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暮の成り立ち

2025年04月13日 | ことば遊び
 日の出の朝と、日の入りの夕暮れ。どちらも空が赤くなるのが似ている。「朝」の「日」の上下の「十」は草の形で、「朝」は「日」(太陽)が草の間から昇るさまのこと。「暮」も「くさかんむり」と「日」をふくむ字。今回は夕暮れの「暮(ぼ)」についてを採り上げる。

 その「暮」の前に、まず「莫(ばく)を説明する。
「莫」は古代文字を見ると、現在は「大」となっている部分も草の形。「莫」から「日」を除いた部分は「艸(そう)」(草)を二つ上下に書いた形で、草むらのこと。つまり「莫」は草間に「日」が沈む姿で「暮」の元の字だった。
 なので「莫」は「日暮れ」「暗い」の意味だったが、否定の「なし」などの意味に使われるようになった。そこでさらに「日」を加え「暮れる」意味を明確にした「暮」が作られた。

 「莫」をふくむ字で、もう一つ「墓(ぼ)がある。
「莫」と「土」を合わせた形で、「莫」は「暗い」こと、「土」は盛り土の小高い丘・墳丘のこと。「莫」と「土」で墳丘状の墓のこと。
 でも古代中国の殷(いん)時代の墓は地下深くにあった。遺体の安置場所は暗い世界なので「墓」の字ができたようだ。

 「幕(ばく)も「莫」をふくむ字。
「莫」には「暗くおおう」の意味がある。「巾(きん)」は布(ぬの)。「幕(まく)」は天幕・テントのことで、「幕」でおおえば「暗くなる」。

 「艸」を上下に重ねた文字をもう一つ紹介する。それは「葬儀」の「葬」
 「葬」の「くさかんむり」も「廾」の部分も「艸」(草)の形で、草むらのこと。「死」は「歹(がつ)」「匕(ひ)」を合わせた。「歹」は死者の胸から上の骨の形。「匕」は、その死者の白骨を拝み弔(とむら)う人。
 昔は遺体を一時的に草むらに置き、遺体を風化させた後で骨を拾い「ほうむった」。それが「葬」の字。

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