みれいの近郊生活(ITI)

変えられる事も・変えずに済む事も重要

公共交通弱者の福祉?

2015年02月08日 | 公共交通
人口約2万人の真壁(茨城県桜川市)では鉄道や路線バスが全廃とな
り駅もバス停もありませんがどこへ行くにもクルマの人にとっては
地域から鉄道や路線バスが無くなってもそれほど影響を受けないよ
うです。

鉄道や定期バスが無い真壁(茨城県桜川市)

「人口約2万人の真壁」(茨城県桜川市)

  鉄道や定期バスはすべて廃止されています。
  バスなら1便に10人程度乗っていて黒字を見込めそうなくらい
  の人口なのですが。


雑誌『週刊エコノミスト』[サイト→]の2月3日号に
「生活交通は交通弱者の福祉ではない」という水上 啓吾大阪市
立大学大学院准教授の文章が掲載されていました。
読んでみると、わたしが日ごろ感じていて言ってみたいことと通じ
るようなことが書いてあり、わたしだけが思っているわけではない
と安心しました。
(↓このような内容)

「・・・人口と公共交通網との因果関係は一方向のものではない。
 公共交通機関が不十分であれば、その土地の生活圏としての機能
 が低下する。結果として、利用者となる住民数は低下する・・・」
「・・・全国の交通網における枝の末端は、間違いなく幹につながっ
 ており、末端からの流れの変化は少なからず交通網の幹にも影響
 がある・・・」
「・・・公共交通機関を維持できている人口集中地域では、他地域か
 ら公共交通機関によってやってくる人々の経済力の恩恵を受けて
 いる・・・」


住民は減少─JR線も痩せ─あれば恩恵を受ける─
クルマならどこにでも行けるのでどこに住んでもいいはずなのです
が…。
大阪の読売テレビの
『ウェークアップ!ぷらす』[サイト→]で1月31日に
「急増!高齢ドライバーの事故 対策は?」が放送され、その中で

「・・・邑楽町から一番近い繁華街までは車で20分程度だった。
 だが、電車で行こうとすると駅まで距離があり本数も少ない
 ・・・家にいることが多くなった
 ・・・邑楽町のような、公共交通機関が少ない
地方の町
 では自らハンドルを握らざるを得ない高齢者も多い・・・」

と東武鉄道沿線の邑楽町(群馬県)のケースが紹介されていました。

‘公共交通が不便だからクルマに乗らざるを得ない’のと
‘クルマが便利だから公共交通に乗らない’という要素が絡んでく
ると思われるのですが、どこへ行くにもクルマの人が多く
公共交通は一般的な移動手段として認識されていない
地域がかなりあるようです。


“公共交通は高齢者・障害者といった交通弱者のためのもの”
という認識が広がれば
“生活保護は高齢者・障害者といった働けない人のためのもの”
という固定観念と同じようなものになってしまいます。

利用者が限定されてしまっては
利用促進で黒字どころではありません。
結果として赤字を財政支出で対応するようになると
利用抑制の方針に向かうことにもつながります。


150208

「邑楽町の隣では」(群馬県太田市のデマンドバス)



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