兵頭新児の女災対策的読書

「女災」とは「女性災害」の略、女性がそのジェンダーを濫用することで男性が被る厄災を指します。

2011年・女災10大ニュース

2011-12-18 22:19:40 | 上野千鶴子

 新年、明けましておめでとうございます。
 いよいよ2011年の始まりです。
 これよりの二週間がみな様にとってよい年でありますように、お祈り申し上げます。
 ――わかりにくいので書いておきますが、以上は
歌丸師匠が毎年やる新年恒例のボケのパロディであります。

 さて、というわけで今回は今年の「女災10大ニュース」でも発表しようかと思います。
 といっても具体的に新聞などで騒がれた大きな事件などは一切、扱われません(笑)。
 あくまでぼくの視点から、ぼくの感覚に基づいて選んだニュースなので、トピックスとしては抽象的なものばかりになりますが、そこはご容赦ください。
 それでは早速、10位から発表して参りましょう。


 【第10位】『女災社会』電子出版
 えぇ~と、
ぼくの気づかぬうちに、拙著『ぼくたちの女災社会』の電子版が出版されておりました。出版予定があったこと自体は以前より聞かされていたので、出版(配信?)にあわせてここやツイッターでも告知して、何か連動企画でも考えようとか、自腹でネット広告でも打とうとかいろいろ考えていたのですが……まあ仕方ありません。紀伊國屋書店BookWebで購入できますので、環境が許す方はご覧になってみて下さい


 【第9位】有村悠師匠、なか見検索で拙著をご高閲
 有村悠師匠、ぼくはよく存じ上げないのですが、ネットでは結構な有名人のようです。
 彼については「ろりともだち(その2)」でも軽く触れました。
 師匠はブログ
ぼくの著作を読みもせず、しかもぼくのみならずAmazonで好意的なレビューを書いた人々まで(呆れたことにレビューを自身のブログに引用して)口汚く罵るというナイスな挙動に出た御仁です。あまりにも目にあまり、「せめて読んでから貶してはどうか」と進言したのですが、師匠のお答えは「残念ながらこの本にそんな必要は認められない。」というもので、その思考停止ぶりに感銘を受けてのランキングとなりました。
 が、実は師匠、これ以降も「ザ・インタビューズ」へようこそ!(「ソーシャルインタビューサービス」というものらしいです。よくわからん)において拙著を引きあいになさっていました*。
 そこで拙著は「なか見検索で読む限り、相当残念な本です。」とのお言葉を頂戴することになりました。なか見検索とはAmazonの試し読みのサービスで、最初の6pはそこで無料で読めるようになっているのす。
 たったの6pで原稿を書いてしまう勇気には敬服しますが、読もうが読むまいが頭は停止したままなのですから、師匠には兵頭バージンを貫いて欲しかったところです。


*「「男性差別」という言説が僕は嫌いなのですが、有村さんの見解が聞きたいです。」という、まあ最初から出来レースみたいなやり取りですね。案の定、師匠の発言は「長い歴史を通じて、女性はマイノリティとして扱われてきました。」といった幼稚なもの。革命戦士の「思考停止力」の本領発揮、といったところです。


