
11111222ミス2233333444445555566666 30文字/1行 海保 「ミスに強くなる」より 保存用
6章 コミュニケーション環境を良くする 20p 6ー1)コミュニケーション環境を分析してみる ●コミュニケーション環境が激変 ●良好なコミュニケーション環境をつくる ●コミュニケーションとは 6ー2)正確に指示する ●音声によるコミュニケーションは便利だが危ない ●ミスを防ぐ音声コミュニケーションの工夫 ●情報を精選する 6ー3)わかりやすく指示する ●正確さとわかりやすさと ●冒頭説明を ●メリハリをつけて ●2W1Hで ヒヤリハットの心理 (7) 「間接指示には誤りが入りやすいので要注意」 扉の標語 「ホウレンソウ(報告、連絡、相談) 事故防止の栄養食」 「その一言、なんであの時に言ってくれなかったんだ!」 章概要*************** チームや仲間と一緒に仕事をしているときは、コミュニケーション環境の劣化は、ただちにミスにつながってしまう。しかし、意外にそこには目がいかないことが多い。どうようなコミュニケーション環境なら良好と言えるのか、自分の思いを話す、人の意見を聞くといったことから、正確に伝える、わかりやすく伝えることまで、コミュニケーション環境を良質なものにするための視点と方策について考えてみる。 ******** 6ー1)コミュニケーション環境を分析してみる ●コミュニケーション環境が激変 日本は今、情報化社会のまっただ中である。 びっくり仰天するような情報の作成技術や伝達技術が続々と日常の中に入り込んでくるようになった。それに伴って、これまた想像を絶する多彩かつ大量の情報が飛び交うようになってきた。 これは人と人とのコミュニケーション環境を劇的に変貌させた。ミスとの関連で、そのあたりについて一番気になるのは、対面会話(対話)力の低下である。 メール・コミュニケーションが凄い。ホウレンソウ(報告、連絡、相談)はほとんどメールで済んでしまう。それはそれで強力な仕事の支援になっているのだが、対面でのコミュニケーションの機会を著しく減少させてしまった。 一冊の本を作るのに、編集者との対面会話は最初だけ、というような場合さえあった。 こうした事態になり一番心配なのは中学生くらいからの子供である。対話の中にある言葉以外の豊富な情報を活用しながらの豊かなコミュニケーションをしないままに育ってしまうことによる対話力の低下は、考えるだけでも空恐ろしくなる。 対話力の低下は必然的に、相手あるいは相手を取り巻く状況への意識の欠如をもたらす。 コミュニケーションは、相手があって成立する。対話なら相手が見える。何か言えば何かが相手に起こる。それがまた次のコミュニケーションへとつながっていく。 常に相手への配慮があって成立するのがコミュニケーションである。一方的なメールで片をつける習慣がついてしまうと、相手への配慮はおろか相手を意識することさえなくなってしまうのではないだろうか。 まだまだ言いたいことはいくつもあるが、とりあえず一番気になることを一つだけ述べてみた。 ●良好なコミュニケーション環境を作る コミュニケーションとミスの話にいく前にあと2つ。 一つが、コミュニケーション環境が良好とはどういうものかである。ミスとの関係に限定するなら、4つを挙げることができる。 1)コミュニケーションの内容はともかくとして、コミュニケーション頻度が多いこと 組織では、事が起こるまでトップに情報が上がっていなかった、というケースが非常に多い。どこかでコミュニケーションの障壁が置かれてしまっているのであろう。 個人間でも、コミュニケーションの頻度は、親密さとほぼ比例しているだけに、その頻度は大事である。 2)双方向のコミュニケーションが行われていること コミュニケーションの頻度が高くとも、いつも流れる方向が一方向では良好な状態とはいえない。警察や軍隊でさえも、あるいは、教室でも、どれくらい部下から、子供たちからのコミュニケーションがあるかが、コミュニケーション環境の質を左右している。 現場からの声を吸い上げるような意図的な試みさえ場合によってはやってもよい。 3)コミュニケーションの内容が良質なこと これについては、項を改めて述べるが、正確さ、さらに、わかりやすさの2点が大事になる。 4)権限関係が明確なこと これは、コミュニケーション環境の質とは直接的には関係ないが、ミスとの関係では大事なので、最後に追加した。 コミュニケーションが活発なことは結構なことだが、得てして、言うだけ言って誰も責任を負わない、あるいは意見の違いをかかえたままいがみ合い、という無責任態勢になりがちである。これでは、困る。誰が最終的に意志決定をし、ミスがあれば誰が責任をとるかが明確になっていることが必要である。 ●コミュニケーションとは ミスの話にいく前にもう一つ、コミュニケーションの心理学の基礎基本について。 図6ー1 コミュニケーション過程の全体像 ppt済み コミュニケーションには発信者と受信者とがいる。これがオンライン(実時間)で頻繁に入れ代わるのが、対面コミュニケーション。仮に情報のやり取りの頻度は同じでも、そのやり取りに時間差があるのがメールコミュニケーションの特徴である。この違いは、後述するように実は大きい。 