のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2006年6月:三越歌舞伎

2006-06-04 23:20:13 | 書いたぞ: 感想書きました~
三越劇場は 多分 初出陣かと。
とりあえず 劇場についてと「車引」の感想を先行アップします。
2006/6/4:「女殺油地獄」もアップしました。
2006/6/20:「車引」の配役誤りを訂正しました。

■観劇位置
1階3列上手より


■舞台機構について
感想に入る前に、三越劇場の舞台について、あれこれ。

舞台は奥行きがあんまり ないようです。
そのためか、役者さんが大分舞台の前の方で演技されてるような
感じがします。
おまけに客席と舞台もかなり近い。
というわけで、3列目でしたがかなり役者さんを近くに感じました。

上手には 客席に張り出して義太夫さんの場所を確保。
これが位置的には私の真横に当たるんで、今回は義太夫さんは
ほとんど視界に入らず BGM状態でした。

下手に袖状に伸びる花道。短いです。
七三にあたるところに黒御簾があります。
照明が当たると中の様子がわりとよく見えます(^_^;)

揚幕は客席に向かってついてます。なんで役者さんは
ここで90度向きを変えて揚幕にひっこみます。
その先の通路は、舞台に戻るような方向についているようです。

その他、劇場内の様子や筋書きについては、↓こちら
三越劇場について(2006年6月)
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/ae43bea8abceacec3c704b2fa57c0600


■感想&構成
※演目をクリックすると、別ウィンドウで開きます。
※ネタバレしてますので、まだ見てない方は、そのへんご了承の上ご覧くださいませ。
※コメントは まとめてこちらの記事にお願いします。

車引  30分 
※2006/6/20:感想の配役誤りを訂正しました
  休憩 30分

女殺油地獄 105分 
 序幕
  休憩 10分
 二幕目
  休憩 15分
 三幕目 

※終演時間
 昼の部  14:10
 夜の部  18:40
コメント (12)
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2006年6月:三越歌舞伎_2女殺油地獄

2006-06-04 23:19:00 | 観たぞ: 観てきて一言
■演目について
近松門左衛門原作の上方の世話物です。
というわけで、今回 監修は仁左衛門さん。
ご自身は歌舞伎座出演中だから、観には来れないんだろうな~。

原作は上・中・下巻の3場面からなります。
今回の舞台もそれにあわせて序幕・二幕目・三幕目
となっております。

■人物関係:
油問屋河内屋の次男坊:与兵衛(獅童さん)
そのママ母ならぬママ父:徳兵衛(寿猿さん)
こちらは与兵衛の実の母:おさわ(竹三郎さん)
与兵衛のなじみの芸者:小菊(春猿さん)
小菊ちゃんをさそった会津の客:郎九(欣弥さん)
すでに独立してる与兵衛の兄ちゃん:太兵衛(猿弥さん)
病みついてる与兵衛の腹違いの妹:おかち(鴈成さん)
武士である与兵衛の母方のおじさん:山本森右衛門(寿治郎さん)
おじさんの主君:小栗八弥(薪車さん)
同じく油問屋豊嶋屋主人:七左衛門(段治郎さん)
その女房で二児の母:お吉(笑三郎さん)

■あらすじもどき+のたりの目:
序幕
獅童さんの与兵衛は、なじみの芸者:小菊を野崎詣にさそったのに
「方角が悪い」と振られ、でも、その小菊が会津の客と野崎詣に行ったと
知り、悪友二人とこの堤に小菊を取り返しにやってきます。

与兵衛の口調は、こないだ見た平成若衆歌舞伎で耳にした口調の
もちょっとぎこちない感じに聞こえます。
てことは、上方の感じが出せてるってことなのかな。

NHK大河ドラマで 獅童さんが愛嬌ある役も結構いけるのは知っていましたが
歌舞伎では あんまり愛嬌ある役をやったところを見てなかったので、
今回の愛嬌がある姿がちょっと新鮮でした。

このある意味元凶の小菊ちゃんは登場はここだけ?? 春猿さんの芸者姿、
とってもきれいなのにな~もったいない~
というか、これだけだとほんとに与兵衛が好きだったのかどうかも
わかんないなぁ。<(ーー;)

