兵頭新児の女災対策的読書

「女災」とは「女性災害」の略、女性がそのジェンダーを濫用することで男性が被る厄災を指します。

実録日本のタブー 2010

2011-10-22 19:10:41 | アニメ・コミック・ゲーム

 

 日本というのは言霊の国であります。
 日本人というのはいまだ科学的思考というものを持つに至っていない野蛮人でありますゆえ、「呪術的思考」という前近代的な思考法に囚われております。そんな劣等人種である日本人には「攻撃呪文」が極めて有効である、ということは拙著でも指摘しました。
 さて、では果たしてそうした「攻撃呪文」の中でも一番に有効なものが何だかご存じでしょうか?
 それは「
正義の味方」です。
 もうね、自分の敵を倒すにはこれに限りますね、「正義の味方」。

「山田は正義の味方だからな~」
「山田って正義の味方なんだぜプゲラ」
「山田は自称・正義の味方」
「やだ、山田君って正義の味方なの?」「近寄らないようにしましょ~」

 いや、出る杭は打たれる日本のムラ社会にあって、本当に真剣に「俺は正義の味方だ」と自称するような人間はかなりレアだと思うのですが、何、別に相手が実際にそう自称している必要はないんです。
 ただ、山田君が我々と違う「考え」を唱えて譲らない。
 その「考え」が我々を傷つけた。
 そう感じたあなたは自由に山田君を「正義の味方」認定する権利があるんです。
 そして「正義の味方」認定を受けた山田君はまず間違いなく「悪の権化」として扱われ、あなたのクラスで村八分になることでしょう。
 日本というムラ社会に生を受けたことに喜びを感じる瞬間ですね。
 めでたしめでたし。
 そんなわけで、自らの「敵」を「正義の味方」に仕立て上げるのは政治闘争の初歩の初歩なんですね。
 いや、まあ、ぼくも相手を「正義の味方」と呼んでからかったことは幾度もありますし、あんまり偉そうなことも言えないのですけれども。

 

 ――とまあ、前振りはそのくらいにして、今回採り上げるのは『漫画実話ナックルズ 実録日本のタブー』です。
 おわかりの通り、粗悪な作りのコンビニ本。ぼくもこの種のものは嫌いで(何だか「書籍」に対する信仰心が沸いてこないんですよね)基本的には買わないのですが、ふたばちゃんねるで本書に「仮面ライダー陰謀論」とでも称するべきものが載っていると聞いて、興味を覚えて読んでみたわけです。

 

1

 

 

■字が読めないと思いますので、画像をクリックして読んで下さい。

 

 ここで扱われているのは『仮面ホッパー』とか『仮面●●ダー』などという形でぼかされてはいますが、明らかに『仮面ライダー』です。
 この誰もが知るヒーローが、統一教会の工作員だったというのです!
 大変です!! 何しろ『仮面ライダー』は最高視聴率35%を誇る大人気番組でした。日本人への影響力はフジテレビの何万倍でしょうか。シリーズはいまだ(原形を全く留めない形とは言え)続編が作られている長寿番組です。この四十年間の間に日本は統一教会員だらけに!!

 

 ――だがちょっと待って欲しい。『仮面ライダー』が統一教会の洗脳番組だということは確かなことなのだろうか。

 

 はい、『実話ナックルズ』に、間違ったことが書かれているはずがありません
 順序立てて根拠を見ていきましょう。

 

 1.上のリード文を見ても明らかなように、仮面ライダーは空手を使う。60年代、右翼の大物、笹川良一先生は反安保勢力に対抗するため空手を普及させた。空手とは、左翼ゲリラを倒すための技なのである!
 2.悪の秘密結社ショッカーは共産党がモデルである!
 3.仮面ライダー・本郷猛を演じる藤岡弘(漫画ではF岡弘と表現)は学会と関係が深い。当時無名だった藤岡が大抜擢されたのは、学会のバックアップのおかげだ!