発信者も受信者も、それぞれ、頭の中で情報処理をしている。同じ仕事をしている二人の間のコミュニケーションを想定すると、図のようなことになる。 発信者の側では、仕事の現場から相手に伝えなければならない情報が出てくると、それを表象という形で抽象化して頭の中に表現する。 ついでその表象を、既有の知識の中に位置づける作業(解釈)をする。ついで、伝えるべき情報を精選する。この段階で、前述した相手あるいは相手を取り巻く状況への配慮が必要になる。 伝達したい情報の精選が終わると、それを、言葉を核としたコミュニケーション媒体に乗せる。 受信者の側では、既有の知識を動員して、メッセージを解読して表象を構築する。そして、既有知識を使って判断をして、現場の状況をにらみながら何が適切な行動かの判断をする。 いずれの段階でもミスが発生する。 ○発信者側でのミス ・表象形成 状況が不充分にしか表象できていない 例 見落としなどの知覚ミス ・解釈 既有知識によって表象化された内容を誤って解釈す る 例 思い込みエラー ・精選 たくさんのことをメリハリなく伝える 例 理解不能によるミス ○受信者側でのミス ・表象形成 伝えられた内容を不充分にしか表象できない 例 聞き間違い、読み違い ・判断 状況判断を誤る 例 指示ミス ・精選 何をどの順にするかを誤る 例 タイミングミス このように、それぞれの段階でミスが想定される。それらのほとんどについては、本書の各章で述べたことを繰り返すことになる。ここことをみても、コミュニケーション環境の質がミス防止という点で大事なことがわかると思う。 以下の2節では、紙幅の都合もあって、もっぱら、音声媒体を用いたコミュニケーション・エラーの話に限定することになる。 6ー2)正確に指示する ●音声によるコミュニケーションは便利だが危ない 音声コミュニケーションは、実に便利で使い勝手がよい。誰もがいつでもどこでも使える。しかも、通信手段の進歩によってどんな遠隔からでも格別の表現上の工夫をしなくとも、あたかも対面でのそれのごとくコミュニケーションができる。 この便利さ、使い勝手のよさは、しかし、ミスの誘発と裏腹な関係にある。 表6ー1 音声と文字と表情のコミュニケーション特性の比較 ppt済み 誰しもが経験したことがあると思うが、言い間違い、聞き間違いはごく普通に発生している。筆者のように高齢期に入り出すと、これに加えて、聞き取れないという深刻な問題も発生してしまう。 しかし、音声言語を使用する時は、こういうミス、不具合が発生しやすい、ということを前提にしているようなところが陰に陽に誰にもある。 だからこそ、音声以外の、イントネーションや強弱や間合いなどのパラ言語、さらには表情やジェスチャーなどを一緒に使って信頼度をあげるようにしているのである。 余談になるが、聴衆を前にしておこなうプレゼンテーションでは、音声情報の役割・効果は1割にもならないと極限する人さえいる。ところが、パワーポイントという強力なプレゼンの用具が出てきて状況が激変している。 スライド中心で、演者がすみっこにある演台に隠れて、聴衆はスライドのハードコピーーー配付されないこともあるーーを懸命に見ているようなスタイルが定着してしまっている。 文書中心のプレゼン、顔の見えないプレゼン、果たしてこのままいくのか、プレゼン本来の場がまた復活するのか。ちなみに、筆者は、パワーポイントは使うが、それは脇において全身を聴衆の目にさらすようにしている。 ところが通信技術の進歩は、対面でこそ信頼のおける音声コミュニケーションの使用範囲を、対面しないでも使えるように、著しく拡大させてしまった。 このことをどれだけ意識して音声コミュニケーションをおこなっているかが、ミスの防止と深くかかわっている。 ●ミスを防ぐ音声コミュニケーションの工夫 航空機管制がもっぱら音声による指示によって飛行機の誘導をしているのを知ると、ぞっとする。便名の言い間違いであわや衝突というケースの発生は、まだ記憶に新しい。 繰り返すが、音声での指示は、相手が目の前にいるなら、ほとんど何も問題がない。いざとなれば、やってみせればよい(実演)。 問題は、相手が見えない時。携帯電話での作業指示を考えてみる。 まず、伝達の品質がそれほどよくない。聞き取れないこともある。聞き取れない時は、そのことをフィードバックするのであまり問題は起こらないのだが、聞き間違いが一番恐い。「”あ”げる」と「”さ”げる」の聞き間違えは、とんでもないことになりかねない。 おまけに、日本語は同音意義語が多い。ワープロでのかな漢字変換では誰しもが悩まされているはずである。 こうしたことに対処するには、「さしみ」の「さ」、「あさひるばん」の「あ」のような冗長表現を心がけることになる。 そして、もう一つは、双方向のコミュニケーションをくどいくらいにおこなうこと。聞き直し、復唱確認を、もし相手がしないなら、するように指示をしてでもやるのように徹底する。 ●情報を精選する 道を尋ねると、実に懇切ていねいに教えてもらうことがある。しかし、紙でも書いてくれるならともかく、口で一度にたくさんのことを教えられても、とても覚えられない。情報の精選が必要である。 そのためには、まずは、相手がどんな状況にいるかの配慮である。