この場で大活躍は会津の客の欣弥さん。
足はかけるわ 河に落ちるわ、若者には負けんぞの暴れまくりです。

たまたま居合わせ、泥まみれになった与兵衛におせっかいをやいた
お吉の笑三郎さんは、二人の子持ちの27・8歳という女房の艶気が匂いたつようです。
なんていうか、身のこなしがすごくきれいなんです。
間近でみると特に感じますね~。

で、その旦那が段治郎さん。
うーん、マイホームパパな段治郎さんは なんか新鮮♪
おっかさんは 与兵衛と二人茶屋に入っているという娘に
「帯といて~ ベベ脱いで~」
と言われ、
「帯といて?・・・べべ脱いでぇ!」
とうろたえるところが、とてもナイス。

いや~ めずらしいですけど、いいですね、こういう役も。
そうやって改めて考えてみると、
段治郎さんって、どっちかっていうと、恋人や妻子を捨てて
忠義に突っ走って 最後は壮絶に討ち死に
というパターンが多いですね(^_^;)

与兵衛の叔父さんで 与兵衛のとばっちり第一号の山本森右衛門
の寿治郎さんは、初めて認識した役者さんですが、
声がわりといいかなと。今度チェックしてみよう♪

与兵衛の投げた泥があたったお武家さん小栗八弥は薪車さん。
ポスターの姿、そのままです。
こちらも出番が短い。うーん、ちょっともったいないか。
ところで、叔父さん、帰り道には与兵衛を手討ちにする!と
息巻いてたんですが、やっぱり、与兵衛が逃げたのかな?

他に茶店の女中さんに笑子さんが。

あと、演出で面白いな~と思ったのが、通りすがりの三人連れ(女1人 男2人)
の野崎詣での客が、姿はみえなくて声だけ聞こえる 堤の向こうの河を船で渡ってる
らしい知り合いと 話ながら行くところ。
ちゃんと堤の向こうの声も下手から上手に移動していくんです。

しかし、この話、どこをどうとっても、与兵衛が全元凶。
最初のこの徳庵堤のとこで、おとなしく叔父に討たれてれば、
その後の悲劇はひとつも起きずにすんだのにな~ とつくづく思います。

2幕目
舞台は与兵衛のうち:河内屋。

猿弥さん登場!
与兵衛の血のつながった兄ちゃんで、叔父さんがこないだの与兵衛の
泥かけ騒ぎを受けて、浪人した と徳兵衛に伝えにくる役です。

だけど・・・出番、これだけですか~(^_^;)
いい役ではあると思いますが・・・それにしてもあまりにも短い・・・

この兄ちゃんが もっと与兵衛に説教すればよかったのに。
と思うんですが、仲悪かったのかなぁ。
それにね、河内屋もこの兄ちゃんに継がせればよかったんですよね。
なんで、あんなどーしょもない与兵衛に譲りたがったんだろう 徳兵衛さんは。


与兵衛の継父役:徳兵衛は、元は手代?だったのが、先代の徳兵衛の死後、
主人の奥さんに入り婿し、以前の坊ちゃんたちが 息子になった
という 微妙な立場の継父です。

与兵衛のことを「うちのドラ(息子 ってことですよね、多分)」というんですが
なんか そのうち「うちのミケ」とか「うちのドラえもん」とか言ったり
しないんだろうか、と一人でバカなことを想像してました。(^_^;)

演じる寿猿さんは台詞が一部危なかったですが、まだ2日目なんで
これは仕方ないのかも。
ちなみにプロンプがばっちり聞こえちゃったのは、
娘:おかちの病の加持祈祷に来た白稲荷法印役の延郎さん。(^_^;)

与兵衛の腹違いの妹になるおかちちゃんは、
与兵衛の「これからは親孝行になると誓う」という態度にだまされて
病の身を押して、与兵衛から言われたとおり、先代の徳兵衛が
乗り移ったふりをしてあげちゃう けなげな子。
これは鴈成さんが演じてます。

延郎さん、寿治郎さん、鴈成さん と、なんか今回って、いろんな所から
人が来てる印象ですね。

さて、この幕の白眉はやはり与兵衛の産みの親であるおさわさんかと。
演じる竹三郎さんは、出てきた瞬間、なんか芝居へのなじみ具合の深さが
他の役者さんと圧倒的に違う感じがします。さすがベテラン。
おまけに上方モノですから、竹三郎さんにとってはお手の物の分野なんですね、
きっと。

