ボクシングが好きなんですよ。
格闘技全般、みんな好きなんですけど、ボクシングは特に好き。
東京に勤めてたときには、暇ができると後楽園ホールによく通ったもんでした。
職場が神奈川に移ってからは、さすがに疎遠気味になってたんですが、先月4月某日、夜に時間があいたんで、ひさびさバビューンとボクシング観戦にいってきました。
川崎新田ジム主催のボクシング8回戦---!
有名チャンピオンの試合ももちろんいいけど、僕、どっちかっていうと、しゃかりきにファイトする新人の試合のほうが好きなんだなあ。
ここんとこ親戚の葬儀がつづいたり、仕事以外の所用が重なったりして、体調はイマイチだったんですが、南ウイングの後から6列目のいつもの席に腰かけると、やっぱ、気合い入りましたねえ。
で、この日のプログラムは、こーんな感じでありました。
◆第1試合は、女子ライトフライ級4回戦<郷司利也子選手 VS 下岡由美子選手>
郷士選手は、なんでもグラビアアイドルだとかで、えれー美人。
試合後に南席のほうにやってきたんで、僕、たまたま近くでお顔を見ることができたんだけど、いかにも性格よさそうな、ただ、ハンパなく気ィ強そうな、実によさげなキュート女子…。
ただ、宣伝のせいだと思うんだけど、セーラー服みたいなコスチューム着ててね、あれは、いただけなかった。
でも、マジ、キュートな美人さんなんで、僕、とっさに彼女を応援することにしたんです。
で、試合はじまったんですが、はじまるやいなや、郷司選手、ヤバイなあ、と僕は少うし心配になりました。
彼女、ガードがすぐ下がるんですよ。
それに、ジャブもあんまりでない。
そりゃあね、4回戦だし、女の子だし、まして緊張バリバリの本番のリングのなか、熱いライトに照らされつつガードをあげて戦うってのが、ハンパなくシンドイことだっていうのはよく理解できます。
でもさ、そのへんは締めなきゃ、やっぱ、勝てないじゃないですか。
対する赤コーナーの下岡選手っていうのが、これがなかなかいい選手だったんですよ。
足使って、ジャブ忘れず、しかも、ガードも下がらなない。
そうとう走りこんだんでせうねえ---その成果が、フットワークと機敏な動作に如実にでてる。
これは、利也子ちゃん、幸先わるいなあと思ってたら、案の定、2Rだかでダウン奪われちゃいました。
あーん、残念、結果は判定で、横田スポーツジムの下岡選手の勝ちとなりました…。
◆第2試合 東日本新人王スーパーライト級4回戦<中野亮選手 VS 河田神二郎選手>
名勝負って見地からいったら、これ、この日のメインエベントに匹敵する好試合だった、と思います。
イケメンの中野選手と戦績3戦2勝(2KO)1敗の河田選手。
中野選手がイケメンなので、僕は相手の河田選手のほうを応援してたんですが、どちらも正統派のいいボクサーでした。
互いに譲らない伯仲勝負---ただ、中盤から河田選手のフックが入りだして…結果はドロー。
客席でも、おお、いい試合だったなあ、なんて評が飛びかってまして、僕も熱くなったヨ!
◆第3試合 ミニマム級4回戦<柏野晃平選手 VS 引地昭裕選手>
この柏野選手っていうのは、なんと、東大卒の公認会計士さん。
雑草派の僕としては、僻み根性もちょっと入り、相手の選手に肩入れせざるをえない---と思って相手選手を見たら、なんか見覚えある方---去年後楽園ホールにきたときにも、試合を見たひとではないですか。
これは、応援せなば…。引地選手って、ただ小さいんスよ、ガタイが。
今回はスキンヘッドにしてましたけど、柏野選手と対面すると、どう見ても2階級くらい下の選手に見える。
リーチもないし、ジャブも少なくて、そんなに前にもでられなかったねえ---残念。
柏野選手は、サウスポー---後半足とまってたけど、柏野選手の判定勝利は、これは、まあ妥当な線でせう。
◆第5試合 スーパーフェザー級6回戦<ソンナーライ・ソーバンカル選手 VS 渡邉卓也選手>
長身の渡邉選手がリングに上がったとき、まず思ったこと。
----わあ。職場にこのひとがいたら、喧嘩ふっかけるの絶対にやめよう…!
