安倍内閣に一矢を報いた「福島・沖縄参議院選・鹿児島県知事選挙・東北五県の勝利」

2016-07-12 12:04:35 | 日記

 安倍内閣に一矢を報いた「福島・沖縄参議院選・鹿児島県知事選挙・東北五県の勝利」

 

    「この参議院選候補者に現役の大臣が2名います。それが『米軍基地のある沖縄』であり、もう一つが『原発破壊基地の福島』の候補者です。このことは、その大臣候補者と戦っていると同時に、いやそれ以上に自民党総裁である安倍首相との戦いであります。この勝敗は安倍内閣に致命傷を与えるか、それとも私たちが致命傷を受けるのかの闘いです。だからこそこの二つの選挙区では絶対に負けられません。その一つである福島は勿論です。それは岩城法務大臣にではなく、安倍総理大臣に勝つことなのです」(7月1日(金)「増子輝彦郡山地区決起集会」における候補者の決意の言葉)

  そして結果は総理大臣に挑んだ増子輝彦候補が勝利を手にした。さらに海を挟んだ沖縄においても現大臣を打ち破ることができた。このことは自・公陣営の圧勝にも勝るものであり、自党の候補者名にバラの花を飾り、笑みを浮かべている安倍首相に一矢を報いたものとなったのは事実であろう。顔とは異なり心の中は穏やかではなかったはずである。それだけ重みのある福島、沖縄の勝利であった。

  そして、その陰で小さく取り上げられた「鹿児島県知事選挙」がある。安倍内閣の原発政策に忠実であり「薩摩川内原発の再稼動」を受け入れた現知事は、8万票の差をつけられ挑戦者の三反園訓氏に敗れた。新知事は「熊本地震を考慮し原発の一時停止と点検」を求めている。再稼働を容認してきた県の方針の転換のみならず、自民党の原発政策に大きな影響をもたらすことは事実であろう。これも安倍首相にとっては大きな痛手であったはずである。

  加えて、東日本大震災の直撃を受けた東北地区の一人区選挙の闘いがある。青森、岩手、宮城、そして福島、さらに避難者受け入れに尽力をした山形の五県で自・公との対決を制し勝利を納めた。政権与党があの手この手で繰り広げた「災害復興を金目とする交付金政策」をも通じなかった結果である。

  私たちはこの3つの成果をしっかりと受け止めるべきである。そして「早まるであろう解散・総選挙」に対応する知恵と経験にしなければならないのではなかろうか。

  また、触れなければならないものに今般のマスコミの姿勢がある。告示日三日後に早くも「自・公過半数獲得」という記事が新聞紙上に展開された。そして終盤に至っても治まることなく、拡大宣伝となったことである。同時に一方では「憲法改正を争点にすべき論」を展開させた。そのことは「社会的公器の責任としてのマスコミのあり方」からして正論である。そうであれば「なぜ政権党はそれを争点にしないのかの暴露」も合わせて報道することが「公器」の責任というものであろう。しかし、その追求は鈍かった。

  そして選挙終了後の10日夜、TBSの番組に出演をした安倍首相は次のような発言をしている。「憲法改正についてはこの選挙で是非が問われたとは考えていない。今後は与野党関係なく憲法審査会でしっかり議論してほしい」と述べている。「この選挙で是非は問われていない」とする安倍首相は、すでに、これから始まる国会の論議での次の言葉を用意しているだろう。「去る夏の参議院選挙で私は一言も憲法改正には触れなかった。しかし、マスコミはこぞってそれを取り上げました。また自民党は憲法の改正を党是としています。改憲草案も用意していますし、お示しをしてきました。よって国民の皆さんは憲法改正が緊急の課題として受けとめてこられたと思います。要は憲法のどこを、どのように変えるかの論議を静かにすれば良いのです。参議院選時は経済が優先でした。よって特段その提起をしませんでしたが、それは国民は承知のことです」と。まさに安倍流の国会発言である。

  そして、公認権を持つ総裁でもあるのが首相です。「再選禁止の党規則」を変えることも簡単でしょう。現に稲田政調会長もそのことに触れています。東京オリンピックの高揚の中で「何でもあり」の政治を強行する危惧は否定できません。そのことをあらためて痛感した参議院選挙であった。安倍晋三という政治家は恐ろしい人である。

 

 


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