とりわけ、電話などをつかった間接コミュニケーションでは、くどいくらいに相手の状況がどうなっているかを知るように努力することが大事である。 その上で、言うことを3つくらいに整理する。これが難しい。電話なら、とりあえず3つの指示をしてから、それが終わったらまた電話をしてもらい、次の指示をするようなやり方もある。メモを用意させてから指示をすることもある。 一度にたくさんのことを指示するのは、聞き落としミスとなるので、厳禁である。 6ー3)わかりやすく指示する ●正確さとわかりやすさと 音声の指示を正確にすることについて考えてみた。それに加えて、わかりやすさも大事であるという話が、この節の本題である。 文書なら、読み返したり、ビジュアル表現に助けてもらって理解することができることでも、音声の間接指示では、それができない。 王道は、ファックスやメールを活用して、不備を補うことであるが、緊急の場合やそうした装置がなかったり操れなかったりすることがあるので、なんとか音声指示のほうで工夫することも必要である。それについて考えていくが、その前に、正確さとわかりやすさとの微妙な関係について一言。 伝えるべき情報を3つくらいに精選して伝えるとよいと述べた。ところがである。筆者が講演や授業で二人1組でよくやることがある。それは、簡単な絵を見せて、一人に「それを電話で相手に”一方的に”伝えて描かせる」とすれば、どのように説明するかという実習である。 これをやると困るのは、なかなか説明が終わらないことである。どうしても言い足りないことが残るらしい。しかし、相手のほうは、そんなにあれこれ言われても、かえって何が何やらわけがわからなってしまうのである。 人に説明する時は、できるだけ正確にしたい、との気持ちは誰にもある。 正確にするには、相手にできるだけたくさんの情報を与えればよいとの思い込みもある。正確さ中毒と呼んでいる。間違いではないが、精選しないまま一度にたくさんの情報を与えることは、わけがわからない状況を作り出してしまうのである。 どこかで説明をストップしなければならないのだが、正確さ志向が強いのでなかなかストップしないのである。どのあたりで説明をストップするかは、どのような状況で誰に説明するかについての配慮が必要となる。 図6ー2 正確さとわかりやすさとの微妙な関係 pptすみ ●冒頭説明を 音声による説明、指示をわかりやすくするにはどんな方策があるか。ミスとの関連する方策として、「冒頭説明」「メリハリ付け」「2W1H」の3つを紹介しておく。 図6ー2の冒頭に「冒頭説明」というのがある。先程のような説明実習をすると、ほとんど人がすることがもう一つある。それが、この冒頭説明である。 「全体はこんな絵です」「たとえると**のような絵です」というような説明を冒頭にするのである。 まずこれからすることの全体像を相手に持ってもらうのは、いくつもの利点がある。 まず第一に、一つ一つの情報を体系的に理解するための枠組が与えられることである。 頭の中に作られる地図のことを認知地図という。表象の一つである。文書地図とはあまり一致はしていないが、その場所に馴れてくると、自分が動き回るのには有効な情報が認知地図の中にはある。 冒頭説明には、「こんな認知地図をあらかじ頭の中に描いてくれると、これから話す内容が理解しやすくなります」という役割がある。理解の水先案内のようなものである。「先行オーガナイザー」と呼ばれている。 全体像の説明は、冒頭に言うことが必須であるが、長いプレゼンでは、随所で、「全体はこうで今はここ」という形で全体ー部分関係を言うこともあってよい。図にして示せればなお良い。 第二は、テーマに関連する知識をあらかじめ活性化できることである。 知識の活性化とは、いわば頭の準備体操である。長期記憶に貯蔵されている知識が使えるような状態にすることである。知識の活性化の方策には、連想したり予測したりといった認知的努力もあるが、たとえば、手帳のメモや時計など外的な仕掛けによるものもある。冒頭説明は、外的な仕掛けの有力な一つである。 第三は、仕事の指示などの冒頭説明は、仕事の精度を高めることができることである。 これも講演などでよくやるのだが、次のような簡単な指示をして絵を描いてもらう。 「長方形を描いてください。その上に台形を描いてください」 簡単な指示なので皆が同じ絵を描いてくれると思うが、そうではない。「その上に」の解釈が3つあるので、描く絵も異なってくる。 例6ー1 「長方形を描いてください。その上に台形を描いてください」と言うと この指示の前に一言「家の絵を描きます」の冒頭説明を入れると、皆同じ絵を描いてくれる。 冒頭説明がこれからする作業の世界を狭めてくれたのである。 なお、音声による説明ではわかりやすさも大事ということを誰も肌で知っていて、こうした冒頭説明をするのではないかと思う。不思議なことに、文書でも、こうした冒頭説明はまったく同じ理由で大事なのだが、省略されてしまうことがある。これも、文書なら、わからないければ読み返してくれるから大丈夫という気持ちがあるように思う。 ●メリハリをつけて 音声による説明、指示をわかりやすくする2つ目の方策は、メリハリづけである。 メリハリとは減り張りと書く。