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夢の成り立ち

2017年08月22日 | ことば遊び
 古代中国は呪(まじな)いがいろいろな機会に行われる社会だった。その社会では呪術的な力を発揮する人たちが活躍していた。
 「眉(び)」に「女」を加えた「媚(び)もそういう人たちだった。
 「眉(び)」は眉(まゆ)飾りをつけた目のことで「媚」は眉飾りをつけた巫女のこと。戦争の際には、この媚女(びじょ)を互いの軍の先頭に何千人と並べて、眉飾りをつけた目の力で敵軍に呪術的な力を加えて攻撃した。
 古代中国では、武器を使用した戦闘を始める前に、このような呪いの力で相手を倒そうとして、巨大な にらめっこをした。この媚女は美しき魔女だから、そこから「こびる」という意味となった。

 戦争に負けると、負けたほうの媚女たちは一番最初にすべて殺されてしまう。その殺されてしまう媚女を表している字が「蔑(べつ)」。
 「蔑」」は「草カンムリ」と横長の目「ヨコメ」と「伐(ばつ)」を合わせた字形。
「伐」は「人」に「戈(ほこ)」を加えた字で、人の首を戈で切る形。「草カンムリ」と「ヨコメ」の部分は古代文字をみると、眉飾りをつけた目のこと。これは「媚女」のこと。その媚女を戈で殺している字が「蔑」。そこから、相手を「ないがしろにする」意味となり、「軽蔑」「蔑視」の言葉が生まれた。

 「夢」の字形の「草カンムリ」と「ヨコメ」の部分も「媚女」のこと。
 それに「冖」と「夕」を加えた字が「夢」。「冖」は巫女が座っている姿のこと。「夕」は夕方、つまり夜のこと。
 古代中国では「夢」は夜中の睡眠中に、媚女(巫女)が操作する呪いの力によって起きると考えられていた。

 「夢」の「夕」を「死」にした「薨(こう)という字がある。
 位の高い人が「亡くなる」こと。これは媚女の呪いの「夢魔」の力で死ぬこと。位の高い人は、夢魔の危険がいつもあったからだろう。

 

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4 コメント

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お早うございます (延岡の山歩人K)
2017-08-22 06:37:07
「夢」の成り立ち
よく解りましたが・・・難しかった
 
 >年末には 一年周の夢を調べて、悪夢を払う・・・
夢は 朝起きたらほとんど忘れてますが
1年間の夢を調べるなんて 無理でしょうね(^o^)

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 (延岡の山歩人K) さん へ (iina)
2017-08-22 08:18:04
> 「夢」の成り立ち   よく解りましたが・・・難しかった
漢字の成り立ちシリーズは、読んでいるときは分かった積もりでも、たいていは直ぐに忘れてしまいます。
そんなものです。

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 (らいちゃん)
2017-08-22 09:02:08
古代中国の戦争は媚女(びじょ)の目の力で始まったのですね。
日本の戦が双方の名乗り上げから始まるのと似ていますね。
でも中国では負けた方の媚女が殺されるのが可哀そうです。
夢と言う字の元になっている媚ですが、これでは夢がありませんね。
でも、蔑も薨も夢も媚に関連する語であることはよく分かりました。

>大阪人に”オレオレ詐欺”は、通じないと思ってましたが、最近は巧妙になってだまされる被害が増えているらしいですね。
それが、お金をもらえるかもしれないという話法でしたか
詐欺グループも大阪人にはこの手が使えると研究したのでしょうか?
関西に住む者として十分注意したいです。
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らいちゃん  へ (iina)
2017-08-22 09:54:40
禅宗で励まし叱る時の叫び声が「喝」で、
    元気をつける気合なら「活」ということでしたか。 φ(..)メモメモ

カツ丼には、忘れずに豚カツをのせてくださいね。(^▽^;)


> 夢と言う字の元になっている媚ですが、これでは夢がありませんね。
敵は皆殺しにされたのでは、失望の先に夢を見出せません。

「日本の将棋」は、手に入れた駒を味方にして再び活躍する場を提供します。遊びの世界にも日本らしさをルールに採用しています。

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