一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

タイトル戦に登場した棋士が連敗したのは、登場何回目か

2024-05-04 19:23:31 | 将棋雑記
きのうの記事で、藤井聡太叡王がタイトル戦22回目にして初めて、「連敗」した、と書いた。これがどのくらい凄いことなのか、ほかの棋士のそれと比較してみたい。
以下におもな棋士の、初めて連敗を喫したタイトル戦を記してみる。○数字は、タイトル戦の通算登場回数。段位は当時のものにした。なお、持将棋と千日手は、ここではカウントしない。

大山康晴八段…①1948年・第7期名人戦 2○●●○千●●4 塚田正夫名人
升田幸三八段…①1951年・第10期名人戦 2●○●●○●4 木村義雄名人
二上達也八段…①1959年・第10期九段戦 3○○●●●○●4 大山康晴九段
加藤一二三八段…①1960年・第19期名人戦 1○●●●千●4 大山康晴名人
中原誠六段…①1967年・第11期棋聖戦 2○○●●●3 山田道美棋聖
内藤國雄八段…①1969年・第18期王将戦 0●●●●4 大山康晴王将
米長邦雄七段…①1970年・第11期王位戦 1●●●○●4 大山康晴王位
桐山清澄八段…①1976年・第28期棋聖戦 1●○●●3 大山康晴棋聖
谷川浩司八段…①1983年・第41期名人戦 4○○○●●○2 加藤一二三名人
高橋道雄王位…②1984年・第25期王位戦 3●○○●○●●4 加藤一二三九段
南芳一八段…①1986年・第49期棋聖戦 1●●○●3 桐山清澄棋聖
羽生善治六段…①1989年・第2期竜王戦 4●持●○○○●○3 島朗竜王
佐藤康光五段…①1990年・第31期王位戦 3○●●○●○●4 谷川浩司王位
郷田真隆四段…①1992年・第60期棋聖戦 1○●●●3 谷川浩司棋聖
森内俊之八段…①1996年・第54期名人戦 1●●●○●4 羽生善治名人
深浦康市五段…①1996年・第37期王位戦 1●●○●●4 羽生善治王位
久保利明六段…①2001年・第26期棋王戦 1●●○●3 羽生善治棋王
渡辺明五段…①2003年・第53期王座戦 2●○○●●3 羽生善治王座
豊島将之六段…①2011年・第60期王将戦 2●○●●○●4 久保利明王将
佐藤天彦八段…①2015年・第63期王座戦 2●○○●●3 羽生善治王座
永瀬拓矢六段…①2016年・第87期棋聖戦 2千○●○●●3 羽生善治棋聖
藤井聡太叡王…㉒2024年・第9期叡王戦 1○●●……2 伊藤匠七段

藤井叡王を除く21名のうち、高橋現九段以外の20名が、タイトル戦1回目で連敗を記録している。1983年の谷川八段と1989年の羽生六段は、タイトルを奪取しているが、それでも連敗を喫している。
タイトル戦で、負けても連敗がないケースは、「●○●○●○●」か「●○●○●」しかない。よって、タイトル戦で負けた場合は、ほとんどが連敗を喫している。
藤井叡王はタイトル戦21連覇中だが、七番勝負の中には2連敗などしょっちゅうあるから、この期間に2連敗すら一度もなかったというのは驚異的である。というか、考えられない。
藤井叡王、負けてなお強し、を印象づける出来事であった。
コメント (2)
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