大事なところは張り(目立たせる、強く)、大事でないところは減り(控えめに、弱く)という簡単な話である。 しかも、音声表現は、文書表現とは異なり、大事なことを言う時は自然に声が大きくなる。したがって、あえてメリハリ表現を、という必要のないのでだが、実は、ある。 音声での説明や指示では、表現が平板になりがちなのである。文書を読みあげる人さえいる。聴衆がいるからである。あがって失敗する(言い忘れる)のを防ぐためであろうが、せっかくの対面コミュニケーション状況でのメリットを、これでは逸してしまう。 言いたいことをあらかじめ精選したら、せいぜいメモ程度にしてーー筆者があいさつでよくやるのは手のひらメモーー、 1)言いたいことの全体像を言う。 2)言いたいことはいくつあって、どれくらいの長さの話になるかを言う 3)一つ目はーーー、2つ目はーーーー、三つ目はーーー(三つまでが限界)。 4)最後にまとめる だいたいこの4つくらいに留意すれば、メリハリ説明、指示になる。 もちろん、この間、間合いやイントネーションなどのパラ言語と、ジェスチャーを適度に使う。これがメリハリ表現には必須である。過度に使うと一人芝居になってしまうが、適度になら、効果的である。 なおもう一つ、メリハリづけの極め付けを一つ。それは、メタ認知ならぬ、メタ表現を使うことである。 メタ表現とは、「ここは大事なところなので、よく聞いて下さい」「これは絶対に忘れないように」「ここはざっと聞き流しておいてください」などといった表現である。内容そのものではなく、その重要さを言うことで、聴衆の情報処理の深浅をガイドするのである。 ●2W1Hで 最後に、わかりやすさを作り込む内容的な方策として2w1Hについて述べる。 内容をわかりやすくするについては、大小とりまぜて、これ以外にもまだまだいろいろある。たとえば、用語一つにしても、 ・専門用語は相手がわからない恐れがある時は使わない ・漢語は同音語が多いので要注意 ・和語を使う といったような配慮が必要である。 また、1フレーズの表現に関しても、 ・1文1義にする ・理解の鍵となるキーフレーズを入れる ・たとえを使う ・具体的なイメージがわくように、具体例を入れる ・事実と意見をわける などなど。 ここでは、作業現場での指示において特に大事な、2W1H説明について述べておく。 2W1Hとは、何を(what)、どのように(how)、そしてなぜ(why)である。 ・危ないです(what)。左に寄って下さい(how)。車が通りま す(why)」 ・線路を交換します(what)。老朽化したためです(why)。ox 工法で やります(how)」 いつも2W1Hが必要というわけではない。自明なものがあるときは、それは省略して、簡潔に表現する。 ただ、この中で忘れられがち、あるいは省略されがちなのは、why説明である。 why説明には、原因説明と意義(理由)説明とがある。 原因説明は、老朽化が原因で線路交換をするというような説明である。 意義説明とは、原因説明とは逆にそれをするのは、それによって起こること、達成できることを言うような説明である。左に寄ってもらうのは車を通すためといような説明である。 原因も不明、意義も不明なままに仕事をするのはまずい。誰もそのことを説明してくれなければ、自分なりにwhy説明をつくり出すこともあってよい。人はwhyを知りたがる動物なのである。 ヒヤリハットの心理 (7) 「間接指示には誤りが入りやすいので要注意」 事例「指示が何人も経ている内に、内容が変わってしまいヒヤリハット」 1イラスト 2最初の人が、電話で「D1のスイッチを下げるように」指示。携帯でそれを受けた人が、現場の作業員に、「B1のバルブを上げるように」と指示してしまい、圧力が急上昇 ●解説 伝言ゲームは御存じだと思います。何人か並んでいるところで、端から順に短いメッセージを次々と伝言していくと、最後には、最初とはまったく異なるメッセージが出てきてしまう遊びです。遊びならどうということはありませんが、仕事の現場で、こんなことになったら大変です。 なぜこんなことになるかというと、一つには、音声言語の信頼性が低いことを挙げることができます。「DとB」「上げると下げる」「1と8」のように同音、類似音間の聞き間違えがその典型です。 2つには、誤解です。指示内容が現場の状況と整合しなかったりすると、解釈できる手がかりだけに基づいて「自分なりに」意味のあるメッセージにしてしまいがちです。そこに誤解が入り込むことになります。 3つには、単線型の一方向性のメッセージの流れです。誰かひとりが伝言を次に回すのを忘れたり、あるいは、誤ってしまうと、もはや最初のメッセージを回復することはできません。階層的な組織での命令的な伝達では、とりわけこういうことがおこりがちです。 ●類似ケース」 ○団地の電話による連絡網で、「11日ペットボトル回収日」が通知されたが、最後は、「17日、空き缶回収日」になってしまった。 ○いつもと違う指示だったが、指示通りにやったら、直後に指示の誤りだったことが伝えられた。 ●対策「間接指示を確実なものにするには、どうしたらよいのでしょうか?」 間接メッセージ伝言事態での誤りの発生について挙げた後者の2つの原因に対応した対策について考えてみます。 