福島県知事選を考える。争点をなくし、中央政権直結の県政に

2014-09-10 13:35:09 | 日記

   福島県知事選を考える。争点をなくし、中央政権直結の県政に

 この時期、数人のメール交換者から「福島県知事選」についての情報提供の依頼があった。

 つまり、全国的にも、注目に値する選挙であるということの証拠である。

 推測を交えた報告は無責任である。しかし、この選挙の結果が、今後の再稼働を含む「原発政策に与える影響の大きい」ことは当然である。それだけではない。次の沖縄選挙への波及も大きい。

 仮に「知事選の三連敗」は、安倍政権の屋代骨が揺らぐということにもなるだろう。「負けられない選挙でもあるが『負けない候補者』を担ぐ」。これが除名した政治家を、東京知事選に選んだことからも十分にあり得ると考えて不思議ではない。とは言っても、民主党を軸とする反自民の勢力をかかえる現職知事では困る。それに近い立場の者でも良い。「県民党選挙」で圧勝する結果を得たい。そこに中央政治直結のレールを引けばよい。これが自民党中央の方針であるとみて間違いない。

 この圧力が、佐藤現知事の表明を遅らせている原因ではないかと報告してきた。

 さらに、公示前Ⅰケ月を目前にして、「中間貯蔵施設」の設置容認、首相との会見を「置き土産として」佐藤知事は引退を表明した。この設置容認に対する政府の方針であるが、最終処分場とはしない担保の法律。全面国営化を取り下る契約などもさることながら、提示された政府からの各種交付金の積み増しには異常なものを感じた。よって交付金は「多いに越したことではない」と言い切って良いのだろうかという疑念を持つことも報告してきた。

 評論家はいろいろと推測するだろう。私は「評論スズメ」ではないし、それだけの知見も有しない。

 しかし、僅かな字数であるが、私がメール友に報告をしてきた内容からは読み取れるものがあるとするなら、それは読み取る側の意識にあることだと述べておきたい。

 さて、多分そうなるだろう。「相乗り選挙」となった場合、県内すべての廃炉方針が覆ることはないにしても、他県の再稼働に弾みがつくことは間違いがない。加えて、1大臣の「金目発言」であるこの動きは加速するだろう。

 帰還困難区域は別としても、それ以外の避難区域への帰還の方針は促進され、帰らない、あるいは帰れない住民の保障(補償)は、二の次、三の次になるであろう。そして「とりあえず、その場しのぎ」という政策の実態が次々と再現されるだろう。

 そして、私は次の兆候を恐れる。

 「さあ、自民党も押した選挙だ。そして勝った。なれば政府からは、取れるものは何でも取ってやろう。取るべきだ」という、県民の意識の増長に対する警戒である。

 折しも、経営者団体が自民党への献金を復活させた。「金で政策を買う」ということなのか。「それに応じましょう」と自民党政権は答える。

 一党独裁の現政権下の「相乗り選挙」は、政策の争点を失うことになる。そのことが最大の汚点である。


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