そして、この幕に来て、さらにバカモノぶりに拍車がかかる与兵衛。
病身の妹をだまし、親を足蹴にする。ほんとにバカモノです。

でも、今回の獅童さん演じる与兵衛に対してストレートにこう感じてしまうのは
どうなんでしょう?
上方のこういうお芝居のドラ息子って、ダメダメでも どこか憎めないところが
あることが多いんですが、今回の与兵衛の、この親の気持ちの伝わらなさぶりは、
なんか現代の若者に通じるところがあって、なんとなく現代人っぽく
感じてしまう気がします。

ある意味、ちょっと違和感かもしれません。

ちなみに獅童さん、この幕で形のいい脚を着物の裾から結構のぞかせてくれるんですが
なぜか 段治郎さんや仁左さんの時のように、わくわく(?^_^;)しません。
うーん、長いし、形もいいんだけどな~。艶気が足りないのかなぁ。

それから、冒頭に喜之助さんが与兵衛のいい友達役で出てきました。

3幕目
舞台はお吉さんち:豊嶋屋です。
笑三郎さんが、また艶っぽいお内儀ぶり。

節季の掛取りから一時帰宅した旦那役の段治郎さん。
段治郎さん、かなり身体を縮めて店の入り口を入ってきます。
・・・店の入り口、防犯上の理由かなんかで、わざと小さめに
作ってあるんですよね、きっと(^_^;)

ここでも段治郎さん、マイホームパパぶりを発揮。あーいいなぁ、この家族。
これからこの家族がどっかのドラ息子のせいで崩壊すると思うと
どうにもやるせません。
随所にちらばる 不吉な兆しが またその悲劇を予感させます。

「あぁ、行かないでくれ七右衛門さん~」 というワタシの心の叫びも
むなしく、段治郎さんは 出番終了。
でも、これで旦那がいたら、与兵衛は凶行をやめたか、というと
微妙かな~。

与兵衛が入り口までやってきますが、そこですれ違った綿屋小兵衛に
借金の返済催促をされます。
この小兵衛は延夫さん♪

で、ここで、このドラ息子が 親父さんの判を使って多額の借金をこしらえ、
さらにそれが夜明けまでに返せないと 金額が跳ね上がり、町役人にも
報せるところとなる という状況にあることが判明。

与兵衛、あんたって人は・・・<(ーー;)

「俺も男だ。返済のあてはある。」 とか言っときながら 
本当はあてなんかない与兵衛。

・・・嘘つくのは男らしくないんじゃないのか、おい。<(ーー;)
あー、もうなんか与兵衛の思考回路がわからなくなってきました。

と、そこに やってきたのは親父さんを見つけて隠れる与兵衛。
豊嶋屋を訪ねた徳兵衛さんが、「うちのドラが来たら」 と
お吉さんに預けた金は銭300。

そこに追いかけるように豊嶋屋を訪れたのは おさわさん。
あわてて隠れようとしたけど、みつかっちゃった徳兵衛さんを
「いくら元は主筋の継子とはいえ、甘やかしすぎだ、
実の母の自分が勘当した息子だ、ほっておいてくれ」といいつつ、
実は自分も豊嶋屋を訪ねたのは徳兵衛さんと同じ理由。

それも持ってきた金は銭500 + なぜか粽。
粽ってことは、これ、時期は5月なんですね。

それを徳兵衛さんに見つかり、「店の売り上げから盗みました!」
と激白のおさわさん。
・・・いや、たしかに盗んだことになるんでしょうが、でもこんなはっきり
きっぱり言わなくてもいいのではないでしょうか?(^_^;)
「都合した」とかなんとか、もう少し言い方があるのでは。
という気もしますが、このきっぱりぶりがこのおっかさんの心意気なのかも
しれません。

で、要は「馬鹿な子ほどかわいい」というわけで、この二親の子を想う深さを
観客とお吉さんは目の当たりにするわけです。

また、この二人の子を想うくどきを見つめる笑三郎さんが、
いい表情をしてるんです!