まず、こうした場面での誤解をどうさけるかです。指示を受け取る人には、忘れないうちに速く正確に相手に伝えなくてはというプレッシャーがかかります。ちょっと不明なことがあっても、自分なりに解釈をして相手に指示を伝達してしまいがちです。 しかも、指示を受ける人はもっぱら「伝達する」役割に徹してしまいがちです。「心理的にも」一方向のコミュニケーション態勢になってしまいがちです。 現場が近いなら自ら足を運んで、間接指示をしないですむようにすることが基本です。 どうしても間接指示にならざるをえないときは、受け手が誤解を訂正し、双方向コミュニケーション態勢になるように、次のようなことに留意することです。 ・指示ではなく対話する気持ちで ・音声よりできるだけメモで ・復唱による確認 ・疑問や意見は臆せず恥ずかしがらずに口に出す/出せる ・指示の発信源に戻って確認する チェック「あなたの”誤解のしやすさの程度”は?」******** あなたにあてはまるときは”3”を、あてはまらないときは”1”の3段階で判定してください。 1)即断即決をするほう( ) 2)よく人違いや勘違いをする( ) 3)わけがわからない状態には耐えられない( ) 4)いつも自分なりの解釈を大切にする( ) 5)人から頑固と言われる( ) *10点以上なら、思い込みをしやすいほうです。
6章 コミュニケーション環境を良くする 20p 6ー1)コミュニケーション環境を分析してみる ●コミュニケーション環境が激変 ●良好なコミュニケーション環境をつくる ●コミュニケーションとは 6ー2)正確に指示する ●音声によるコミュニケーションは便利だが危ない ●ミスを防ぐ音声コミュニケーションの工夫 ●情報を精選する 6ー3)わかりやすく指示する ●正確さとわかりやすさと ●冒頭説明を ●メリハリをつけて ●2W1Hで ヒヤリハットの心理 (7) 「間接指示には誤りが入りやすいので要注意」 扉の標語 「ホウレンソウ(報告、連絡、相談) 事故防止の栄養食」 「その一言、なんであの時に言ってくれなかったんだ!」 章概要*************** チームや仲間と一緒に仕事をしているときは、コミュニケーション環境の劣化は、ただちにミスにつながってしまう。しかし、意外にそこには目がいかないことが多い。どうようなコミュニケーション環境なら良好と言えるのか、自分の思いを話す、人の意見を聞くといったことから、正確に伝える、わかりやすく伝えることまで、コミュニケーション環境を良質なものにするための視点と方策について考えてみる。 ******** 6ー1)コミュニケーション環境を分析してみる ●コミュニケーション環境が激変 日本は今、情報化社会のまっただ中である。 びっくり仰天するような情報の作成技術や伝達技術が続々と日常の中に入り込んでくるようになった。それに伴って、これまた想像を絶する多彩かつ大量の情報が飛び交うようになってきた。 これは人と人とのコミュニケーション環境を劇的に変貌させた。ミスとの関連で、そのあたりについて一番気になるのは、対面会話(対話)力の低下である。 メール・コミュニケーションが凄い。ホウレンソウ(報告、連絡、相談)はほとんどメールで済んでしまう。それはそれで強力な仕事の支援になっているのだが、対面でのコミュニケーションの機会を著しく減少させてしまった。 一冊の本を作るのに、編集者との対面会話は最初だけ、というような場合さえあった。 こうした事態になり一番心配なのは中学生くらいからの子供である。対話の中にある言葉以外の豊富な情報を活用しながらの豊かなコミュニケーションをしないままに育ってしまうことによる対話力の低下は、考えるだけでも空恐ろしくなる。 対話力の低下は必然的に、相手あるいは相手を取り巻く状況への意識の欠如をもたらす。 コミュニケーションは、相手があって成立する。対話なら相手が見える。何か言えば何かが相手に起こる。それがまた次のコミュニケーションへとつながっていく。 常に相手への配慮があって成立するのがコミュニケーションである。一方的なメールで片をつける習慣がついてしまうと、相手への配慮はおろか相手を意識することさえなくなってしまうのではないだろうか。 まだまだ言いたいことはいくつもあるが、とりあえず一番気になることを一つだけ述べてみた。 ●良好なコミュニケーション環境を作る コミュニケーションとミスの話にいく前にあと2つ。 一つが、コミュニケーション環境が良好とはどういうものかである。ミスとの関係に限定するなら、4つを挙げることができる。 1)コミュニケーションの内容はともかくとして、コミュニケーション頻度が多いこと 組織では、事が起こるまでトップに情報が上がっていなかった、というケースが非常に多い。どこかでコミュニケーションの障壁が置かれてしまっているのであろう。 個人間でも、コミュニケーションの頻度は、親密さとほぼ比例しているだけに、その頻度は大事である。 2)双方向のコミュニケーションが行われていること コミュニケーションの頻度が高くとも、いつも流れる方向が一方向では良好な状態とはいえない。警察や軍隊でさえも、あるいは、教室でも、どれくらい部下から、子供たちからのコミュニケーションがあるかが、コミュニケーション環境の質を左右している。 