からだった。

 若夫婦が出会ったきっかけはスポーツだった。

 二人は体を動かすことが好きで、学生時代も運動部に所属し切磋琢磨していた。

 そんな若夫婦から「気軽に運動できて遊べる家がいいな」と言葉をもらった。

 気軽に遊べる…運動…そんな中からご主人が「ボルダリングができる壁があるとか、ブランコがあったり…」

 ポツリと呟いたご主人の一言でこの家のコンセプトがが決まった。

 ボルダリングのあるイエがここから産声を上げたのであった。

 ~つづく~
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ボルダリングのあるイエ物語-1

2022-11-04 10:35:35 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 今年6月に完成引き渡しを終えたボルダリングのあるイエ。

 建て主のご主人は10数年前からの知り合い。ご主人のご両親と私は同世代で高校の先輩後輩という間柄。

 家づくりの相談に私を頼ってきたのは必然の流れだった。

 

 最初に会ってヒアリングを行い、若夫婦の住宅に対するかかる費用や資金計画の理解度が少し低かったと感じた。

 ご主人の職業を考えればもっと借りられるし返せると思った私は、先ずライフプランニングを行うことをお勧めした。

 人生に一度の家づくり。資金計画は大事な要素だし、避けては通れない道。

 すぐさま知り合いのライフプランナーに連絡を取った。

 ライフプラングって何?から始まった第1回目。2回目から徐々に本丸に進んでいく。

 今現在の家計簿を見える化し、これからの家族構成を想定しながら40~50年先までの人生の収支計算をしていく作業。

 もちろんその中には、家づくりの資金計画も含めて収支計算をしていく訳である。

 3回に渉るライフプランニングから、この家族の家づくりの資金計画を含めた人生設計ができた。

 住宅資金がクリアになった上で、どんな家を建てたいか、規模やこだわる部分等を改めてヒアリングを行っていった。

 ~つづく~
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ボルダリングのあるイエ 2022.5.9~外部足場解体

2022-05-13 08:33:28 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 ゴールデンウィークは久しぶりにゆっくりと過ごさせてもらった。

 これも取り掛かっていた仕事が、連休前に一山超えたからである。

 工事中のボルダリングのあるイエは、連休後から一山迎えここからが勝負。

 連休前に足場解体前の外装検査を行った。

 数点の是正項目をピックアップし、施工業者もほどなく是正完了。

 

 そして連休中に外部足場も外れ、外観があらわになった。

 白の外壁が五月の日差しに映えるように佇み、母なる山、鳥海山も雄大な姿を見せる。

 

 内部では大工さんがせっせと内部造作に取り掛かっていた。

 いつもの棟梁は、私の顔を見つけると納まりの相談事を話しかけてくる。

 現場に張ってある壁の下地ボードにスケッチを描いて応える私。

 そんなやり取りが楽しいのだ。

 引き渡しまであと1か月程。職人さんたちの手が止まらない。
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ボルダリングのあるイエ、もうすぐ着工

2022-01-12 08:14:06 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 昨年の5月より計画を始めた「ボルダリングのあるイエ」。

 11月末に工事見積が提出され、クライアントから12月上旬に着工を決める電話があった。

 

 そして年末に工事契約。年明け1月末に地鎮祭も決まった。

 いよいよ着工である。

 今回はコロナ禍におけるウッドショックやアイアンショックが背景にあり、予定していた予算を再度見直して予算の増額を図った。

 そして増額した予算のストライクゾーンに見積金額が提出され、減額案の提示をせずに工事契約に至った。

 減額案の提示無しは、この仕事始めて30数年になるが私の記憶にはない。初めての出来事だったように思う。

 ウッドショック、アイアンショックを考えると、設計前に立てた予算より1割弱の追加で何とかここまでこぎつけたのは上出来かもしれない。

 年末に行政に確認申請書を提出し、確認済証も無事年明けに下りた。

 あとは地鎮祭を待って本格着工となる。

 また一つ、若い家族の夢を一緒に追いかける作業が始まる。
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