で、このくどきの場面を影からもう一人見ています。話題のドラ息子です。

二人が去ったあと、豊嶋屋を訪れたドラ与兵衛は お吉に、「今の親を見ていた。
自分はなんて親不孝だったんだ」 というような殊勝な言葉を口にしますが、
でも、親が持ってきてくれたお金じゃ足りないんですね、明け方までに
返さなきゃならないお金に。

親が持ってきてくれた金額は800。借金は200。
親の持ってきてくれた金で足りないの?とちょっと混乱しましたが、
与兵衛が借りたのは「銀」200匁。
親が持ってきてくれたのは「銭」800なんです。

金1両=銀50匁=銭4貫文(4千文)というので計算すると
与兵衛の借金:銀200匁=銭16貫文(1万6千文!) ということになり
とうてい800じゃ足りないわけです。

で、与兵衛は自分は借金が返済できなかったら自殺してしまおうと 
勘当されたときに刀も持って家を出たが、今の親の心を聞いたら
このまま自分が死んでも親に迷惑をかけるだけ。
だから、どうしても借金を返さなきゃならない
と お吉さんに語ります。

で、お吉さんに足りない分を貸してくれ といいますが、お吉さんとしては、
旦那がいない時、おまけに節季のこの時期に、いくら知り合いでも
勝手に大金を貸すわけにはいきません。

与兵衛は色仕掛けも狙ってみますが、上手くいくわけもない。
でも、気持ちはわかります。笑三郎さん、奥さんの魅力全開状態ですから(^_^;)
襟元を直す仕草とか、艶っぽいですよ~。

で、「七右衛門さんが帰ってきたら相談してみろ」というお吉の意見を
どうして聞けなかったのか 与兵衛はお吉を殺して店の売り上げを強奪する
という強盗殺人をとっさに計画。

手にしてきた空桶に油を都合してくれ といい、お吉が そのくらいお安い御用 
と油を桶に注してるところを刀で襲いかかり、ついでに油壷を倒し、
タイトルどおり「女殺油地獄」の開幕となるわけです。

この油を注す時も、笑三郎さんの袂を帯に挟み込むしぐさとか、艶っぽいです。
やっぱり笑三郎さん、仕草から艶気がにじみでてるんですよねぇ。

さて、ここで与兵衛が第一撃に失敗して壁にぶつかり、棚の上の小さめの油壷が
倒れて、油が床に流れ落ちます。
これが、いつまでたっても 流れ出す量が減らない(^_^;)

実は異次元油壷だった?? わけはないでしょうが、
せめて 床においてある大甕を倒すとかなんとかするのはだめでしょうか・・・(^_^;)

ここで流れてくる油は、もちろん本物の油ではなく、ふのりと寒天を混ぜたものとか。
ちなみに、三幕目の前の休憩時間の最後に、劇場のお姉さんから、前から2列目までの
中央から下手のお客さんにビニールシートが配られています。

そう、飛んでくるんです。この床に撒かれた油が。
でも、最初は 「ほんとにいるのかな~ビニールシートなんか」
と思ってましたが、やっぱりいりました(^_^;)

床にある油は獅童さんが豪快に下手に向かってスライディングした時、
ビチャァッ!と 主に下手ブロックを花道方向を中心に飛んで来るんです。
このあたりのお座席の方、油断は禁物です。

ちなみに私は3列目だったので、ビニールシート対象外でした。残念。
ついでにこのビニールシート、配ったり、説明するのに、コクーンみたいに
役者さんを使ってくれるといいのにな~ 
ほら、猿弥さんとか、笑三郎さんとか、手の空いてる人材は豊富なわけだし♪

で、元に戻って、与兵衛に奇襲されたお吉さんは
「自分には乳飲み子に幼い子がいる 死ぬわけにはいかない。許して与兵衛さん」
といいますが、
与兵衛は
「お前さんが子供を可愛がるように おれは親父が愛しい。
金を払って男を立てねばならぬ」
と無茶苦茶な理屈で応じます。

人殺しまでして 男が立つか! 親が喜ぶか! という突っ込みも
もはやむなしい感じです。<(ーー;)

この殺し場、獅童さん、着物がはだけて脚が ももまで全開です。
油がついて、てかってるせいか、二幕目よりは艶気があるものの、
やはり、なんかこうそっけないというか、艶っぽくないんですよね~。
狂気に近い迫力は すごくあるし、笑三郎さんと二人で決まるところは 
すごくいい形だったんですけど。

一方、圧倒的に艶っぽいのは、笑三郎さん。
髪はざんばら、帯もとけての断末魔なところも動きも仕草も
艶っぽさ全開ですし、舞台が近いせいでよく聞こえる
あえぎやうめき声も 「男の人が出してる」と考えると
不思議なくらい艶っぽいんですよね~、これが。(^_^;)

というわけで、もう、この笑三郎さん見れただけでも、個人的には大満足。
という感じでした。

幕切れは 事切れたお吉さんから鍵を奪って 金を取り出し、
それを抱えて逃げる与兵衛が、野良犬の鳴き声にあわてながらの引っ込みです。
この惨劇のさなかに子供が起きてこなかったのは、せめてもの救いだったのでしょうか。

ちなみに 盗んだ金は銀580匁。借金よりはるかに多い額を盗んで行きやがったわけです、こいつは!
せめて、借金の金額だけにしなさい~っ!!

