のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2009年8月:歌舞伎座 2・3部

2009-08-11 02:16:05 | 書いたぞ: 感想書きました~

夏休みをとった1日は、チケット取りと歌舞伎座2・3部、ぶっ通しで終わりました♪


9月の歌舞伎座、WEBでは、私の行きたい日に限って、取りたい席が出てこない。
他の日だと、出てくるのに~(-_-;)

仕方ないので平行チャレンジでかけた電話も、これまたなかなか、通じない。
結局、電話つながるまでえ、1時間くらいかかっちゃいました。
うーん、「今回のチケット合戦はたいしたことないかな~」
なんて、甘くみてたのがいけなかったか。


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さて、歌舞伎座。
今月は8日開幕だから、まだ3日目なんですね~
とりあえず、サクっと感想書いときますと・・・


2・3部とおして1番、面白かったのは、3部の「お国と五平」。
谷崎先生原作のお話なんですが、なかなか、なかなか。
ドラマとして見ごたえありました。

元婚約者の弱虫臆病を自覚する友之丞に、武士の鑑のようなダンナを闇討ちにされた
お国さんと、忠義の五平の仇討ち旅。
4年(だったかな?)近くの放浪の果てに、ついに二人の前に仇の友之丞が現れますが・・・

というお話で、友之丞が三津五郎さん、お国が扇雀さん、五平が勘太郎さん。
夕暮れに薄の野っぱらを舞台に、登場人物は3人きりで、場面転換もなしでみせる50分。
(花道も使いません)
舞台は屋外なんですが、ある意味、密室劇っぽい濃さが感じられました。


お国のダンナをやみ討ちにしたことの理由を語る友之丞には、
最初は「ダメだ、ヘタレだ。」と思い、友之丞とお国五平の会話の
かみあいというか、なんというか、根底の次元が食い違うような会話に、
「ストーカー犯罪者の心理はこんななのかなぁ、うーん、怖いなぁ」と思いました。
ちょうど、この日、家で、こないだ起きた耳かきのお姉さんのストーカーの人の
殺人事件の話が話題になってたばかりでしたし。

しかし、このお話、そこから意外な逆転が起こります。
コレが面白い。


まだご覧になってない方のために、というのは建前で(^_^;)、
面倒なので細かい説明は省略しますが、
お国と五平は、「おのれ許さん、友之丞」から一転して、友之丞と同じ側になって
しまい、「お願い許して、友之丞」となってしまうわけです。

でも、まぁ、個人的には、お国と五平の罪の発端は友之丞の殺人なわけで、
それがなければ、その罪はなかったかもしれないわけで、
そこを考えると友之丞とお国・五平は同じ側ではない気がするんですけどねぇ。
あと、もうひとつ、お国五平は合意の上でなわけですし。


というわけで、私としては、このお話の展開に
「いーじゃないか、それで。二人で幸せになれよ。なんにもうしろめたいことは
ないよ」といってあげたいんですが。
うーん、このお話の時代背景では、そうも言えないんですかねぇ。

しかし、まぁほんと、面白かったです。この話。


友之丞を演じる三津五郎さんが、うまい。
徹底的にヘタレで、みじめといえばみじめな役なんですが、
これはうまい役者さんがやらないと、面白さがでないのではないかと。
そういう意味で、ヘタレなのに三津五郎さんのうまさが際立った感じです。

あと、2部の「豊志賀の死」では、お父さんと声が瓜二つだった勘太郎さんの声が、
この演目では、そうは聞こえなかったのも、個人的にはプラス得点でした。

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他には2部が「豊志賀の死」と「船弁慶」。
豊志賀の死」は元が落語だから、怖いなかにも笑いがあっていいのかも
しれませんが、ちょっと笑わせすぎな気も。
怖いはずのところも、笑っちゃうんですよね。うーん。いいのかなぁ。

でも、今月、勘太郎さんと勘三郎さんがガチでぶつかる?のはこの1本のみ。
二人の場面はなかなか面白かったです。

船弁慶」は、福助さん、橋之助さんが義経・弁慶初役というのがちょっと意外。
四天王のフレッシュな顔ぶれも要チェックですが、やはり、個人的には
舟長・舟子が注目。
三津五郎さんの舟長に、高麗蔵さん・亀蔵さんの舟子と、ご贔屓さんがそろい踏み♪
なんか、最近この演目、この役がポイント高いこと多いなぁ(^_^;)

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3部
は上述の「お国と五平」のあとに「怪談乳房榎」
勘三郎さんの早替りの速さにおどろかされました。
最後の方は正助の足に刺青が見えたり、後ろに引っ込むところが見えちゃったりと、
ご愛嬌なところもチラチラと。

この演目、勘太郎さん、でてもいいのにな~と思ってたんですが、どっかで
お父さんの身代わりやってそう(^_^;)

締めは、勘三郎さんのチラシに書いてない4役目で、うまい展開。
勘三郎さん、フルマラソンを全力疾走しきった って感じがしました。
しかし、千秋楽まで、毎日、あれで、身体がもつか心配です(^_^;)

そういや、この場面の幕、ご贔屓からの贈り物っぽいですが、左下に書いてあるあれは
「大根がし(河岸?)より」??

あ、そうそう、この幕、定式幕ではなく、緞帳で幕でした。
いつも、席を立つ頃には定式幕がひかれますが、今日は、緞帳のままでした。

終演は21:15でした。

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4 コメント

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三周 (淳之)
2009-08-21 00:06:14
 贔屓幕の左下に書いてあるのは、確かに「大根がし より」です。ナゼなのかというと、円朝の口演を基にした演し物だからです。八百屋から財を成した明治の富裕家、三遊亭宗家である藤浦家からの贈り幕なので、「大根河岸」と書いてある訳でして、そう書いてあれば当時の観客はみな理解できたということです。今でも宗家が円朝の名跡を預かっている筈です。ついでに言うと、幕の右上に「連続」と書いてあったり勘三郎が「毎日大入りで」云々と喋ってますが、あれも当時の落語が読み継ぎで少しずつ口演されていたことを踏まえてのものです。
 ちなみに、藤浦敦は先代勘三郎が大の贔屓で、当代についても勘九郎時代から高く買ってました。落語関連でこれらに触れている本も出ていますので、参考までにお読みになってはいかがでしょうか。牡丹燈籠にしても、真景累ヶ淵にしても、乳房榎にしても、いろいろと分かって面白いですよ。
返信する
おいでませ♪淳之さん (HineMosNotari)
2009-08-21 10:21:16
なるほど~、そういうつながりがあるんですね~。
情報、ありがとうございます!おかげですっきりしました♪
藤浦家というのは初めて知りました。個人的にそういう関係はなかなか興味深いところです。普段、落語は聞くばかりであまりその方面の本には手がでないのですが、今月の舞台をみた後だと確かに面白いかも。探してみます!
返信する
夕顔 (淳之)
2009-09-01 22:31:12
 スッキリするお手伝いが出来て良かったです。ベースがあるものは、ちょっと広げて見ると世界がグッと広がります。レッツトライ!
 今年の納涼歌舞伎で『豊志賀の死』を掛けるなら、録音ででもいいから馬生の口演を参考にして、福助なりの豊志賀を工夫して欲しかったですね。そうすれば、笑いもなく怖いけれど、“美しい怪談”という新趣向が出来たかもしれないのに。
返信する
おいでませ♪淳之さん (HinemosNotari)
2009-09-03 08:30:52
私も福助さんには笑いがおきるのがちょっときになりました。恐がりなんで、恐いばかりなのも困りますが、恐いはずの場面が、笑えちゃうのもちょっと残念ですね。
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