試合前の体慣らしでも、この選手あんまり上体をゆらさないんですが、鍛えぬかれた背中から、なんともいいがたい「殺気」が、僕のいる後6列目までびんびん届いてくるんですよ。
柔らかい印象はそんなにない---でも、強いオーラを振りまいてました。
前の席のおっちゃんに聴いてみると、どうやらこの方、べつの階級の王者さんだったようです---ああ、道理でね。
ただね、そのオーラが、彼、ボクサーというよりは空手家みたいだった。
何年かまえ、富樫さんの無門館空手を見にいったときの選手たちの佇まいを、僕、なんとなく連想しました。
対する相手はタイの選手---いわゆる、噛ませ犬というわけですが、このひと、ガタイがよくて、肩にタトゥー入れてて、ムエタイ経験者なのかな? いかにも打たれ強そう。
渡邉選手は、連打・コンビネーションってタイプじゃなくて、狙いすました強打を、あくまで冷静に、そして効果的に、要所要所で打ちこんでいく感じです。
試合自体は、さすが6回戦って感じの静かな立ち上がりでした。
テンポの速い試合じゃなかったけど、1R開始の1分すぎ、渡邉選手がこっち席に背中むけた刹那に、もう相手のタイの選手ダウンしてて…。
電光石火の1R1分57秒KO---なんのパンチだったか見えなかった---やったね、渡邉選手---!
◆第5試合 フェザー級6回戦 <小泉良太選手 VS 中川倭選手>
サウスポー同士の対戦。
オサムジムの中川選手が、フリッカーみたいな、よけにくそうなジャブ使ってるのが、印象的でした。
いい勝負だったんだけど、中川選手が2R1分30秒で、小泉選手をTKO。
ふたつもKO決着がつづいたんで、思わず客席がざわついたの、覚えてますねえ。
◆第6試合 女子スーパーバンタム級8回戦 <三好喜美佳選手 VS ムエレック・シットサイトーン選手>
再び女子の試合です。
でも、第1試合の「がんばれよぅ」的な応援したくなる心境を向こうから弾きかえしてくるような、これ、凄い試合でした。
ていうか、三好選手、マジ女子? って呻りたくなる感じ。
三好選手、マジ強かったのよ---ジャブもだすし、フットワークもいいし、なにより冷静だし---こりゃあいい選手だ、いい試合になりそうだなあって思ってたら、開始早々この三好選手が、相手のムエレック選手をささっとコーナーに詰めたんですよ。
----おっ、コーナーだ! どう逃げる?
と思ったんだけど、これが、ちょっと逃げられない。
というか、コーナーに詰めてからの三好選手のパンチの流れが、どれも冷静で、あまりに的確すぎる。
いいのがふたつほど入ったかな、と思った瞬間、相手選手はよろよろと崩れて大の字にダウン。
第1R1分ちょうどのフィナーレ---それは、この日いちばんの凄絶なノックダウンでした。
ドクターが、トレーナーが心配げにかがんで、つづいて担架が入ってきて…。
こういうシーン見ちゃうと、毎度のことだけど、ボクシングって危ねえなあって痛感します。
そりゃあ危ないってば---ひとの看板である顔面を直接ボコボコと殴りあってるんだから。
野球ならバットやグローブ、サッカーならサッカーボールって夾雑物があいだにクッションとして入るんだけど、ボクシングは、闘争2者のあいだに8オンスグローブの皮一枚しか介在しない。
殴り勝てばウイナー、殴り負ければ、はい、それまでよ。
つくづく恐ろしい、ある意味原始的な競技だと感じます。
けど、その原始的な、根源的カオスのパワーにふれるのは、神社や寺院なんかに張りつめている空気を呼吸するときの感触に、ちょい似てる。
太古の神々に捧げるための巫女の舞踏のような、峻厳で残酷なボクシング…。
だから、僕はときどき文明に倦みすぎた自らの魂を鼓舞するために、伊勢神宮にいったり後楽園ホールに行ったりするわけ。
栄光と挫折と残酷と慰謝とがごった煮になっている、ここ後楽園ホールは、ええ、僕にとって非常に厳かで神秘的な、一種特別な異空間でもあるんです…。
◆第7試合 セミファイナル ミドル級8回戦 <西田光選手 VS クンスック・ソーソムポン選手>
この試合もKOでした---なんと、この日5回目のKO決着!