そーいや、この犬の鳴き声、誰が出してるのかな~(^_^) 
上手や下手、計3箇所くらいでそれぞれ違う鳴き声が聞こえました。

しかし、このお話、人形浄瑠璃でもここでおしまいのようですが、
やっぱり、後味が悪いです。
この先、奥さんに死なれ、店の金を盗まれ、乳飲み子と幼い子を抱える
七右衛門さんが、どうするのか。
人殺しの親になった あの両親はどうするのか。
なにより、このドラ息子に完全懲悪のバチは当たるのか。

この先の展開、あっても決して救いがないような気がしますが、
ここで終わられるのもどうかと思います。

しかし、ほんとにこの与兵衛って人は、自分を心配してくれる人を
ことごとく地獄に突き落としておきながら、本人には その自覚が
どうもないようで ちっとも悪びれない。
なんとも恐ろしいようにも思えます。

あーでも、この芝居、もう一度2階からみたいな~。
床面が全然見えないので、油が床にどんなふうに撒かれてるのか、
ぜひ、上から見てみたい~っ!!

でも、この三越歌舞伎、夜の部が15:30からで終演は18:40。
会社終わって直行しても、最後の幕が見れるか見れないか、ってとこです。
うーん、あと1時間、開演時間遅らせてくれたらな~。<(ーー;)
そうしたら、この「油地獄」のために もう一回チケット買ってもいいかな
と個人的には思うんですが。

◆おまけ
↓こちらに湯浅 雅子さんという元リーズ大学英文学部ワークショップ・シアター
客員演出の方が、このお話について書いた文章を見つけました。

近松門左衛門『女殺油地獄』で河内屋与平衛がみた夢
http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/UCRC/data/pdf_0503fiction/07_yuasa.pdf

これを読んでわかったんですが、原作では この場の続きがあるそうです。
叔父さんが行方をくらました与兵衛を探す場面と、最後はお吉の四十九日の一歩手前、
三十五日の法要の日が舞台。
お吉殺しの犯人のうわさを打ち消そうと平然と法要の場に顔をだした与兵衛が
かえって逃れぬ証拠の品を突きつけられて逮捕される。
という展開になるそうです。

結局のところ、男を立てるの 親の想いをわかったのと言っても、殺人の後も
与兵衛の根性はかわらなかったようですねぇ。

あ、前進座では、この部分も上演したことがあるようです。

くしろ演劇みたい会 第30回例会 前進座「女殺油地獄」 平成17年6月10日(金)11日(土) 午後6時半~9時
http://homepage3.nifty.com/mitaikai/onnakoroshiaburanojigoku.html
見てみたかったですね、これ。

うーん、原作読んでみようかな~。

◆車引き へ戻る
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/49c415aedcc4b71a424cde4e3c9c7c76・


※コメントは親記事にお願いします。
◆親記事:2006年6月:三越歌舞伎
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/9edf1dbdb2f6b079efc6d14f4277000a

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三越劇場について(2006年6月)

2006-06-04 02:59:39 | 書いたぞ: 感想書きました~
・劇場まで
銀座線で行きました。「三越前」です。
が、ただいま地下が改装中だそうで、一番、地下鉄に近い入り口は閉鎖中です。
ちゃんとお姉さんが立ってて 「入り口はもう少し先です~」と
アナウンスしてました。

入り口からわりとすぐのとこにあるエレベーターで6階へ。
エレベーターは数がたくさんありますから そんなには混雑しないかな
と思います。
エスカレーターだと 劇場真正面にくるのかな。

・ロビー
ロビーには 役者さんに送られたお花がたくさん。
今回、ちょっと体調不良だったため、休憩時間とかも
席でおとなしくしてたので、このへんよくみなかったんですが、
じっくりみたら、役者さんの交友関係とかわかって面白かったかも(^_^;)