現場からの声を吸い上げるような意図的な試みさえ場合によってはやってもよい。 3)コミュニケーションの内容が良質なこと これについては、項を改めて述べるが、正確さ、さらに、わかりやすさの2点が大事になる。 4)権限関係が明確なこと これは、コミュニケーション環境の質とは直接的には関係ないが、ミスとの関係では大事なので、最後に追加した。 コミュニケーションが活発なことは結構なことだが、得てして、言うだけ言って誰も責任を負わない、あるいは意見の違いをかかえたままいがみ合い、という無責任態勢になりがちである。これでは、困る。誰が最終的に意志決定をし、ミスがあれば誰が責任をとるかが明確になっていることが必要である。 ●コミュニケーションとは ミスの話にいく前にもう一つ、コミュニケーションの心理学の基礎基本について。 図6ー1 コミュニケーション過程の全体像 ppt済み コミュニケーションには発信者と受信者とがいる。これがオンライン(実時間)で頻繁に入れ代わるのが、対面コミュニケーション。仮に情報のやり取りの頻度は同じでも、そのやり取りに時間差があるのがメールコミュニケーションの特徴である。この違いは、後述するように実は大きい。 発信者も受信者も、それぞれ、頭の中で情報処理をしている。同じ仕事をしている二人の間のコミュニケーションを想定すると、図のようなことになる。 発信者の側では、仕事の現場から相手に伝えなければならない情報が出てくると、それを表象という形で抽象化して頭の中に表現する。 ついでその表象を、既有の知識の中に位置づける作業(解釈)をする。ついで、伝えるべき情報を精選する。この段階で、前述した相手あるいは相手を取り巻く状況への配慮が必要になる。 伝達したい情報の精選が終わると、それを、言葉を核としたコミュニケーション媒体に乗せる。 受信者の側では、既有の知識を動員して、メッセージを解読して表象を構築する。そして、既有知識を使って判断をして、現場の状況をにらみながら何が適切な行動かの判断をする。 いずれの段階でもミスが発生する。 ○発信者側でのミス ・表象形成 状況が不充分にしか表象できていない 例 見落としなどの知覚ミス ・解釈 既有知識によって表象化された内容を誤って解釈す る 例 思い込みエラー ・精選 たくさんのことをメリハリなく伝える 例 理解不能によるミス ○受信者側でのミス ・表象形成 伝えられた内容を不充分にしか表象できない 例 聞き間違い、読み違い ・判断 状況判断を誤る 例 指示ミス ・精選 何をどの順にするかを誤る 例 タイミングミス このように、それぞれの段階でミスが想定される。それらのほとんどについては、本書の各章で述べたことを繰り返すことになる。ここことをみても、コミュニケーション環境の質がミス防止という点で大事なことがわかると思う。 以下の2節では、紙幅の都合もあって、もっぱら、音声媒体を用いたコミュニケーション・エラーの話に限定することになる。 6ー2)正確に指示する ●音声によるコミュニケーションは便利だが危ない 音声コミュニケーションは、実に便利で使い勝手がよい。誰もがいつでもどこでも使える。しかも、通信手段の進歩によってどんな遠隔からでも格別の表現上の工夫をしなくとも、あたかも対面でのそれのごとくコミュニケーションができる。 この便利さ、使い勝手のよさは、しかし、ミスの誘発と裏腹な関係にある。 表6ー1 音声と文字と表情のコミュニケーション特性の比較 ppt済み 誰しもが経験したことがあると思うが、言い間違い、聞き間違いはごく普通に発生している。筆者のように高齢期に入り出すと、これに加えて、聞き取れないという深刻な問題も発生してしまう。 しかし、音声言語を使用する時は、こういうミス、不具合が発生しやすい、ということを前提にしているようなところが陰に陽に誰にもある。 だからこそ、音声以外の、イントネーションや強弱や間合いなどのパラ言語、さらには表情やジェスチャーなどを一緒に使って信頼度をあげるようにしているのである。 余談になるが、聴衆を前にしておこなうプレゼンテーションでは、音声情報の役割・効果は1割にもならないと極限する人さえいる。ところが、パワーポイントという強力なプレゼンの用具が出てきて状況が激変している。 スライド中心で、演者がすみっこにある演台に隠れて、聴衆はスライドのハードコピーーー配付されないこともあるーーを懸命に見ているようなスタイルが定着してしまっている。 文書中心のプレゼン、顔の見えないプレゼン、果たしてこのままいくのか、プレゼン本来の場がまた復活するのか。ちなみに、筆者は、パワーポイントは使うが、それは脇において全身を聴衆の目にさらすようにしている。 ところが通信技術の進歩は、対面でこそ信頼のおける音声コミュニケーションの使用範囲を、対面しないでも使えるように、著しく拡大させてしまった。 このことをどれだけ意識して音声コミュニケーションをおこなっているかが、ミスの防止と深くかかわっている。 ●ミスを防ぐ音声コミュニケーションの工夫 航空機管制がもっぱら音声による指示によって飛行機の誘導をしているのを知ると、ぞっとする。便名の言い間違いであわや衝突というケースの発生は、まだ記憶に新しい。 