一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第82期名人戦第4局2日目

2024-05-20 22:38:16 | 男性棋戦
第82期名人戦第4局(主催:毎日新聞社、朝日新聞社、日本将棋連盟)2日目、豊島将之九段の封じ手は、桂を跳ねる手だった。こうやって遊び駒を活用するのがいいらしい。
ここからの手がまた難しいのだが、数手進み、なおも豊島九段が微差のリードを保っていた。
ABEMA2日目の聞き手のひとりは武富礼衣女流初段で、今回はひときわ乃木坂度が高い。解説者のひとりはABEMA準レギュラーの藤井猛九段で、いまは3時のおやつで藤井九段の好きなものを当てっこしている。ニヤニヤする藤井九段に、キャピキャピの武富女流初段。名人戦の激闘を演じている最中にのんびりしているが、四六時中将棋の解説をしていたら、視聴者も疲れてしまう。
ああそれにしても、武富女流初段が出演した天童人間将棋に行けなかったことが、いまさらながらに悔やまれた。
解説に戻り、豊島九段の手番で、藤井九段は自陣に飛車を打つ手を解説している。その変化のどれもが豊島九段よしになり、「評価値の差より、もっと大きいと思いますね」と藤井九段は断言する。
しかし豊島九段はなかなか指さない。果たして、豊島九段は別の手を指した。やがて形勢も五分五分になり、ああ、結局この将棋も藤井聡太名人が勝つんだなと思った。
ところがそれからしばらく経って、豊島九段に形勢の針が振れた。これは珍しい展開である。この将棋の急所は「4三」で、そこを数の攻めで攻めたのがよかったようだ。
局面は豊島九段勝勢。自玉は安全地帯に逃げ込んで、攻めに専念できる形。しかもその攻めも考えやすく、「この将棋は逆転しません」と藤井九段。
豊島九段、天王山の金をグイッと出る。この金は、飛車取りに打ったあの金だ。そして、この金出を見て、藤井名人が投了した。豊島九段は、2022年6月以来、ほぼ2年ぶりの藤井戦勝利。呪縛を解いた意味でも、この勝ちは大きかった。
しかし勝負事は本当に分からない。この第4局、私は藤井名人が当たり前のように勝つと思っていた。戦前は、そのくらいお互いの勢いが違っていたのである。
しかしこうなってみると、名人位の行方は相変わらず藤井名人寄りだが、藤井名人が叡王戦に専念できないのが痛いのだ。藤井名人の今年度は4勝3敗。数字だけ見れば平凡な成績で、藤井名人らしくない。藤井名人、実はけっこう正念場なのではあるまいか。
注目の第5局は、26日、27日。
コメント (2)
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