歌舞伎グッズ売り場もあります。
お弁当も売ってますが、種類は1種類くらい?
ちなみに場内飲食はOKです。

筋書きもロビーで売ってます。トレーシングペーパーのカバーがついて1500円
出演者のページの写真は丸々1ページと中くらいのが2枚。
文章の原稿も役者さんが自分で書いたものです。
ちなみに澤瀉屋のみなさんは 3月の「小栗判官」の写真も使用されてまーす♪
出演者の座談会も収録されています。

トイレはロビーの奥にあったようですが、今回は休憩時間も座席に座りっぱなし
だったので、トイレ偵察には行かずに終わってしまいました。

・場内
入り口は下手にもあるようですが、今回は客席後方しか開けてません。

・・・なんつーか、こう、デコラティブな劇場ですねぇ(^_^;)
扉から天井から、日本橋の欄干の意匠とあい通じるというか、なんというか
ゴシック調な感じというか、うーん、すみません、ボキャブラリーが
守備範囲外です(^_^;)

ちなみに舞台の上辺中央には丸に「越」の字。
その両脇にはちゃんとライオンの顔。まさに三越。

1階は傾斜は、ほぼないように感じました。
座席の並びも別に互い違いになってるようなことはありません。

11列目からは天井に2階が覆いかぶさって
ちょっと天井低めで圧迫感がありそうな感じです。

1階からみた2階席は なんとなくバルコニー風。
1階からロミオがジュリエットに告白しそうな感じです。

よく、両脇の壁に照明装置がついてる劇場が多いですが、
ここは天井に一列ならんだ照明があるだけです。

それから、入り口の非常灯が緑ではなくて青なんで
「めずらしいな~」と思ってよく見たら、通常の非常灯に
わざわざ青いセロハンをかぶせてあったみたいです。
なんでこんなことを??

緞帳はもちろん三越製。金糸で「三越百周年」の文字が
見えました。

定式幕には、カーテンのようにつってある部分が丸見えでした。
それで気がつきましたが、どこの劇場もこの部分は、
普通は黒い幕とかで 覆われてて見えないようになってますね。
今回みたいのは 珍しいかも。

幕の上手の部分には「あられおかきの王様堂」
下手の部分には「栄太楼」の染め抜きが。
定式幕にも企業名(店名だけど)が入ってるも初めて見ました。

あと、この三越劇場の定式幕の気になるところなんですが
・・・う、薄い。(ーー;)

舞台に照明が入ってると微妙に内側が透けて見える~(^_^;)
「油地獄」の開幕時は、定式幕を内側から抑えている人のシルエットが
クッキリと(^_^;)

あと、柿色の部分の上から半分くらいのところに、結構たくさん、
染みがありました。
何であんなところに染みが??

普通は舞台脇にある休憩時間を知らせる時計がありません。
これはちょっと不便かな~。
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2006年6月:三越歌舞伎_1車引

2006-06-04 02:57:19 | 観たぞ: 観てきて一言
■演目について
菅原伝授手習鑑の一幕。とても歌舞伎的な一幕として有名。
 去年、勘三郎さんの襲名のときに 勘太郎さんの梅王、七之助さんの桜丸
海老蔵さんの松王、左團次さんの時平公 という配役でみてます。
その時の感想は↓こちら
2005年5月歌舞伎座昼の部「菅原伝授手習鑑 車引」
http://plaza.rakuten.co.jp/notari/3007#kurumahiki
※別ウィンドウで開きます。


■配役
桜丸:立ち役なんてめずらしい!春猿さん
梅王丸:適材適所? 猿弥さん
松王丸:背もでっかいぞ(衣装込で2m超とか(^_^;) 段治郎さん
杉王丸:口跡のよさに延夫さんかとすっかり勘違いしましたが喜猿さんでした!
↑2006/6/20修正:ご指摘ありがとうございました! そして、ほんとごめんなさいm(__)m喜猿さん。
金棒引き:声がいいぞ 欣弥さん
時平公:原形皆無(^_^;)だ 薪車さん


■のたりの目
春猿さんの桜丸。真女形の春猿さんの(多分)珍しい立ち役です。。
ただ、最初聞こえる第一声を含め、時々 女形の声に聞こえてしまうのと
口調が単調に聞こえてしまうところがあったのが惜しかったです。
でも桜丸って役としては、これ↑でいいのかな?

