のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

松緑さんおめでとー♪

2006-01-23 12:37:03 | その他
1/20に二人目のお子さんがご誕生だそうです。
今度は男の子。とりあえず未来の辰之助君ですね。
しかし、ここんとこ、おめでた続きですなー 梨園は。うれしいことです♪

尾上松緑に“世継ぎ”長男誕生(スポーツニッポン)
http://news.goo.ne.jp/topics/geino/others_geinou/kabuki/

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愛之助さんと薪車さん

2006-01-23 10:44:10 | その他
松竹座寿初春大歌舞伎にご出演のお二方に関連した記事2題みつけました♪

まずは「義賢最期」を熱演の愛之助さんのインタビュー記事。

初春に遠い夢 実現(読売新聞 )
http://osaka.yomiuri.co.jp/miseru/mi60119a.htm
子役のころの丁稚姿のお写真があります。
今月の義賢からを見ると 「可憐な女形」がいまいちピンときません(^_^;)


こちらは 昼夜3演目にご出演の薪車さんが「咲くやこの花賞」を受賞したという記事です。

「咲くやこの花賞」 、2005年度受賞5者決定 (日経ネット関西版)
http://www.nikkei.co.jp/kansai/culture/31014.html

この賞は過去に右近さん 愛之助さんも受賞しています。
個人的には、今の薪車さんに、さほど「上方」という印象はないのですが、
今後の動向に期待です♪


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2006年1月松竹座昼:義賢最期

2006-01-23 00:23:40 | 書いたぞ: 感想書きました~
◆演目について
並木千柳、三好松洛の合作「源平布引滝」というお話しの中のひとつ。
ちなみにこの二人に竹田出雲らが加わると、3大時代物(千本桜・忠臣蔵・菅原伝授)の
作者になります。

この物語は全5段からなる浄瑠璃で、今回の「義賢最期」は2段目にあたるお話しです。
このあとの3段目にあたる「実盛物語」は 最近では、海老蔵さんが
襲名公演にやってましたが、よく、かかる演目です。

この話しにでてくる人物が、今回の「義賢最期」にも出てきます。
この2つ、続けてみると、すごくわかりやすいと思うんですが、
続けて上演したのって、見たことないなぁ。


◆人物関係:
頼朝の父ちゃん:義朝の弟がタイトルロールの義賢さん(愛之助さん)
平家に従うふりして、ちゃっかり源氏の白幡を大事にしてたりする人です。
この奥さんが、のちの実盛物語で手を産んだことにされちゃう葵御前(笑三郎さん)
ちなみに、葵御前が本当に産んだのは後の木曽義仲なので、義賢さんは義仲のパパということになります。
気性が激しいとこだけ 似ちゃったねぇ。
それはさておき、
この葵御前は後妻さんでして、義賢さんと先妻さんの間に生まれてるのが待宵姫(春猿さん)
この待宵姫が惚れてるのが奴の折平実は多田蔵人(段治郎さん)

この蔵人の奥さんで、実盛物語では 白幡握った手だけ先に登場する小万(孝太郎さん)
その親父様が九郎助(橘三郎さん)

白幡詮議にやってくる平家の使者2人組(延夫さん・猿四郎さん)
義賢討伐にやってきた平家の討手その1:進野次郎(薪車さん)
同じくその2:矢走兵内(猿弥さん)


◆あらすじもどき:
義賢の館に小万が 親:九郎助と倅:太郎吉と共に訪れる。
小万はこの館の奴:折平が、7年前、自分が太郎吉を産んだあと行方不明になった夫だとわかり
たずねてきたわけだが、当の折平はなんと多田蔵人への使いをたのまれ外出中。

子どもうまれた奥さんおいて7年間も音信不通。おまけに今は奉公先のお嬢さんと
いい仲になってるって、人間としてどうなんだ折平!

