一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

C級2組(四段)の棋士が羽生竜王と対局するには

2018-01-22 00:44:47 | 将棋雑記
藤井聡太四段は、1月14日に行われた第11回朝日杯将棋オープン戦決勝トーナメント2回戦(69局目)で佐藤天彦名人を破り、準決勝で羽生善治竜王とまみえることが決定した。2人はすでにニコ生とAbema TVの非公式戦で2度当たっているが、公式戦はこれが初手合わせとなる。
私は2015年3月5日に、「C級2組の棋士が羽生名人と対局するには」という記事を書いた。当時羽生竜王は名人・王位・王座・棋聖の四冠王で、C級2組(四段)在籍の棋士が各棋戦で羽生名人と当たるには…を考察したものだった。一応再掲しておこう。


●竜王戦…(C級2組の棋士が6組在籍の場合)a.ランキング戦6組5勝、決勝トーナメント2勝→3回戦 b.ランキング戦1組1回戦
竜王戦は2パターンある。a.はランキング戦6組で優勝すると、本戦トーナメントに出場できる。ここで2勝すると、1組5位の棋士と対局するので、そこで対局できる可能性がある。ちなみに今期の羽生名人は、5位にはならない。
b.は長期計画で、地道に昇級を重ね、1組で対局する。ただしC級2組の棋士が1組まで昇級したら、順位戦のほうも昇級しているだろう。

●王位戦…予選4勝、リーグ戦4勝以上、紅白プレーオフ勝利→挑戦
羽生王位なので、挑戦しなければならない。予選から数えて、最低9勝が必要である。

●王座戦…一次予選4勝、二次予選2勝、挑戦者決定トーナメント4勝→挑戦
羽生王座なので、挑戦しなければならない。一次予選から数えて、10連勝で挑戦となる。

●棋王戦…予選4勝、挑戦者決定トーナメント1勝→3回戦
羽生名人は挑戦者決定戦の3回戦から登場するので、予選勝ち上がり者は、まずひとつ勝たねばならない。

●王将戦…一次予選4勝、二次予選3勝→挑戦者決定リーグ戦
挑戦者決定リーグに入れば、必ず対局できる。しかしそこまで7連勝が必要だ。

●棋聖戦…一次予選4勝、二次予選2勝、決勝トーナメント4勝→挑戦
羽生棋聖なので、挑戦しなければならない。一次予選から数えて、10連勝で挑戦できる。

●朝日杯将棋オープン戦…一次予選3勝、二次予選2勝→本戦トーナメント1回戦
朝日杯はシード枠が少ないので、都合5勝で対戦できる可能性がある。

●銀河戦…予選2勝、a.本戦トーナメント10勝→11回戦 b.本戦トーナメント5勝前後→決勝トーナメント1回戦
本戦トーナメントは長大なパラマスで、a.10連勝すれば最終局で羽生名人と当たる可能性がある。現実的には、b.5連勝もすれば決勝トーナメントに進出できるだろう。この1回戦で当たる可能性がある。

●NHK杯将棋トーナメント…予選3勝、本戦トーナメント1勝→2回戦
羽生名人の登場は2回戦からなので、本戦で1回勝つ必要がある。

●新人王戦…トーナメント戦5勝→名人と記念対局
参加資格は26歳以下、五段以下と限定されているが、ここで優勝すれば、時の名人と記念対局ができる。ただし非公式戦。


以上である。非公式戦の2局を持ち出されるとミもフタもなくなってしまうのだが、上記棋戦では朝日杯が該当した。
藤井四段はルーキーなので一次予選は1回戦からの登場で、抜けるのに4勝を要した。
さらに二次予選で2勝。決勝トーナメントでは同じ山に羽生竜王がおり、自身が2勝、羽生竜王も2勝したことで、対局実現の運びとなった。同棋戦で藤井四段は8連勝。ここまで勝たないと、羽生竜王には当たらないのだ。
ちなみに今日現在、藤井四段が指した公式戦は70局。羽生竜王との対局は2月17日(土)で、それまでに藤井四段は25日に王座戦、2月1日に順位戦が予定されているので、羽生竜王との対局は73局目+αとなる。2016年12月24日のデビュー戦・第30期竜王ランキング戦6組の加藤一二三九段戦から1年2ヶ月。あまりにも早い夢の達成だった。
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