繰り返すが、音声での指示は、相手が目の前にいるなら、ほとんど何も問題がない。いざとなれば、やってみせればよい(実演)。 問題は、相手が見えない時。携帯電話での作業指示を考えてみる。 まず、伝達の品質がそれほどよくない。聞き取れないこともある。聞き取れない時は、そのことをフィードバックするのであまり問題は起こらないのだが、聞き間違いが一番恐い。「”あ”げる」と「”さ”げる」の聞き間違えは、とんでもないことになりかねない。 おまけに、日本語は同音意義語が多い。ワープロでのかな漢字変換では誰しもが悩まされているはずである。 こうしたことに対処するには、「さしみ」の「さ」、「あさひるばん」の「あ」のような冗長表現を心がけることになる。 そして、もう一つは、双方向のコミュニケーションをくどいくらいにおこなうこと。聞き直し、復唱確認を、もし相手がしないなら、するように指示をしてでもやるのように徹底する。 ●情報を精選する 道を尋ねると、実に懇切ていねいに教えてもらうことがある。しかし、紙でも書いてくれるならともかく、口で一度にたくさんのことを教えられても、とても覚えられない。情報の精選が必要である。 そのためには、まずは、相手がどんな状況にいるかの配慮である。とりわけ、電話などをつかった間接コミュニケーションでは、くどいくらいに相手の状況がどうなっているかを知るように努力することが大事である。 その上で、言うことを3つくらいに整理する。これが難しい。電話なら、とりあえず3つの指示をしてから、それが終わったらまた電話をしてもらい、次の指示をするようなやり方もある。メモを用意させてから指示をすることもある。 一度にたくさんのことを指示するのは、聞き落としミスとなるので、厳禁である。 6ー3)わかりやすく指示する ●正確さとわかりやすさと 音声の指示を正確にすることについて考えてみた。それに加えて、わかりやすさも大事であるという話が、この節の本題である。 文書なら、読み返したり、ビジュアル表現に助けてもらって理解することができることでも、音声の間接指示では、それができない。 王道は、ファックスやメールを活用して、不備を補うことであるが、緊急の場合やそうした装置がなかったり操れなかったりすることがあるので、なんとか音声指示のほうで工夫することも必要である。それについて考えていくが、その前に、正確さとわかりやすさとの微妙な関係について一言。 伝えるべき情報を3つくらいに精選して伝えるとよいと述べた。ところがである。筆者が講演や授業で二人1組でよくやることがある。それは、簡単な絵を見せて、一人に「それを電話で相手に”一方的に”伝えて描かせる」とすれば、どのように説明するかという実習である。 これをやると困るのは、なかなか説明が終わらないことである。どうしても言い足りないことが残るらしい。しかし、相手のほうは、そんなにあれこれ言われても、かえって何が何やらわけがわからなってしまうのである。 人に説明する時は、できるだけ正確にしたい、との気持ちは誰にもある。 正確にするには、相手にできるだけたくさんの情報を与えればよいとの思い込みもある。正確さ中毒と呼んでいる。間違いではないが、精選しないまま一度にたくさんの情報を与えることは、わけがわからない状況を作り出してしまうのである。 どこかで説明をストップしなければならないのだが、正確さ志向が強いのでなかなかストップしないのである。どのあたりで説明をストップするかは、どのような状況で誰に説明するかについての配慮が必要となる。 図6ー2 正確さとわかりやすさとの微妙な関係 pptすみ ●冒頭説明を 音声による説明、指示をわかりやすくするにはどんな方策があるか。ミスとの関連する方策として、「冒頭説明」「メリハリ付け」「2W1H」の3つを紹介しておく。 図6ー2の冒頭に「冒頭説明」というのがある。先程のような説明実習をすると、ほとんど人がすることがもう一つある。それが、この冒頭説明である。 「全体はこんな絵です」「たとえると**のような絵です」というような説明を冒頭にするのである。 まずこれからすることの全体像を相手に持ってもらうのは、いくつもの利点がある。 まず第一に、一つ一つの情報を体系的に理解するための枠組が与えられることである。 頭の中に作られる地図のことを認知地図という。表象の一つである。文書地図とはあまり一致はしていないが、その場所に馴れてくると、自分が動き回るのには有効な情報が認知地図の中にはある。 冒頭説明には、「こんな認知地図をあらかじ頭の中に描いてくれると、これから話す内容が理解しやすくなります」という役割がある。理解の水先案内のようなものである。「先行オーガナイザー」と呼ばれている。 全体像の説明は、冒頭に言うことが必須であるが、長いプレゼンでは、随所で、「全体はこうで今はここ」という形で全体ー部分関係を言うこともあってよい。図にして示せればなお良い。 第二は、テーマに関連する知識をあらかじめ活性化できることである。 知識の活性化とは、いわば頭の準備体操である。長期記憶に貯蔵されている知識が使えるような状態にすることである。知識の活性化の方策には、連想したり予測したりといった認知的努力もあるが、たとえば、手帳のメモや時計など外的な仕掛けによるものもある。