一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

陽のあたらぬ戦い

2024-05-13 23:33:05 | 将棋雑記
9日は名人戦第3局、竜王戦6組準決勝のほかに、第35期女流王位戦第2局もあって、賑やかだった。
しかし私が最も注目したのは、第37期竜王戦5組昇級者決定戦・中村太地八段VS村田智弘七段戦である。あちらが華やかな戦いなら、こちらは文字通り、裏街道での陽のあたらぬ戦いである。
これに村田七段が勝ったから驚いた。村田七段はフリークラス。中村八段は第82期順位戦にA級で新加入し、堂々の残留を果たした。そのふたりが戦えば、中村八段が勝つと思う。そこを村田七段が勝つところに、将棋の面白さがある。
そういえば中村八段は、前期4組での残留決定戦でも、川上猛七段との決戦に敗れ、5組に降級した。
川上七段もフリークラス。つまりフリークラスとA級の実力は紙一重、いや紙0.1枚、ということになる。
そのフリークラス棋士に引退へのカウントダウンがあるのが口惜しいが、その一方で毎年プロが4人生まれている現在、こうでもしないと現役棋士が減らない、というジレンマもある。難しいところである。
では、現在フリークラスで戦っている棋士の戦績はどうなのか。フリークラスに降級してしまった棋士で、まだ引退が確定していない棋士の直近10局を調べてみた。

長沼洋八段(59)○○●○●●●○●● 2025年3月31日
増田裕司七段(53)○○●●●●○●●● 2025年3月31日
藤原直哉七段(58)○●●●○●●●○● 2026年3月31日
小倉久史八段(55)○●○●○●●●●● 2027年3月31日
岡崎洋七段(57)●○●●○●○●●● 2028年3月31日
中田功八段(56)●●○●○○●●●● 2028年3月31日
渡辺正和六段(38)●○○○●○○●●● 2029年3月31日
島本亮五段(44)○●●●●●●●●● 2030年3月31日
大平武洋六段(47)●●●○●●●○○● 2031年3月31日
村田智弘七段(43)○○○○●●●●●○ 2031年3月31日
矢倉規広七段(49)●●●○●●●●○● 2033年3月31日
堀口一史座八段(49)●●○●○●●●●● 2033年3月31日
竹内雄悟五段(36)●●○●○●○●●○ 2034年3月31日

13名の合計は41勝で、平均3.2勝。冷静に見れば、やはり勝率は低い。その中で村田七段は、渡辺六段と並んで5勝を挙げている。まだ43歳と若いからスタミナもある。順位戦復帰を期待していいのではなかろうか。
いま、「村田」といえば村田顕弘六段だが、智弘七段にも注目してみようか。
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