 【第8位】女災ラノベ出版中止
 実は企画があったのでありますよ。
 ぼくがお世話になっていたヲタ系出版社がありました。この数年はここのおかげで食えていたと言っても過言ではなかったのですが、会社の方針が小説の出版を縮小、ノンフィクション系に力を入れたいというものに変わり、ぼくも「萌える○○」的な企画書を作って提出しておりました。
 なかなかうまくいかず、苦し紛れに担当編集者Kさんに『女災』を見せて「こうしたものの萌え版はどうか」とプレゼンしたところ意外や感触がよく、先方から「ライトノベル化しよう」といったアイデアが出されたのです。
『女災』の内容に対しても、Kさんは「
最初は兵頭さんが僻みっぽいのかなと思ってましたけれど、お話をお聞きしておっしゃる通りだとわかりましたよ」などとおっしゃっていました。まあ、この種の発言がなされる場合、基本的には本音は前半部分にあるものなのですが、仮にそうだとしても(本音ではぼくの意見に同意してはいなかったとしても)商業的にある程度、企画について興味を持ってもらえたものと確信しました。
 むろん、こうした企画というものは(特に不況の昨今にあっては)そうそうトントン拍子に行くものではありません。出版にまで漕ぎ着けられる企画書なんて何十も出して一つや二つといったところかも知れません。とは言え、Kさん自身のモチベーションは取りつけたと思っていたのです。
 ところが。
 プロットをまとめ、出版社を再訪したところ、寝惚けたような顔で「ピンと来ない」「リクツは判るが」と繰り返すばかりの、気の抜けたような対応になってしまったのです。前回に形成されたはずのコンセンサスは全て、Kさんの脳からすっぽりと抜け落ちているかのようでした。
「仮に女性専用車両を受け容れても、ぼくたちは両手を挙げて電車に乗らなければならないわけですよ」
「両手を挙げて電車に乗ればいいじゃないですか(事実、彼はそうして乗っているらしい)」
「仮にそうしていてもなお、痴漢に間違われかねない現状を生きているんです」
「いや、リクツはわかるがピンと来ないですね」
 要領を得ないことを言い続け、ついには
「(この企画は)どうしようもないってことですよ
 と言い放ったKさんに、ぼくはすごすごと出版社を後にすることになりました。
 正直、Kさんの真意はわかりません。
 彼が自らの信念に照らしてぼくの主張がどうしても許せないと感じたのであれば、最初からそう言えばいいのだし、信念を曲げてでも企画を検討したのであれば、それを通すべきでしょう。売り上げなど別な理由から企画を取りやめたいのであれば、それをそのまま言えばいいだけのことです。
 更に言えば、そこまでやる気がなくなったのであれば、ぼくをわざわざ呼びつけなくともメールでその旨を伝えればいい話です。この業界、不誠実で非常識な編集者というのは残念なことに数多いのですが、しかしある程度の間、仕事をさせてもらっていたおつきあいのある編集者さんが(いかに不要になった作家相手と言えど)そうした言動を取る理由が、ぼくにはさっぱりわかりません。
 そんな相手に対してわざわざ時間を費やしてプロットを作成し、「別案ですがキャラクターたちにこのような設定を加えては……」などとドヤ顔でプレゼンしたぼくの方こそいい面の皮です。
 しかも、無理してつけた流行のラノベ風のポップな仮タイトル――
『ぼくの妹が女災に怒りすぎて恐い』
 あぁ……萌えです。萌え萌えです。恥ずかしくて死んでしまいたいです(笑)。
 が、この時のKさんの発言で極めて印象的なものがありました。
『女災』を読んでの感想なのですが、
「兵頭さんはモテたいのかな、と思った」
 とおっしゃったのです。
 あまりにスットンキョウな発言で意図がわからず、ぼくも間の抜けた返答しかできなかったのですが、事後、一ヶ月ほどした時にふと彼の発言の真意に思い当たりました。
 元々、Kさんの口からは東浩紀とか上にも名の挙がった有村悠(笑)といった名前が出ていたのですが、恐らく彼はそうした人々のイデオロギーに影響を受けつつも、フェミニズム関連の知識は持っていなかったのでしょう。ぼくとの会議の後、何かの加減でそれについての意見をグル様だか誰だか影響力のある人物に問い、「
兵頭は悪しき非モテ論壇の一味だ」といったお告げを賜った。
 想像ですが、当たらずといえども遠からずの状況があったのではないでしょうか。
 むろん、このことだけをもってフェミニズムと親和的な進歩派が「まるで北朝鮮のような思想統制を行っている」とか「その底辺には一切の思考力を持たず指導者様の命を実行に移す革命戦士が大勢いる」とか「その組織は『命令に従わない者は、殺す。』とか『平和を愛する者は、殺す。』などといった鉄の掟で縛られている」とか断言したいわけではありません。とは言え、本件を出版やマスコミ業界におけるフェミニズムの影響力の一例として考えることは、できるのではないでしょうか。


 【第7位】みのり師匠プチブーム
 はい、みのり師匠ブームです。
 てか、これはどちらかと言えばぼくの中の「マイブーム」といった方が正しいかも知れませんね。フジテレビデモに絡んで一時期、結構ネットでは騒がれたのですが、すぐに沈静化してしまったようです。
 みのり師匠の「面白さ」についてはかなりしつこく採り上げたので、ここでは繰り返しません(「秋だ一番北原みのり祭!!」、
アンアンのセックスできれいになれた?」、ぼくと彼女の有意義な会話――北原みのりさんとの往復ツゥイート)。
 が、最近、上野千鶴子師匠がまたどこかの雑誌で彼女と対談していました。みのり師匠というのはフェミニストの中ではかなり若い部類に入り、また以降、それほどぱっとした人材が出てきたとは言いづらい。つまり彼女はある意味「
最後のフェミニスト」的な位置にいるとは言えるでしょう。