 

 該当記事における根拠らしきものは、大きく分けて上の三つでしょうか。
 いずれもなるほどと頷ける説ですね。
 まず1.から見ていきましょう。確かにライダーの必殺技は空手……はい?
 ――えぇと、失礼しました。
 ライダーの必殺技はライダーキックでした。

 

3_2

 

 



■ライダーが空手で戦うことが「上からの絶対命令であった」と語られるが……スタッフも上司の言うことは聞けよ!!

 

 ライダーのアクションは空手と言うよりむしろ、当時ブームだったドラマ版『柔道一直線』の影響が大でした。殺陣師も同じでしたし、『柔道一直線』を見てみるとライダーの変身ポーズとしか思えない決めポーズが登場したりもします。もし本当に『ライダー』に空手の普及という目的があれば、もう少しライダーチョップが使われていてもよさそうなものです*1。

 

*1漫画に「ホッパーキック」「ホッパーチョップ」と書かれているところを見ると、少なくとも漫画家はこのロジックの無理矢理さに気づいていたようです。

 

 2.はどうでしょうか。
 みなさんご承知の通り、『仮面ライダー』原作者は石森章太郎先生。石森先生の描いた漫画『スカルマン』が『ライダー』の元になったことは有名な話です。スカルマンの戦う敵は公害を発生させ、テレビで低俗な番組を垂れ流す日本企業、そしてそれと癒着する日本政府――って思いっきり左派やん!!
 あ、いや、それはあくまでも漫画の話。
 テレビ版『ライダー』は原作者石森先生もさることながら、プロデューサー平山亨さんの意向が極めて強く反映されていました。そしてまた、平山さんの企画書を読むと「大戦時、日本に貢献できなかった父親の遺志を継いだ息子、本郷猛が自己犠牲の精神を発揮して云々」といった右寄りの内容が描かれています。
 なるほど、テレビ本編のショッカーを一見すればそこには共産主義の影が――って、大幹部ゾル大佐は思いっきりナチスルックやん!! ナレーションでも「ショッカー怪人製造のノウハウはナチスで開発された云々」言ってるやん!!
 まあ、この当時の悪者と言えば、何と言ってもナチスが定番でしたし。

 

 

4_2

 

 

 



■ショッカーがナチスをイメージしていたことは自明だけれど、ただアメリカSFの「共産主義的な独裁国家」のイメージから間接的に影響を受けた面はあるかも。

 

 ただ、敢えて言えばショッカーの「アジト」がそこかしこにあるあのイメージ、あれは当時の過激派の「アジト」のイメージが投影されていたとは言えると思います。

 

 さて、お次は3.です。
 確かに藤岡弘に統一教会疑惑があったことは事実です。しかし確定情報はなく、あくまで噂話のレベル*2。
 また、そもそも当時の『仮面ライダー』は大した期待もされずひっそりと始まった番組でした。労組が強かった時代ですから、プロデューサーも労組の目をかいくぐって、山奥の掘っ立て小屋みたいなところで秘密で仕事をしていたと言います。そんな番組の主役が無名の新人なのは当たり前ですし、そもそも藤岡さんが抜擢される前は、主役は近藤正臣さんで内定していました。統一教会陰謀論には無理がありそうです。

 

*2ちなみにネットで調べていて同記事を採り扱ったブログに行き当たったのですが、荻上チキさんが「藤岡弘はジェンダーフリーを批判していた」と同記事に肯定的な書き込みをしていました。頭痛い……。

 

 ――以上、残念ながらこの陰謀論の信憑率は、限りなくゼロに近いと言わざるを得ません。てか、「ライダーが空手を使う」などと書かれた時点で、誰か突っ込む者はいなかったんでしょうか。
 が。
 この漫画は最後の1pで極めて唐突に、驚くべき展開を見せます。

 

 

6

 

 

 


■さあみなさんもごいっしょに。「な、なんだってーーー!?」

 

 

7

 

 

 


■最後に挿入されたコラム。四十年ぶりに聞いた意見です。

 

