一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

中村真梨花女流三段の指導対局会(中編)

2018-01-07 00:15:29 | 女流棋士の指導対局会

第6図以下の指し手。▲4五桂△5九竜▲5三桂成△4五銀▲同銀△同桂▲6五桂(第7図)

第6図では▲5二歩△6一飛▲5四馬で銀得はできる。しかし上手がそんなムシのいい手を許すはずもなく、よく考えたら次の△6二香が厳しく見えてきて、▲5二歩は指しきれなかった。
そこで▲4五桂を考える。竜取りの先手で桂を成り、そのほうが攻めが厚いと見たのだ。それと、▲4五桂に対する中村真梨花女流三段の反応を見てみたかった。
それでそう指し、中村女流三段も「そうか」という顔をしたが、▲5三桂成に△4五銀とぶつけられてみると、下手は思ったほどでかしていない。
私は▲4五同銀と取ったが△同桂と跳ねられ、これは上手がよくなってしまった。
指導対局で上手に感心するのは、上手が大してうまい手を指していないのに(失礼)、気がつけば上手が有利になっていることである。
まあ、下手がヘタをやっているのだ。まったく、下手は御釈迦様の掌の上で暴れているようなもので、力の差を痛感する。▲4五桂ではやはり▲5二歩だった。
本譜、私は▲6五桂。遅ればせながらこの桂も跳躍し、再び角道も通った。まだまだと希望を持ったのだが…。

第7図以下の指し手。△6一香▲6三銀△同香▲同成桂△5八銀▲7二成桂△同銀▲5六香△6七銀成▲同金△5八銀(第8図)

上手の指し手は速い。私は中村女流三段が一周してこちらを見るまでには指し手を決めているが、それでも指せないケースが1、2度あった。
このあたりでKur氏の将棋が終わった。Kur氏は相変わらずの早指しだ。Kur氏は引き続き2局目を行う。
Shin氏は△3六歩と打たれ桂損が確定している。上手は銀冠の堅陣だし、ちょっと下手の旗色がわるくなってきたか?
局面。やはり△6一香が厳しかった。反則を承知で▲6三歩と打とうと思ったのだが、許してはくれないだろう。▲6三銀と打つ時は悲しかった。
中村女流三段は△同香▲同成桂に△5八銀と絡む。私は△6三同金がイヤで、▲同馬△7二銀なら、指す手が分からなかった。私は▲7二成桂で駒損を回復したが、このあたりは中村女流三段が緩めてくれたのだろう。
とはいえ本譜△7二同銀に▲7四銀だと、△6七銀成▲同金△5八飛成がある。けっこう下手玉もあぶないのである。
私は▲5六香と飛車筋を遮断したが、中村女流三段は飛車取りに目もくれず△6七銀成~△5八銀。これは筋に入ってしまったか?

第8図以下の指し手。▲6八金打△6七銀成▲同金△5七桂成▲7三桂成△同銀上▲7四桂△9二玉(第9図)

第8図で▲7三桂成と行ければいいが、△同銀上で詰まない気がした。それに詰みがあるなら、中村女流三段も△5八銀とは指さないだろう。
よって▲6八金打と受けたが、中村女流三段は金を剥がし、ちょっと迷って△5七桂成。
いやいや、あの桂にここまで飛び込まれてしまった。
これを▲同金は△同竜▲6八金△5六竜▲6七銀に△6五竜と、根元の桂を取られて負け。
もはや私は上手玉を詰ますよりなくなったが、それならさっき金を手放す前に指しておけば、持駒の銀が金に替わっていたから、まだ条件がよかった理屈だ。だがそれなら、中村女流三段は△5八銀とは指していないのだ。ということは、上手玉は詰まないわけだが…。
現実に戻り、現在有力な王手は▲7三桂成しかないが、その前に▲5七同金と桂を入手するのがいいのかどうか。
だがそれでは△5七同竜で、▲6六角と出る筋が消える。桂は1枚あればよい、というわけで、たんに▲7三桂成とした。
これに△同銀引は▲7四桂△9三玉に▲6六角と出る筋がある。中村女流三段は△同銀上と取り、やっぱりな…と私は落胆した。
私は▲7四桂。中村女流三段は△9二玉。駒音は小さいが、「勝ちました」と言っている。
私は金が2枚あれば▲8二金から詰むのだが、持駒は金銀銀だ。
これで上手玉が詰むわけがない。もう投げよう、と思った。

(つづく)
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