 レディースコミックやBLの流行後、フェミニズムは説得力を失いました。が、みのり師匠はある種「エロを語る女」という内田春菊的スタンスでメディアに登場しては、フェミニズムを混ぜ込んでプレゼンするという、ある意味で露骨に矛盾した戦略を採ってきました。その矛盾を、彼女は破天荒であんまりお利口さんとは思えないその「キャラ」でカバーしているというのがぼくの印象です。上野師匠がそんなみのり師匠をいまだ登用せざるを得ない辺りがフェミニストの人材不足を、もう「フェミニズム」に明日がないことを雄弁に物語っていると言ってもいいかも知れません。
 更に言うなら昨今、奇矯なフェミニストたちがツイッター上で目立ち始めているのも、ぼくには何だか同様の現象に見えてしまいます(これについては次回に詳しく)。
 師匠の近著、『
アンアンのセックスできれいになれた?』はメディアに「フェミニズムはデキる女のたしなみだ!」と煽られ真に受けたはいいものの、世でフェミニズムが廃れ、後戻りできなくなった女性の怨み節です。しかしこの伝で行くと、後十年もすれば有村師匠辺りの「フェミニズムはデキるサヨクのたしなみだ!」と煽られ真に受けたはいいものの、世でフェミニズムが廃れ、後戻りできなくなったサヨクの怨み節がステキなご本になるかも知れません。

『フェミニストの走狗でナオンにモテた?』

 みんなで買いましょう。


 【第6位】震災に便乗したフェミニストたちのデマ
 今年の漢字は「絆」ということに決まったそうです。
 誰がどこで決めて、決まったら具体的にどうなるのかはよく知りませんが、まあ無難なセレクトであると思います。
 東日本大震災は疲弊しきっていた日本社会にダメ押しの大打撃を与えました。日本は終焉を迎えこれから
日本2.0が始まるのかと思われましたが、意外や意外、日本人はただただおとなしく永遠の日常をいつもと変わりなく生き続けました。
 ガイジンからはキモがられましたが、とは言え暴徒がスラムで大暴れ――といった『北斗の拳』的展開よりはよっぽどいいことは論を待ちません。草食系世代万歳です。もしこの災害が全共闘世代の若い頃に起きていたらどんな恐ろしいことになっていたか……と想像すると戦慄を禁じ得ません。何しろあの世代はレイプを含む凶悪犯罪を
今の四倍から七倍という恐るべき頻度でガンガン起こしていましたから。
 では震災時、力が必要とされる局面で、今のだらしない草食系の男どもは使えなかったのかと言えばさにあらず。男たちは生命を懸け、献身的に被災地での救援救助、復旧活動に尽力しました。一方、『東京新聞』では安全地帯で特に何もしていない女性様たちが「復興の鍵を握るのは女性。母性を持つので生命を大事にできる」などとおっしゃっていました。
 ナニ!? 女性様を「産む性」と位置づけるのはジェンダーに縛られたネトウヨの行為であるぞ!! 不敬罪だ!! フェミニスト様に八つ裂きにされるがよい!!
 ――え?
 あ、はい……。
 失礼しました。上の発言は上野千鶴子大先生によるものでありました。
 黒人が「ニガー」というのがおkであるのと同様、女性様が御自らを「産む性」と規定するのはおkであります。
 ……いつまで経っても本題に入りませんが、要は震災時のデマです。
 男たちが復興に生命を懸けている中、フェミニストはまたぞろ、「被災地でレイプ事件が起きる」などとわめいていました(「物語の海、揺れる島」、
エンタのフェミ様!)。
 恐らく、今回の被災地で「レイプが多発した」とのデマが大規模に垂れ流されることはなかったと思いますが、問題は阪神大震災時にレイプが多発したのだとのデマを訂正することもなく蒸し返したことです。
 しかしこうしたフェミニストの悪質さについていかに糾弾しようとも、世間は「でもレイプ事件は起こり得るじゃないか。だから警告としての意味がある」と繰り返すばかりなのです。なるほど、「大量破壊兵器がない」と証明できない以上、「大量破壊兵器を持っているのだ」と断定されても文句は言えないですよね!!
 ちなみに荻上チキ師匠は新書で『検証 東日本大震災の流言・デマ』というのを出されましたが、「朝鮮人がレイプしに来た」といったデマについてはかなり多くのページを割いているにもかかわらず、フェミニストの件にはダンマリを決め込んでいらっしゃいました。

 でも、考えると情報の隠蔽ってデマと本質がいっしょだよね。


 ――と、気づけばここまででかなりのページを費やしてしまいました。
 5位以降については次回。
 今年中に間にあうのかな……。


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