のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2006年1月歌舞伎座:夜の部

2006-01-26 01:31:20 | 書いたぞ: 感想書きました~
千秋楽を目前に控えた歌舞伎座夜の部に出陣してまいりました♪

まだ 松竹座のレポも残っていることですし、サクっといきます。サクっと。

◆座席:3階B席



◆藤十郎の恋


【登場人物】
坂田藤十郎には 現藤十郎の息子さんの扇雀さん
藤十郎にかりそめの不義をしかけられる人妻:お梶に時蔵さん
藤十郎の一座の座元の若太夫に歌六さん

【あらすじもどき】
近松の「おさん茂兵衛」をやることになり 人妻と姦通してしまう密夫の役造りに悩んだ坂田藤十郎。
あげく、幼馴染で今は人妻のお梶に、役作りのために言い寄り、
その藤十郎の言い寄りに身持ちの固いお梶が 自分からすすんで
行動に出たところで逃げ出し、その経験をもって役づくりした「おさん茂兵衛」は
大当たり。
一方、藤十郎の真意を知ったお梶は 楽屋で自害。
藤十郎の心境やいかに というところで幕となります。

菊池寛の原作です。
私は、この本を¥100ショップで買いました(^_^;)
読んでみて・・・・
はっきり きっぱり、
「藤十郎って サイテー」
という一言に尽きてしまうお話しでした。(^_^;)

これを歌舞伎にした今回の舞台。
観てみて・・・
やっぱり はっきり きっぱり、
「藤十郎って サイテー」
という一言に尽きてしまいました・・・<(ーー;)

時間にして、1時間弱のお話しです。

去年、歌舞伎座でかかった「おさん茂兵衛」の舞台を観ているので、
今回の話もわりとわかりやすくなった気がします。

【役者さん】
・時蔵さん
藤十郎に言い寄られて、最後は自分から前掛けをはずし、行灯の明かりを吹き消します。
(藤十郎はこの時点で 逃げ出すわけです。なんてヤツ(-_-;)
この 前掛けをはずした瞬間、決意した女の姿で とても素敵でした。
それに、行灯を吹き消しに行く時に後ろを向いた時のお尻のラインが
やっぱり、とても艶っぽいんですよ~。
ほんとに、どうしたらそんなに艶気がだせるのか、聞いてみたくなってしまいます(^_^;)

・歌六さん
この若太夫、あまり見せ場がないお役のような・・・

【衣装】
藤十郎に言い寄られる時のお梶が、赤紫の色で梅が散らしてある着物に、
前掛けが、とても鮮やかなオレンジ色(といっていいのかな)で素敵でした。

座元の若太夫も黒で統一されて しまっている感じでかっこよかったです。
あと、藤十郎演じる茂兵衛の舞台衣装が 茶と黒の渋いお着物で素敵でした。

【花道度】そういえば、全然使ってないかも



◆口上


舞台上手にならんだ萬屋のお三方(歌六さん 歌昇さん 時蔵さん)のところ、
切り取って持ち帰りたくなりました(^_^;)
あ、どうせなら そのとなりの東蔵さんもいっしょに!

居並ぶ列の両端が、上手が幸四郎さん、下手が吉右衛門さんのご兄弟。
そのひとつ内側は、上手が我當さん、下手が秀太郎さんのやはりご兄弟。

成駒屋さんは 緑の裃。
下手から翫雀さんのご長男:壱太郎さん、扇雀さん 翫雀さん 扇雀さんご長男で初舞台の虎之介君。
と並んでおります。
親子で並べばいいのにな~ と思いましたが、最後に藤十郎さんが虎之介君を紹介するから
やっぱり、虎之介君は藤十郎さんのお隣がいいだろうし、かといって、
弟の扇雀さんを お兄さんの翫雀さんよりお父さんの近くに座らせるのも ってことなのかも。
難しいですねぇ。
虎之介君は7歳。きれいな声です。

幸四郎さんが 藤十郎さんに4代目がつかない理由に、
段四郎さんが 歌舞伎が世界無形文化遺産になったことに 触れてました。



◆伽羅先代萩


御殿・床下
【登場人物】
政岡はもちろん藤十郎さん
政岡の実子:千松は今、口上でご挨拶した虎之介君。
若君:鶴千代君は 鶴松君。
にっくき八汐は梅玉さん
政岡の味方:沖の井には魁春さん
同じく味方の松島には扇雀さん
ぬけてるのか、お茶目なのかよくわからない悪人サイドの人:栄御前に 芝翫さん代役で秀太郎さん

