檸檬の印象

2018-10-03 22:37:54 | 読書、書物

  晴れ。連休の、台風接近・通過は間違いなさそうな雰囲気。

 梶井基次郎著「檸檬」を読み終えました。あとがきを読んで見ますと、やはり著者の梶井さんは夭折してしまったようで、この「檸檬」に収録されている短編も、かなり病気による鬱々とした気分なんかが現れているような気がします。読んでいるとけっこうイライラさせられるような展開が多いのですが、ある場面・ある場面が妙に印象に残るというか、脳裏に浮かんでしまうという不思議さがありました。やっぱり表題の「檸檬」が強烈な印象。画集の山の上にぽつんと置かれた檸檬、という場面が見てもいないのに見ているかのようにまぶたの裏に現れます。単純に面白いかどうかと問われれば、面白くない短編集ですが、読みたいかと問われれば、またその内別の作品も読んでみたいと言わせる作家ですね。でも、この「檸檬」以上に強烈な印象を与える作品はあるのかな?

 新潮社、夏のプレミアムカバーシリーズも残り二作品、しかも「銀河鉄道の夜」と、「こころ」です。何度も読んでいる所謂名作中の名作、今回もまたどのような発見があるのでしょうか