養成所の卒業公演で、桜丸をされたことがあるそうです。
じつはこの時の松王が、奇しくも今回と同じ段治郎さん。
面白いもんですね~(^_^;)

・梅王丸は猿弥さん
 お~ さすが上手いですね~ この手のお役。
力強さがありますね~、うん。姿もいいし。
ただ 首が衣装に埋もれて「首なし状態」に見えちゃいます(^_^;)

途中のひっこみは(多分)六法。
揚幕に入るのに六法踏みながら曲がります。これ、大変そう。(^_^;)

去年の勘太郎さんと比べるとちょっと大人っぽい感じもします。
怒りが 曾我五郎のようなやんちゃ坊主の闇雲なそれではなく、
お兄ちゃんとして一応抑えてはみたけどそれでも収まらない怒り
という風に感じました。これはこれで いい梅王だと思います。

ただ、2日目にしてすでに声がちょっとヤバめ。
これで1ヶ月持つかな~。と ちょっと心配になりました。<(ーー;)

それから手や顔の赤い隈がくっきり きれいに入っていました。
すごくにじんだような隈になってる役者さんもよくいますが、
私は手とかは特にくっきりはっきりすっきり入ってる方がきれいだな~と
思います。

欣弥さんは「ドン!」「シャラン」と私の好きな金棒の音と、
いい声を響かせて登場するど派手な衣装の金棒引き。

上手から出てきて、言うだけ言って花道引っ込むだけですが、
上手奥から聞こえる第一声で、「あぁ、いい声だ~」と耳福♪
間近にいい声が聞こえるのは幸せです♪

ただ、こちらも結構かすれてる感じがします。
猿弥さんと同じく1ヶ月持つかちょっと心配~。

・杉王丸は喜猿さんです。
これ、去年見たときは 鶴松君がやってましたね。
稚児姿で目が大きく見えるのが印象的。

今回の杉王丸は口跡すっきり、くっきり気持ちよし!
で、私、てっきり延夫さんだと勘違いして最初のレポを書いてしまっていました。(^_^;)
ごめんなさい~っ 喜猿さん!m(__)m

段治郎さんは松王丸。
上手から 「まぁ~てぇ~」と松王の声だけが聞こえてきた時、
同じ口調で「でぇ~たぁ~」と内心でつぶやいちゃいました(^_^;)。
そんな感じで、登場前から声で存在感がどーんと。
いい声ですねぇ、やっぱり。

でも舞台出てきてから、最初ちょっとかすれ気味の声だったんで
ちょっと心配な気も。

あご下で結んでた帽子の紐を解いて一本づつ ピッ ピッと肩越しに
後ろに飛ばす手つきと姿、なんかこれが とてもかっこよかったです。

ちなみに筋書きにも書いてありましたが、帽子かぶったお姿は2m超になるとか。
見た感じそんなにものすごく大きくは感じませんでしたが、
まさに「でっけぇ」だったんですね~。(^_^;)

足をガッと開いての立ち姿も絵になります。
悔しかったのは、舞台近くの席なんで、足元の方があまりよく見えなかったこと。
段治郎さん、足がきれいだからな~ ちょっとこれは見たかった。

ちなみに今回のハタは、ハタというより、お相撲さんの化粧回しに近く
色は衣装と同じ白。下辺には白と緑の房付です。
ちなみに梅王のハタも同様で、色は衣装と同じ赤、下辺の房は同じ白と緑でした。

松王は 長男ではなくて次男という話がありますが、今回の車引きをみてると
なんか、それが納得いく感じがしました。

・最後に登場の時平公は薪車さん。バリバリの青隈。
うーん、見ただけじゃ言われないと薪車さんってわからないな~(^_^;)
しかし、声を聞くと、なんとなく納得。
でも、このお役の声としては、ちょっと弱いかも。
まぁ、去年みたのが左團次さんの時平公で、そのイメージが強いせいもありますが。

口跡はすっきりなんで、イヤホンのない今回、何言ってるのか
はっきりわかるのはありがたいところです。

・他には 牛車のおつきの従者の一人に喜之助さん発見。
というか、私の席のほぼまん前にいらしたんで、なんか目が行きました。(^_^;)

そうそう、梅王・桜丸に襲われて逃げ出す牛が なんかかわいかったです。


◆女殺油地獄 へ
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/4222c5134374872b18bfeb6c3965e36c

※コメントは親記事にお願いします。
◆親記事:2006年6月:三越歌舞伎
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/9edf1dbdb2f6b079efc6d14f4277000a
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