ま、それはさておき。
帰ってきた折平は 言われたところに蔵人の館はなかったと義賢に告げるが、
預けた文箱の封印が切れてるもんだから、義賢は問い詰める。

で、ここで、お互いの正体・本心を明かして打ち解けあうんだけど、
今度はそこに平家の使者2人。
「白幡出せ」と詰問のあげく「兄貴のしゃれこうべを踏んでみろ」と来たもんだから、
キレたね、義賢。ついでにその様子をのぞいてた折平もキレて、平家の使者を1人は斬ったが
1人は討ちもらした。
となると、そいつが告げて この館に平家の軍勢がおしよせるのは眼に見えてる。

というわけで、義賢は自分は捕まって生き恥さらすよりここで討ち死にするといい、
娘の待宵姫を折平に託して落とす。

この時、討ち死に覚悟の父親を置いて行きたくない娘と父の 枝折戸をはさんでの
なかなかのドラマな駆け引きがあるんですが、しかし、娘を説得するのに
「今ここで腹を切るぞ」と脅す父親ってのもねぇ(^_^;)

それに、身重の奥方はどーすんだ と思ったら、こちらは白旗を託して、
と共に居合わせた小万たちに預ける。

でもね~ これ、絶対、白幡預ける相手、間違えてると思う<(ーー;)。
折平に託しなさいよ、折平に。
だって、このあと、この葵御前、いとも簡単に平家の手勢:矢走兵内に
白幡奪われちゃいますもん。
でも、まぁ、この後 生まれてくる自分の子どもに証しをもたせたかったのかなぁ。

で、このあとは タイトルの「義賢最期」の場面に向かって めくるめく立ち回りの連続。

子どもを背負って棒の先に鎌をぶら下げたのを振り回して じーさまもがんばります。
子どももじーさまの背中で棒をぶんぶんふりまわしてがんばります。
どーみても 無謀ではあるんですが。(^_^;)

でも、最終的に身重の葵御前をつれて逃げるのは、このジジと孫。
よく 逃げ切れたなぁ。(^_^;)

最初に 葵御前を任された小万はといえば、敵を蹴散らすうちに葵御前とはぐれ、
最終的には最後の最後まで館に残ってます。
で、葵御前→矢走兵内と巡って義賢の元に戻ってきちゃってた白幡を
義賢から託されるわけです。

こんな託され方したら、そりゃぁ 命がけで守らざるを得ませんわなぁ。
実際、小万はこの後、自らの命をおとしても白幡を離さない執念を見せてくれます。
あれもすごいと思ったけど、その性根の源流は この「義賢最期」にあったのか となんか納得。

そして、いよいよ義賢最期。
娘は落とした、白旗も託した。もう思い残すことはない。
が、ただひとつ。これから生まれるわが子の顔が見れないのが残念だ。
と言い、それでも、最期は堂々と仏倒しになって事切れます。

この人が 生きてたら、もう少し歴史が変わったかもなぁ と思いました。

◆みどころなど
最初から順々に行きます。

まずは、小万一家の花道の出。
うーん この席からだと、小万の孝太郎さん、うなじしか見えない~ 
こっちむいて~っ(>_<)

小万はこのあと舞台で正座しますが、そのあと、立ったら、濃い紫の着物のおしりに
白粉の白いあとが(^_^;)
あれ?でも、草履履いて正座してたんだけど・・・・どういう風に座ってたのかな?

さて、この後 花道を登場してきた段治郎さんは、七三でくるっと一周。
うーん 「こっち向け~」という念波を あっちこっちから感じたかな?

次に登場の義賢の愛之助さんは 低く地の底から響くような声。
うーん 「らぶりん」なのに「ゴルゴ」に思える・・・<(ーー;)
しかし、愛之助さん、低音の声を出すときのお役って、なんか とてもいいことが多い。
今回も大当たりだったし♪

それから、義賢の(多分)三重に重なった裾が 重なりがキレイで、動くと
それがハタハタとするのが、またキレイ。

折平と正体・本心明かしあう場面では、
義賢は 盆栽の松を引き抜き、松で手水鉢の端を叩き割り、それでも水が流れ出ない
=>源はそのまま。 =>源氏をまだ大事に思ってるよ
ということを折平に示すんですが・・・しかし、あなた、盆栽とはいえ、根元から松をぬくかっ!
それに、この松で動作の意味するところを、一応、折平さんが「松は陽で 水は陰で・・・云々」と解説してくれるんですが、
だれかもう少し、わかりやすく説明して~ よくわかんない~<(ーー;)

この後、平家からやってくるキンキラの衣装に身を包んだお使者コンビは
やった!延夫さんに猿四郎さんだっ!!ご贔屓コンビ~!(^^)!