「ネトウヨが統一教会の工作員」との説は、いきなり挿入されるだけでもちろん根拠は一切書かれていません
 また最後のコラムも強烈です。書き手は「ヒーロー番組は戦うから好戦主義者を生む」などと言う、70年代のPTAしか言わなかったようなことを、今更主張したいようです。
 しかし見てきたようにその主張の論拠は、完全に電波(『ガンダム』に交渉ごとが一切描かれていなかったとは、初めて知りました)。
 この漫画のホスト役はヒーローの仮面を剥いでやったとばかりに、「ククク…これが「正義」の正体です!!」などと笑っています。
 しかしぼくには、自らの敵に「正義」という悪しきレッテルを貼ってドヤ顔の、メディアを使ってあくどく洗脳しようとしている、「また別な正義の味方」の正体が仄見えているように思えてならないのですが。

 

8

 


 




■なるほど。

 

 さて、長い長いマクラでしたが、今回はここからが本題です。
 ここまで引っ張って今更本題で恐縮です。
 先日、ネットで以下のようなAAを発見しましたw

 

 

 

Photo

 

 

 

 


■韓国系企業のCMがムカつく、みたいな書き込みに対するレスのようです。よくわからんけど。

 

 いや……ぼく、今まで政治的な発言って全然してないんですけどねw
 そもそもこの胸に書かれた雑誌も読んでませんし(『SAPIO』は女尊男卑特集を組んだ時に買ったことがあるのですが、他は買ったことすらないんじゃないでしょうか)。
 また「中古女」と叫ばせているところを見ると、いわゆる「非モテ論壇」の文脈でぼくの発言を解釈したいようです。中古云々といった発言も、ぼくはしたことがないんですけれども。
 まあ有村悠師匠しかり、ぼくを批判する人がぼくの著作や発言をちゃんと読んでいるということが、まずあまりないのですが。
 しかし、そもそも、それ以前にぼくみたいな無名な木っ端ライターを引っ張り出してこなければならないほど、「ネトウヨ認定業界」というのは人材不足なのでしょうか。
 とにかく彼ら彼女らには「我々と違う『考え』を唱えて我々を傷つけた者は『ネトウヨ』でなければならないのだ」と思い込まざるを得ない内的必要があるのですね。そうして、人は自分でも知らないうちに彼ら彼女らの「
思想地図」に勝手にランクインされてしまっている、というわけです。
 大変に、恐いですねw

 

 さて、とは言え、フェミニズムが左派寄りの思想であることは事実です。
 だからぼくの発言が左派寄りの方々の心を深く深く傷つけていることは、ぼくにだって容易に想像がつきます。
 それでは、「男性差別運動家」(あまり好きな言葉ではないけれども、他にいい言葉が思いつきません)は「右派」なのでしょうか。
 今回の本題は「男性差別運動」の政治的位置について、です。
 いえ、とは言え、上に「男性差別運動」と書きましたが、この言葉を「男性解放運動」と書き換えてみるならば、実はそれは既に「左派」の一派として組み込まれています。90年代にちょっとだけ「男性解放」「メンズリブ」というものが流行ったものの、彼らはフェミニズムを盲目的に受け容れることだけが目的化してしまった人々であった、ということはもう幾度も書きました。
 しかし昨今の「男性差別運動」において、彼らは目立つ存在ではありません。
 いえ、とは言え、ではフェミニズムに批判的な人々は必ず「右派」なのかとなると、それは疑問です。

 

 ぼくはmixiで随分と長らく、フェミニズムに批判的でありながら「左派」をもって任じている人々と議論を繰り返したことがあります。
 彼らは「男性差別的CMにクレームをつける、企業の担当者への個人攻撃も辞さない」などと左派の中でもかなり悪質なタカ派的発言を繰り返していました。ぼくは「行動する女たちの会」などはそうした強硬的な態度で支持を失ったのだと言ったのですが、彼らにとってフェミニズムが支持を失ったという実感はなく、彼女らの活動自体が左派の運動の輝かしい実績としてカウントされているご様子でした。
 ちなみに彼らは「ウヨフェミ」という「非実在フェミニズム」を仮想敵になさっていましたが、彼らに言わせると田嶋陽子先生もウヨフェミなのだそうです……頭痛い。

 

