限りなく空母に近い大型ヘリ護衛艦・「かが」の進水に思う

2015-08-28 15:25:02 | 日記

限りなく空母に近い大型ヘリ護衛艦・「かが」の進水に思う

 

 安保法制関連法の審議の中で一つの討論がある。それは日本海域を航海している米エイジス艦が攻撃を受けた場合、その攻撃が日本の「新三要件」が侵されると判断することにより、自衛隊の「武力行使」を行うことができるとされている。その論議の中で「米艦を攻撃する発信基地をたたくという攻撃はあるのか」という質問である。いわゆる「叩かれる前に叩く」・「その攻撃の根っこをたたくことが先手」という戦争の常識をめぐるものである。

 しかし、政府は日本の自衛隊の武装は、他国に侵入して攻撃する物にはなっていない。よってそのようなことはないし、できないと答えている。

 さて、空自は最新鋭戦闘機F-35の導入を決定している。この機体は、敵のレーダーに捕捉されにくい高いステルス性能を持っている。そこで日本共産党の穀田恵二議員が「F-35の行動半径」をについて問うている。中谷元防衛相は約110キロと回答している。これは空中給油なしで朝鮮半島、ロシア、東シナ海まで戦闘行動が可能だということを意味する。「日本がこれまで『理論上は可能であるが、実際の能力は備えていない』と重ねて述べていた敵基地攻撃能力」が今後、空自が導入するF-35Aによって飛躍的に強化されることが明らかになったと考えられないか。新聞の報道もこのことを懸念している。
 そして今般、海上自衛隊の新しいヘリコプター搭載護衛艦の進水式が27日、横浜市磯子区のジャパンマリンユナイテッド磯子工場で行われた。「かが」と命名された。旧日本海軍にはかつて同じ読み方の空母「加賀」があった。新護衛艦「かが」も船全体に平らな甲板が広がる「空母型」だ。旧海軍の船名が海自艦船に命名されることは多いが、海自は、この「かが」を空母と認めていないと報じている。(毎日新聞8月28日)
 空母は「敵基地攻撃型武装艦」である。戦闘機を格納し、敵陣地の寄り近くまで進攻する。そして甲板から飛び立つ戦闘機は敵基地を攻撃し舞い戻り、整備し弾薬を積みさらに飛び立つ。

 今回進水した「かが」の全長は248メートル、幅38メートル、基準排水量は1万9500トンである。今年3月に就役した海自最大の「空母型」護衛艦「いずも」と同型のものである。これで海自は2隻の「空母形大型護衛艦」を持つことになる。あの大戦時、旧海軍が建造した世界最大の戦艦『大和』の全長は263メートルであるからそれに匹敵する大きさである。最大の特徴は空母を思わせる全通甲板。その広い甲板上に最大で14機のヘリを積載することが可能であり、5機のヘリが同時に発着できると解説されている。
 さらに、配備が予定されている「オスプレイ」がある。時速約500㎞、航続距離は約3900㎞。これは沖縄を中心にすると、朝鮮半島、中国大陸東部、南シナ海までを含む範囲となる。物資の輸送以外に兵員24人が搭乗できる。飛行高度最高約7500mは他機からの攻撃も受けにくい。その攻撃型ヘリが積載可能となる。

 いみじくも、旧海軍時代の航空母艦「加賀」は、ワシントンの海軍軍縮会議の結果建造中止となった戦艦を改装した大型空母であった。真珠湾攻撃に参加、ミッドウェー海戦にて沈没している。当然にして海軍史にはその改造記録は残っているだろう。その意味では「かが」も「いずも」も、限りなく空母に近い攻撃型ヘリコプター搭載大型護衛艦であり、必要とあれば「本格空母」に改造できると言っても過言ではないと考えて不思議ではない。

 もちろんこれは、専門家でもない「一市民感覚」の基づく綴りである。これをどう読み取るかはお任せしたい。

 

 


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