しかし、首桶(中にしゃれこうべ在中)をもってる時の猿四郎さん、なんか視線が明後日の方を
向いたままで、なんか不自然でしたが、しゃれこうべを義賢の前に出すあたりからは、さすがさすが♪
視線といい、ちょっとした反応といい、いい仕事してます♪
その姿を双眼鏡で一生懸命追ってたら、上手から一瞬 姿をみせてたらしい段治郎さんを見損ねてしまった(^_^;)

さて、この場面、義朝の髑髏を踏めず苦しむ義賢を真ん中に
下手に義賢の顔を下からじっと見つめる猿四郎さん、
上手に観客席の方に顔を向けながら、視線は義賢を注視する延夫さん
の3人でビシッとごとく決まるところがあります。
かっこいい~ ここの舞台写真がほしい~っ!!!
でも、ほんと、写真があってもおかしくないくらい、ビシっと絵になって決まってた
非常に「あぁ眼に幸あり」な場面でした♪

しかし、最後は悪役の悲しさ。
猿四郎さんは 義賢により さっきさんざん足蹴にしてた 義朝の髑髏で
打ち据えられ、挙句、突き殺されちゃうんです・・・(T_T)

この場面「加賀見山」のお初が草履で打たれる場面を思い起こしてしまいました(^_^;)

この後、死を覚悟した義賢が、「あらあら うれしや」と
今までしめていた病鉢巻を後ろにぽーんとほうりなげる場面があります。
なんか、こう、ふっきれたすがすがしさ(やけになっただけか?)のようなものがあって、
気持ちのいい場面でした。

枝折戸ごしの親子の別れは、いい場面なんだと思います。
が、やはり、愛之助さんの父親は まだ少し若くて、ちょっと軽い印象をうけました。
仁左衛門さんや吉右衛門さんに 時蔵さん 福助さんあたりの待宵姫でやると
さぞや濃いドラマになりそうです。
今回の愛之助さん・春猿さんも 年季が入ってくれば、今、これだけできるんだから
かなりいい感じになりそうで 今から楽しみです♪

ちなみにこの後、待宵姫の手をひいて折平が引っ込んでいくところ。
舞台写真では 横顔のショットがありましたが、私の席からはちょうどお顔の正面♪
いい表情が真正面から堪能できました♪

平家の追手その1として出てくる進野次郎の薪車さんは、優男系も艶気があっていいですが
こういう 荒々しい 眉の濃いタイプも 結構、似合います。
幅広いですね~。

子役を背負って 立ち回りする九郎助。私、これを寿猿さんだとばかり思ってまして
(私の頭の中で老け役=寿猿さんという図式がありまして・・・(^_^;)
なんで、寿猿さん すっごい大変だろうなぁと思ってたんですが、
休憩時間に筋書きよく見たら橘三郎さんでした。(^_^;)

さて、黄色のしごきをつけて「旅姿」ということになった葵御前。
お供をするのは 行きがかりからかどういうわけだか なぜか小万。
対する追手は 三枚目の矢走兵内。
兵内に対峙して、 小万が見せる余裕の笑みが素敵です!
私、孝太郎さんの、こういう強い女性が結構好きです♪
しかし、実際問題、いくら相手が兵内とはいえ、この人数に1人で立ち向かうのは
かなり無謀な気が(^_^;)

しかし、猿弥さん、夜の「道行」の鷺坂伴内といい、似たようなお役ですねぇ。

で、いよいよ出てきたのが既に右肩と左眼のあたりを血に染めた 手負いの義賢。
襖を派手に押し倒して登場です。

いくら鎧を着けないにしても、長袴で立ち回るのはどうなんでしょう(^_^;)
しかし、立ち回りは万全の気配り。
倒した襖はきちんと回収。すばやく回収。その都度回収。
きっちり、徹底しております。その徹底さに観客から笑いが起きるほど。(^_^;)

で、まず見せ場その1:襖崩れ。(というのかどうかは知りませんが(^_^;)
おぉぉぉぉっ!!これはすごい!!
4人がかりで愛之助さんののった襖をもちあげるんですが、4人で持ち上がるもんなんですね。
まず、そこで感心。そして、その襖を立ててある2枚の襖の足に乗せ、
そこで愛之助さん 立ち上がった!
最期は上手手前の1人が手を離して 愛之助さんは襖に乗ったまま 下手の方へゆーっくりと
倒れていって、着地。
この着地したところで決まるのが、またきれい!
そして ここでも襖はすばやく回収(^_^;)