 もう一つ、最近「女性専用車両反対運動」をなさっている方々と印象的な話しあいを持ちました。
 彼らは(男女共がある程度納得のいく、この問題の落としどころであると思われる)「女性車両と男性車両を完全に分ける」という案に対して「ジェンダーフリーに反する」と頑として受け容れず、また「ミスターコンテストや男性助産師がいないことは男性差別である」との主張の主でした。
 こうした、言わば「ジェンダーフリー」という理念をもってフェミニズムに意趣返ししてやろう、といった発想は、実は昨今のネットで度々目にします。
 が、彼らの本意がどういうものであるのか、ぼくには今一、理解がし難い。
 例えば「ジェンダーフリー」の無為さを説くためのアイロニー、一種の「ネタ」でそう主張しているのであれば、ぼくは彼らに快哉を叫びます。が、どうも見ていてそうではないように思われるのです。
 逆に、例えばですがオカマが自らの欲望を正当化しようと「スカートを履く男と女を同数にせよ」と主張しているのであれば、賛成は全くできないものの、その心情は大変によくわかる。が、彼らはそうでもなさそうなのです。彼らの中にミスターコンテストに出たい、助産師になりたいという欲求があるのかと言えば、とてもそうは思えないわけです。
 あくまでぼくの見た感じですが、どうも彼らは「ジェンダーフリー」を単なる「常識」として受け容れ、それを疑い得ない「前提」として出発している人々のようです(そしてまた、彼らの間ではマネーのジェンダー論が否定されていることについても、あまり知れ渡っていないようです)。
 そう考えると彼らはフェミニストたちへ二十年越しで返っていったブーメランであり、痛快ではあります。
 その意味で「フェミニズムと同じフィールドに立っている」という意味で彼らは(本人の政治的スタンスやフェミニズムに親和的かどうかは置くとして)左派的であり、フェミニズム的な方法論を受け継いだ運動であるとは言えます。
 こうした左派寄りの「男性差別運動家」は大変に増えていると、例えば2ちゃんねるの男女板などを見ても昨今、実感します。
 もっとも、そうしたフェミニズム(或いは、ジェンダーフリー)の影響下にある彼らの言動が男性に益するかとなると、それは疑問です。というのもミスターコンテストに出たい、助産師になりたいという「動機」が男性側に決定的に欠けているからです。彼らはぼくが懐疑的な「やられたらやり返す」式の、「さあ差別だぞ、どうだ」と指摘してみせれば何かが変わるはずだという「男性差別運動」と、同じ位置にいるように思います。

 

 さて、ではフェミニストたちが「ジェンダーフリーバッシング」「バックラッシュ」と言い立てていた、『諸君!』や『正論』系の文化人たちはどうでしょうか。
 彼らは取り敢えず「保守」「右派」であるとは言えましょう。
 しかし、では彼らが「男性差別運動家」か、となるとそこは微妙と言うしかありません。彼らは基本的に、「かつての、性役割分担」に肯定的であろうからです。
 お断りしておきますが、ぼくは「ジェンダーフリー」を否定しますし、逆に従来の「性役割」は一概に否定できないものだと思っています。ただ、そうした性役割はかつてより(女性差別的であるより遙かに)男性差別的であった、そしてそれが近年極限にまで達した、だから完全なリセット、デリートはできないまでも何とかもう少し緩やかなものにしていこう、女性に与えられている「フリー」の十分の一でもいいから、男性にも与えて欲しいと言っていこう、というのがぼくのスタンスです。
 その意味でぼくのスタンスが左派の主観からは保守的に見えてしまうのはわかるのですが、では『諸君!』的文化人がそうしたぼくのスタンスに親和的かというと、それは大変に疑問です。客観的に見て右派かと言うと、やはりそうは言えないでしょう。

 

 そもそも、大前提として、ごく当たり前の話ですが、「男性にも自由を、人権を」と唱える「男性差別運動」は、最初から「左翼性」を内包していると言えます。
 むしろ「男性=体制/女性=反体制」という幼稚なロジックを持ち出して男を仮想敵に仕立て上げることで成立した「フェミニズム」に対し、そうではなく男性にも「弱者性」はあるのだと異議の申し立てを始めたのが「男性差別運動」である以上、そこには自ずと左翼性、反体制性が内包されているわけです。
「男性差別運動」の是非は置くとしても、この点を踏まえることなく「男性差別運動」=「右派」の公式をもって攻撃を続ける人々は、大変に不誠実です。

 

 だが、ちょっと待って欲しい。
 男性は女性よりも遙かに優位に立ち、メリットを享受しているのにも関わらず、弱者面をするのは本末転倒も甚だしいのではないだろうか?