金太郎みたいにがっちりした体型の西田選手が、クンスッス選手をつかまえてバーン。
2R39秒のKO劇でした。
◆第8試合 メインイベント フェザー級8回戦 <片桐明彦日本タイトル前哨戦 片桐明彦選手 VS 大坪タツヤ選手>
フェザー級7位の片桐選手とここのところ連勝中の大坪選手との一戦です。
片桐選手はオーソドックスな、左ジャブから試合をつくっていくタイプ。
対して、大坪選手のほうは、上半身を大きくくの字に曲げて、ジャブのかわりに飛距離のあるロシアンフック(?)を振りまわす感じの、変則ファイターだと見受けられました。
実力は相互伯仲してたけど、大坪選手がとにかく顔あげないんで、片桐選手はやりにくそうでしたねえ。
片桐選手のパンチは効果的で、3Rに大坪選手のこめかみをカットしたりもしたけど、それ以上に大坪選手のロングフックは、片桐選手の顔面を捕えていたように思います。
この試合のことを思いだそうとすると、情景とともに大坪選手のフックのあたるバチーン、バチーンって音が聴こえてくるほどだもん。
結局、そうした印象を裏付けるように、大坪選手が判定勝ちし、片桐選手の日本タイトルへの挑戦権とランキングとをもってっちゃったんです…。
しかしねえ、ボクシングはいいやなあ…。
うん、何度見てもいい。
近いうち、僕はまた必ずや見にいくだろうと思います。
この日全力で闘ったすべての選手と関係者とに賞賛と礼の気持ちをここにめいっぱい捧げつつm(_ _)m、今日のところはこれにてBye---(^o-y☆!
◇追記◇パッキャオ、負けた~っ! くそーっ! あーん(ToT)
もち、イーダちゃんは、熱烈なパッキャオ・ファンです。
でも、あのメイウェザー、たしかに負ける要素、見当たらなかったからなあ…。
あんなボクシングのうまい男って、知らないもん、悔しいけど。
ただ、贔屓の引き倒しになるかもだけど、2、3年前にこの対決が実現してたら?
あるいは、パッキャオの右肩の故障がなく、ベスト・コンディションだったら?
と、思わないではいれません。
まあボクシングは結果がすべてだから、いまさらいっても仕方のないことでせうが…。
とりあえず、いまは、マニー・パッキャオという比類なき男が身体をはって見せてくれた、これまでの数々の「夢のファイト」に感謝するのみです---。
私も少しトレーニング…と考えロッキーのテーマ聴きながら腹筋やったりしてますが、なかなか下っ腹が引っ込みません。
飯田橋界隈は暫く出掛けてないですが、神田古書店街には珍品が並んでいたりして、見ているだけで楽しいですね。
地震・噴火、なかったですね、まだ安心するには早いかもだけど、とりあえずホッとしてます。
僕もボクシングやってる知りあい、なんかやたら多かったんですけど、ボククシングは選手寿命短いんで、あいにくのこと、これは過去形です。
プロフィアさんも神保町お好きでしたら、今度散策なんかいいかもしれませんね!
一応、万が一に備えて職場や家庭で最悪の事態を想定した段取りをしてましたが、備えあれば憂い無しですね。
職場にここ最近、made in Vietnam なんて40feetコンテナよく入庫されます。
時代は
一応万が一に備えて職場や家庭で最悪の事態を想定した段取りをしてましたが、備えあれば憂い無しですね。
職場にここ最近、made in Vietnam なんて40feetコンテナよく入庫されます。
時代はAsiandreamですね。
コンテナ潜って筋トレに明け暮れていますが、富田屋ミーティングを楽しみにしています。
ちなみに、顎を引いてクビを鍛えると打たれ強くなります。
大事なのはガードとスタミナですね。
ボクシングの選手とK美姉さん似ていますね。
なんたる僥倖…ええ、ボクシングのパンチはゆさぶるパンチですよね。
空手みたいに破壊するんじゃなく、小刻みに脳をゆらぶすパンチ。
これが効くんだよなあ。熟達すると人間を眠らせるなんて朝飯前になります。(素人相手に限るけど)
姉さん、ボクサーっスか?
うーん、僕的には、ローマの剣闘士みたいなイメージのが強いんだけどなあ…。
姉さんは戦国武将的なイメージもありますね、直球勝負です!
私は孫子の兵法が好きですが、イーダさんは兵法はどうですか?
戦わずして勝つ 勝算なきは戦わず。
離間の計・借刀殺人などがとても好きで、よく勉強しましたよ。