次の見せ場は 左右から容赦なく飛んでくる矢の嵐
あれ、顔に当たったりしないんでしょうか?足のあたりには だいぶ当たってたようですが
(でも ささりはしませんが(^_^;)
これも 相当、危険なんじゃないかと思います。
あ、ちなみに、この乱れ飛んで舞台に散らばった矢も 黒子さんがきっちり回収(^_^;)

次は敵を花道七三先まで追い詰め、敵を倒すも自分も力尽きて七三でべっちゃりとバッタリ
これはね~ 七三横の席の人、相当びっくりしただろうなぁ。
私だったら、思わずよけちゃうかも(^_^;)。そのくらい ほんとに「べっちゃり」という
倒れっぷりでした。
で、この後。暫くしてから気がついて、むくっと起き上がり、ノドを抑えてあえぐんです。
あ~ 水、水だよ!水が欲しいんだよ!だれか持ってきてあげなよ~っ と
叫びたくなるほど、苦しさとしんどさがにじみでてました。

おまけにやっと手水鉢にたどりついたのに、水面に映る敵を見つけてひしゃく投げちゃって
結局の見損ねるし・・・(T_T)

さらにこの後、ついに気絶してしまった義賢の前で 矢走兵内に追いかけられる葵御前が
白幡を奪われちゃった!! 大変~っ!と思ってたら、起きたよ、義賢!
で、白幡奪い返して、そこに来合わせた九郎助に葵御前を託したとこまではよかったんだけど
九郎助と後ろ髪ひかれる葵御前が花道ひっこんだ後、
 「あ”~っ しまった~~っ!! 白幡預けるの忘れた~っ!!(>_<)
という台詞があるわけではないんですが、一声も出さず、仕草と表情でこういう心境が
ひしひしと伝わってくるのは、愛之助さんの迫真の演技の力です。

ここでは、花道を引っ込む短い間の中に、葵御前の身を引き裂かれるような悲しさも
ひしひしと感じられました。笑三郎さん さすが!

さて、いよいよクライマックスも近づき、ついには 進野次郎に羽交い絞めにされた挙句
生け捕りの名乗りまで上げられちゃったから、もう、ここまでと 自分の腹から串刺しで
進野も貫く義賢の激しさ!

ちなみに、ここで羽交い絞めにされた状態で、進野と義賢が段上に移動するんですが、
最期の一段あたりで、一瞬、薪車さん、愛之助さんを持ち上げてました。
・・・愛之助さんって、軽いのかな?

しかし、この串刺し。博多座の「三人吉三」のラストを思い出します・・・

そしていよいよ最期にあたり、白幡をどうにかしなくちゃなりません。
そこで、なんで知ってるんだか 小万の名を呼ぶ義賢。
で、出てきた小万に白幡を託しますが、ここからは、行けといわれても
瀕死の義賢を置いていくに行けず、ゆれる心の小万を演じる孝太郎さんが上手かったです。
すごく 小万の迷いが伝わってきました。

しかし、ここに際して、やっぱり思うのは「白幡は絶対、蔵人に預けるべきだった」<(ーー;)

まぁ、それはもうさておいて、今度こそ、本当に最期、タイトルどおりの「義賢最期」。
仏倒しで 階段落ちです。

ん~ やっぱり、顔から落ちてるみたいに見えますねぇ・・・
どうして、あれで大丈夫なんだろう・・・

一緒に見た家人曰く、
この後、夜の部の定九郎まで出番がないのは、その間、顔を冷やしてるから。
そうじゃぁないとは思うんですけどね(^_^;)

しかし、この幕切れ、見ている身としても これでようやく義賢にやすらかな時間が訪れたと思うと
なんだか、ほっとしてしまいました。

正直、今回の公演、昼夜通してどれも大満足だったんですけど、
あえて1本選べ といわれたら、これを挙げたいです。
そのくらい、よかったです。
愛之助さん この先が楽しみ~♪♪


なお、今回、唯一 残念なところは みなさん、ノドをやられてるようで、
いい声ながらも みんなダミ声になってたところ。
松竹座さん、お願いですから、空調 もう少しどうにかして~(^_^;)

◆花道度:高
なんつっても 七三バッタリな義賢がありますから♪
花道使用は 小万親子孫の出、折平の出、平家勅使の二人の出、折平・待宵姫の引っ込み、進野次郎ご一行の出、矢走兵内ご一行の出、九郎助太郎吉+葵御前の引っ込み それと、小万が七三まで引っ込みかけてますが、本舞台に戻ります。
結構、ありますね。
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