 

 ――はぁ、そうスか。
 そこまで優位でメリットを享受している男が、何で女よりも遙かに多く仕事上の事故や過労死や突発的な事故で殺され、そしてまた自殺しているのでしょうね。ホームレスの圧倒的多数が男性であることも、比較的よく指摘されることです。この辺りのことは拙著で詳述しているので、詳しくは繰り返しません。
 しかし、そこまで男性が優位にあるのだと言い立てている割に、何故ネットにおける「男性差別運動」批判は「モテない男のひがみ」という嘲笑に溢れているのでしょうか。何故、オタクこそがミソジニストなのだと、彼ら彼女らはあんなにも嬉しげに繰り返すのでしょうかね。男とは圧倒的な権力で女性の人権を踏みにじり、性的搾取するモンスターだったのではなかったでしょうか?
 これは「ネトウヨ」が実社会に影響力を持たない弱者であるとしたり、或いはオタクであるとしたりするメンタリティと全く同じです。とにかく左派もフェミニストたちも「我々の敵は弱者だ」と言い立てるのが大好きですね。
 彼らの言動は、自分たちが既得権益を得た強者であり、その権力の保持のために弱者を虐げることにためらいはないのだと誇らしげに宣言しているのと、何ら変わりありません。
 そこまではっきりと宣言しておきながら、彼ら彼女らは驚くべきことに自らの振る舞いを省みることもしないまま、「私は弱者だ/弱者の味方だ」という醜い思考停止に陥ったままでいるのです。
 ここにぼくたちは貴重な教訓を得ることができたわけです。
 つまり、人は
「弱い者を守る」フリをする時、誰よりも邪悪になれるのだ、と。

 

 随分と長いものになってしまいました。
 手短に、まとめましょう。
 以上のように「男性差別運動」はかなり左派寄りの運動と言えます。
 フェミニズムに批判的な層すらも、その何割かは左派寄りです。
 フェミニズムにも左派にも懐疑的な層は、それらに比べれば相対的に保守派ですが、それでも政治的な意味あいでの右派の「天皇制」や「国際政治」などに対するスタンスにことさら関係があるとは思われない。ぼくも基本的にそうした問題については無知で無関心です。

 それを右派だと言い立てる左派は、「右派が弱者だと思いたい」「フェミニズム様に逆らった者は全て右派というワルモノなのだ」という情念に根拠づけられていると思われるのです。

 

 それと更に、表題の『日本のタブー』に立ち返って、補足をいくつか。
 今回は「仮面ライダー陰謀論」を説いた一つの記事だけを採り上げましたが、他の記事を見てみれば逆に右寄りの陰謀論、或いは単なるヨタ話でしかない都市伝説、或いは全く逆にまっとうなルポに近いものまで玉石混淆と言えます。
 そこがコンビニ本らしい節操のなさとも言えますし、別に陰謀論にハマるのは左派に限るわけではないことの一例とも言えます。
 それともう一つ、いいことをお教えして差し上げましょう。
 本記事の書き手の切望も虚しく、『仮面ライダー』が実は左派寄りヒーローであるということは、バレてしまいました。事実、ライダーはショッカーの存在を警察にも秘密にしたまま、何の後ろ盾もなく単身戦います。
 一方、『秘密戦隊ゴレンジャー』は国際秘密防衛機構イーグルに属する特別部隊という明らかな公務員、右寄りヒーローです。
 しかし。
 劇場作品『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』では仮面ライダーV3や仮面ライダーアマゾン、そしてキカイダーまでもが、ゴレンジャーたちと共に(直接の共闘はしないものの、同じ世界観で)地球の平和を守るために悪の軍団と戦いを続けていることが語られています。
 何故だか、おわかりになるでしょうか。
 正義には、右も左もないから、なのです。