荒獅子男之助には 初役とは驚きの吉右衛門さん
一言も台詞のない仁木弾正には お兄さんの幸四郎さん
弾正が化けたネズミには 翫雀さん門下の翫祐さん

【見所】
御殿は、飯炊の場面からです。

鶴千代君が鶴松君と最初 気がつかなかったので、最初、「中村屋!」と声がかかって
びっくりしました(^_^;)
虎之介君が大健闘。かわいいです♪
この千松の雀の歌の振りについては、てぬぐいさんとこのブログ:てぬぐいぶろ(http://tenu.at.webry.info/)
に 楽しい図解がでております♪(2006/01/10 1月歌舞伎座 : ままじゃ。 )


注目の梅玉さんの八汐は・・・
飯炊の前の場面があったら、もう少し、印象違うのかもしれませんが、
憎々しさがちょっと物足りない?
それと、やはり、裾さばきとかが イマイチすっきりしないところが。
普段 立役やってる人には、難しいんだろうなぁ、女モノの衣装の裾さばきって。

藤十郎さんの政岡。玉さんとか、菊五郎さんとかの政岡を見てきましたが、
今回の「飯炊」は、珍しく爆睡度が低かったです(^_^;) なんでだろ?

あと、勘違い大王の栄御前が去ったあと、政岡がほっとしたのと、目の前でなぶりごろしにされた
自分の息子を観て 涙を流すんですが、これが赤い涙(ーー;)
目尻にさした紅のせいか なんなのかわかりませんが、ちょーっと怖かったです(^_^;)。


そして、この後の「床下」!
これが、よかった~!
吉右衛門さんの荒獅子男之助は、初役とは思えないほど、適役!!
姿といい、言い回しといい、いやー ほんと よかったです♪

それから、男之助に対峙するネズミさん。
これが またよかった!
ちぢこまった形で 男之助にアタマを踏みつけられてる時は、
両足がちゃんと浮いてるんです。
トンボの切れもよく、愛嬌もある。上手いな~。
今回、このネズミを演じるのは、中村翫祐さんだそうです。
詳しくは 中村梅之さんのブログ:梅之芝居日記(http://blog.goo.ne.jp/takasagoumeyuki/)
に、紹介されています。(2006/1/21 アラ怪しやな)
ネズミのベテランさんだそうです。納得!

しかし、今回思ったんですが、このネズミ、しっぽ長いですねぇ。
トンボ切るとき、気をつけないと踏んじゃったりとか、結構 危なそうです。

そして、幸四郎さんの弾正。
これが、私の席からは ほとんど見えなかったんですが、唯一、七三から花道の口のところに来てくれた時に
少し、見えました。
ひっこみのお姿は 当然、見えませんでしたが、下座のあたりに かなりはっきりと映る
弾正のシルエットが、ひっこむにつれて どんどん大きくなって 最後、シャリンという揚幕の
音とともに 場内が一瞬、闇に包まれて 幕切れとなります。

このシルエット観てるだけでも、素敵でした。

ん?もしかして、幸四郎さんてば、今月、口上のほかは、この一言も台詞のない+出演時間も短い
このお役だけ??
うお~ もったいない!

【花道度】
やっぱり、弾正の引っ込みありますし。
ただ、「御殿」の場面では、栄御前の出入りくらいしか使いません。



◆島の千歳


福助さんの踊り。
背景は厳島神社を望む海上です。
上手には鳥羽屋里長さんらの長唄と なんと鼓は望月朴清さん ただ1人!
囃子方が1人というのは初めてです。
しかし、この組み合わせ、贅沢ですね~♪

福助さんの千歳は 紫色の長絹が素敵でした。

しかし、1人でこれだけ踊るの 大変だなぁ~
それに、この踊りの振りを覚えて、昼の袖萩の台詞も覚えて、芝翫さん代役の
昼の「万才」の振りも覚えて・・・
なんか 福助さん、今月忙しそう(^_^;)

【花道度】皆無



◆関三奴


鳥羽屋の里長さんは、こちらの踊りにも登場です。

白塗りの若衆系奴に染五郎さん
赤っ面の荒事系奴に橋之助さん

染五郎さんは 緑と白の格子
橋之助さんは 黒と白の格子 の着物。

染五郎さんが白髪の毛槍
橋之助さんが黒髪の毛槍 を操ります。

しかし、この毛槍の毛・・・なんか ヅラ を思い起こすなぁ・・・(^_^;)

足拍子を効果的につかう踊りで、始終ダン・ダンと音がしてるので
観てて なんかリズミカルで面白いです。

【花道度】
最初の出の時、二人で 暫く七三のとこで なんかやってます。
見えなかったんで、何やってたのかわかりませんが。
コメント (11)
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