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9 コメント

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こんばんは。またコメントさせて頂きます。 (Unknown)
2011-10-28 01:59:33
こんばんは。またコメントさせて頂きます。


とりあえず一言だけ。チキ師匠何やってんすかwww


まあ冗談はさておき、正義の味方として誹謗されるという事は男性差別を訴えていると確かに時折ありますね。たいてい正義の味方認定と併せて、お前は反論を許さない独善に陥っているだの、相手を絶対の邪悪で自分を絶対善だと決めつけているだのと、特に根拠もなくそれこそ決めつけられる。こちらは自分を善玉だと主張してもおらず反論を許さないどころか今まさに論争をしているというのにね。
どうも彼ら彼女らの中ではフェミを批判すること=独善の短絡思考に陥ることであるらしい。
実に独善的な短絡思考ですが。
弱者だとレッテルを貼られ罵られる事も(特にネットでは)多いですねえ。
妻子ある男性、仕事をしている男性、エリート階級の男性はみんなフェミ様の味方だとでも言わんばかりです。
無論そんな事はなく、自分の友人や教師、教授の中でも心ある人はフェミナチに疑問や批判をきちんと持っていましたが。
左翼にしろフェミにしろ、自分の敵対者を弱者の、それも男性だと思い込みたい、その上で彼らを蔑みたいという情念ははっきりとあるようですね。
自分自身、弱者の味方であろうと考えていて、だからこそ弱い立場の男性のためにも男性差別を訴えているところがあるのですが、その自分からすると人を弱者であるという理由で嘲笑する左派やフェミは、立派に邪悪な権力者として振る舞ってます。そんな彼らが権力への抵抗だの何だのを叫んでいるのは実にグロテスク。
特に弱者男性はフェミと連帯せよなんてほざいてる大馬鹿野郎(とある場末のブログで見かけたんですが)にはうすら寒いものさえ感じます。


とりとめもない感想で恐縮ですが今夜はこの辺で。近頃めっきり寒くなってきましたが、風邪などひかれませんよう、どうかご自愛ください。
返信する
こんばんは(^^ (兵頭新児)
2011-10-29 00:24:31
こんばんは(^^

チキ師匠が書き込んでいたブログ、調べてみると「双風舎」の経営者のものでした(大爆笑)。
(念のために言っておくとブログでの件の記事の扱いは妄信ではなく「ちょっと待てよ」という懐疑的なものだったのですが、普通に考えれば「待てよ」じゃなく笑い飛ばすレベルでしょう)

いや、ちょっと調べてみるとこの説、真に受けてるブログが(左右問わず)見つかるのですが、しかしいくら何でも出版社の経営者(編集者でもあるらしい)がこのレベルってのはちょっときついでしょう。
「双風舎」については詳しく知らないのですが、『バックラッシュ』という極フェ本を出していた(当然チキ師匠も執筆していた)くらいなので、まあふさわしい反応ではあるのですが。

ぼくも相手を「正義の味方」呼ばわりすることはしょっちゅうなのであんまり偉そうには言えないのですが、「正義の味方認定」している瞬間、その人物は「相手の偽善を裁く知性を持った、より以上の存在」だと自称しているも同然なんですよね。ならば、そう言った以上、その人物には相手のどこに欺瞞があるのかを誠意を持って指摘する責任があるはずです。
しかし日本では「相手は偉ぶっているからワルモノだ」と指摘した瞬間、そいつの勝ちになってしまうのですね。

>自分自身、弱者の味方であろうと考えていて、だからこそ弱い立場の男性のためにも男性差別を訴えているところがあるのですが、その自分からすると人を弱者であるという理由で嘲笑する左派やフェミは、立派に邪悪な権力者として振る舞ってます。

この転倒に、恐らく彼らは一生気づくことがないのでしょうね。
「女性」という弱者様を自らのカードとして抱えた瞬間、そこで「正義」を手にしたのだと思考停止してしまっているのでしょう。
「弱者に優しく」とわめく人々はいつも、常に、絶対に、「また、別な弱者」の痛みには恐ろしいまでに鈍感です。
ちょっと次元は違いますが、特にフェミの子供を傷つけることへの鈍感さはハンパない。
しかし世間での「女性は子供の味方」との認識を利用してフェミは好き勝手にやっている。
かなりヤバい状況だと思います。
返信する
こんばんは。さっそくの返信ありがとうございます。 (Unknown)
2011-10-29 22:33:29
こんばんは。さっそくの返信ありがとうございます。


そうですか。双風舎の経営者がねえ。なんともはや。
チキ師匠もどの面下げて大震災のデマ検証本なんか出してるのやら。

>ちょっと次元は違いますが、特にフェミの子供を傷つけることへの鈍感さはハンパない。


これは自分も折に触れて痛感します。0歳児保育や託児所を、子供への影響も検証せずにゴリ押しすることもそうですし、離婚をやたらに薦めて家族を引き離そうとするやり方も子供にとっては残酷。母親の虐待についてのフェミの擁護というか、責任転嫁もひどい。
中央公論か何かでフェミ女が、我が子を虐待して殺した女に罪はなく、悪いのは男と社会だと喚いていたのには唖然としました。

男性差別/女性災害を抜きにしても、子供の事を考えるとフェミニズムの害毒は自分には看過できません。
返信する
こんばんは(^^ (兵頭新児)
2011-10-30 21:22:28
こんばんは(^^

>チキ師匠もどの面下げて大震災のデマ検証本なんか出してるのやら。

ご心配なく! フェミニストが「被災地ではレイプが多発」とデマを広めた件についてはしっかり隠蔽してます!!(キリッ

今、みのり師匠の本をチェックしているのですが、女性向けエロ本が未成年(17歳だったでしょうか)の少女をモデルにしたがために廃刊してしまったことに文句をつけているのに呆れ返りました。
男性向けのエロ本で同じことが起こったら、「性的虐待だ!!」と騒ぐでしょうに。

>中央公論か何かでフェミ女が、我が子を虐待して殺した女に罪はなく、悪いのは男と社会だと喚いていたのには唖然としました。

非道いですね。
『AERA』にも近い特集がありましたが、そんなことをよくも堂々と言えたものです。
いつ頃の話か、わかりませんか?

それと前々回におっしゃっていたことですが、

>特に弱者男性はフェミと連帯せよなんてほざいてる大馬鹿野郎(とある場末のブログで見かけたんですが)にはうすら寒いものさえ感じます。

ぼくたちのような「ミソジニー」に囚われた悪しき男たち(笑)の下に、たまにこういう人が来ますね。
「メンズリブの理論は既にフェミニストたちが成熟させており、云々」
いや、それは単にフェミニズムに頭を垂れれば男も救われるのだっていうカルトで、既に廃れきってるんだってw
返信する
こんばんは。またまた失礼します。 (Unknown)
2011-10-30 23:57:45
こんばんは。またまた失礼します。


例の虐待擁護の記事、調べてみたら中央公論ではなく論座でした。申し訳ない。
2008年1月号、07年12月発売の分で、「反骨の暴論」云々という特集の一つです。
そして執筆者は誰あろう、我らが北原みのり師匠(笑)

>今、みのり師匠の本をチェックしているのですが、女性向けエロ本が未成年(17歳だったでしょうか)の少女をモデルにしたがために廃刊してしまったことに文句をつけているのに呆れ返りました。

みのり女史はフェミの欺瞞や矛盾を一身に体現してくれる、まさにフェミ芸人の鑑ですねw
調べればまだまだボロが出そうです。


それと一つ質問なんですが……
自分はフェミニズムの子供軽視について、おもに心理学者の林道義氏に学ぶところが多かったのですが(それ以外はフェミの発言からの考察です)、それ以外でフェミニズムの子供軽視について批判しているような書籍はありますでしょうか?もしよろしければ後学のため、教えていただけると幸いです。
返信する
こんばんは(^^ (兵頭新児)
2011-10-31 23:55:16
こんばんは(^^

>そして執筆者は誰あろう、我らが北原みのり師匠(笑)

うわあああああああwwwww
期待を裏切りませんねw
普通のフェミニストならば喉まで出かかっても必死に堪えるようなことを、何も考えずにべらべらしゃべるところが彼女の愛される理由ですねw
近いうちに見てみます。

>それ以外でフェミニズムの子供軽視について批判しているような書籍はありますでしょうか

難しいですね。
フェミニズムを批判した本自体が稀少ですし。
フェミニストの「幼児虐待」の本質は「家庭」という概念に対する激しい憎悪、それから派生した「フリーセックス」への羨望に起因していると言えるかと思います。

昨今のジェンダーフリー教育、性教育はもはやその後者へと足を踏み入れたレベルのもので、一時期それらを批判した本が結構出ていました。
ただ、その種の本は基本的に高くて(分厚い共著がいくつか出てたように記憶しています)なかなか手が出ず、あまりはっきりとしたことが言えないのですが、桜井裕子さんの『性教育の暴走』はまとまっていて読みやすいかと思います(……と書いてちょっと調べたら、数年前の本にもかかわらず絶版のようです)。

前者については山下悦子さんの『男女同権は女性を幸福にしない』が手頃でしょうか。
フェミニストは家庭を憎むあまり往々にして婚外出産を奨励し、「子供は社会で育てろ」と主張します。
それを指摘した本は大変少ないのですが、この本では内閣府男女共同参画会議議員がそうした主張を行ったことに言及しています。また小浜逸郎さんの『可能性としての家族』では、そうした主張のおかしさがかなり詳しく、論理的に明快に批判されていました。

昨今はDV法に絡んだもの(父親からの子供の強奪)が話題になっていますが、すみません、不勉強で今一よく知りません……。
返信する
Unknown (kupibo)
2018-04-30 04:20:51
こんばんは。
本日、yahooニュースでデートDVについて書いてあり、そこから色々検索等をしていたらこちらの
「女ぎらいーーニッポンのミソジニー」
に辿り着き、そこから順繰りに記事を読んでいました。
フェミニズムだとか男女差別だとかについて深く考えたことがなかったので、新鮮な思いで読んでいました。

大体半年分くらいの記事を読んでいて、兵頭さんの主張は朧気ながら理解できていたのですが、本記事で特によりはっきり分かった気がします。
それが、過労死や突発的な死や自殺者やホームレスに男性が多い、というくだりです。
検索してみたら本当にあからさまに多いんですね、全然知りませんでした。
一男性として他人ごとではないと感じました。

昔の記事に対してつたない感想で失礼しました。
引き続き読んでいこうと思います。
返信する
Unknown (kupibo)
2018-04-30 04:22:30
一つ訂正します。
半年分ではなくちょうど一年分ほどを読んでましたね。
勘違いしておりました。
返信する
はじめまして! (兵頭新児)
2018-05-02 23:37:49
はじめまして!
随分記事を読んでいただいたようで、ありがとうございます。

>それが、過労死や突発的な死や自殺者やホームレスに男性が多い、というくだりです。

そうなんですよね。
とにかく世間が女性の犠牲者には大騒ぎするけれども、男性が死んでもあまり騒がない。
男性がどれだけ過酷な状況下に置かれようと、無視し続けるんです。

よければ「男性権力の神話 《男性差別》の可視化と撤廃のための学問(https://blog.goo.ne.jp/hyodoshinji/e/6ec5432327e9de83369bf81cdb2bc8d1)」をご覧になってみてください。男性の状況がどれだけ凄惨なものか、そしてフェミニズムに支配された世の中がそれをどこまでスルーし続けて来たか、本当に愕然となります。

近年は男性側も少しずつ声を上げるようになってきていますが、それが世論として受け容れられるまではまだ時間がかかりそうですね……。
またコメントください。
返信する

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