冒頭説明は、外的な仕掛けの有力な一つである。 第三は、仕事の指示などの冒頭説明は、仕事の精度を高めることができることである。 これも講演などでよくやるのだが、次のような簡単な指示をして絵を描いてもらう。 「長方形を描いてください。その上に台形を描いてください」 簡単な指示なので皆が同じ絵を描いてくれると思うが、そうではない。「その上に」の解釈が3つあるので、描く絵も異なってくる。 例6ー1 「長方形を描いてください。その上に台形を描いてください」と言うと この指示の前に一言「家の絵を描きます」の冒頭説明を入れると、皆同じ絵を描いてくれる。 冒頭説明がこれからする作業の世界を狭めてくれたのである。 なお、音声による説明ではわかりやすさも大事ということを誰も肌で知っていて、こうした冒頭説明をするのではないかと思う。不思議なことに、文書でも、こうした冒頭説明はまったく同じ理由で大事なのだが、省略されてしまうことがある。これも、文書なら、わからないければ読み返してくれるから大丈夫という気持ちがあるように思う。 ●メリハリをつけて 音声による説明、指示をわかりやすくする2つ目の方策は、メリハリづけである。 メリハリとは減り張りと書く。大事なところは張り(目立たせる、強く)、大事でないところは減り(控えめに、弱く)という簡単な話である。 しかも、音声表現は、文書表現とは異なり、大事なことを言う時は自然に声が大きくなる。したがって、あえてメリハリ表現を、という必要のないのでだが、実は、ある。 音声での説明や指示では、表現が平板になりがちなのである。文書を読みあげる人さえいる。聴衆がいるからである。あがって失敗する(言い忘れる)のを防ぐためであろうが、せっかくの対面コミュニケーション状況でのメリットを、これでは逸してしまう。 言いたいことをあらかじめ精選したら、せいぜいメモ程度にしてーー筆者があいさつでよくやるのは手のひらメモーー、 1)言いたいことの全体像を言う。 2)言いたいことはいくつあって、どれくらいの長さの話になるかを言う 3)一つ目はーーー、2つ目はーーーー、三つ目はーーー(三つまでが限界)。 4)最後にまとめる だいたいこの4つくらいに留意すれば、メリハリ説明、指示になる。 もちろん、この間、間合いやイントネーションなどのパラ言語と、ジェスチャーを適度に使う。これがメリハリ表現には必須である。過度に使うと一人芝居になってしまうが、適度になら、効果的である。 なおもう一つ、メリハリづけの極め付けを一つ。それは、メタ認知ならぬ、メタ表現を使うことである。 メタ表現とは、「ここは大事なところなので、よく聞いて下さい」「これは絶対に忘れないように」「ここはざっと聞き流しておいてください」などといった表現である。内容そのものではなく、その重要さを言うことで、聴衆の情報処理の深浅をガイドするのである。 ●2W1Hで 最後に、わかりやすさを作り込む内容的な方策として2w1Hについて述べる。 内容をわかりやすくするについては、大小とりまぜて、これ以外にもまだまだいろいろある。たとえば、用語一つにしても、 ・専門用語は相手がわからない恐れがある時は使わない ・漢語は同音語が多いので要注意 ・和語を使う といったような配慮が必要である。 また、1フレーズの表現に関しても、 ・1文1義にする ・理解の鍵となるキーフレーズを入れる ・たとえを使う ・具体的なイメージがわくように、具体例を入れる ・事実と意見をわける などなど。 ここでは、作業現場での指示において特に大事な、2W1H説明について述べておく。 2W1Hとは、何を(what)、どのように(how)、そしてなぜ(why)である。 ・危ないです(what)。左に寄って下さい(how)。車が通りま す(why)」 ・線路を交換します(what)。老朽化したためです(why)。ox 工法で やります(how)」 いつも2W1Hが必要というわけではない。自明なものがあるときは、それは省略して、簡潔に表現する。 ただ、この中で忘れられがち、あるいは省略されがちなのは、why説明である。 why説明には、原因説明と意義(理由)説明とがある。 原因説明は、老朽化が原因で線路交換をするというような説明である。 意義説明とは、原因説明とは逆にそれをするのは、それによって起こること、達成できることを言うような説明である。左に寄ってもらうのは車を通すためといような説明である。 原因も不明、意義も不明なままに仕事をするのはまずい。誰もそのことを説明してくれなければ、自分なりにwhy説明をつくり出すこともあってよい。人はwhyを知りたがる動物なのである。 ヒヤリハットの心理 (7) 「間接指示には誤りが入りやすいので要注意」 事例「指示が何人も経ている内に、内容が変わってしまいヒヤリハット」 1イラスト 2最初の人が、電話で「D1のスイッチを下げるように」指示。携帯でそれを受けた人が、現場の作業員に、「B1のバルブを上げるように」と指示してしまい、圧力が急上昇 ●解説 伝言ゲームは御存じだと思います。何人か並んでいるところで、端から順に短いメッセージを次々と伝言していくと、最後には、最初とはまったく異なるメッセージが出てきてしまう遊びです。遊びならどうということはありませんが、仕事の現場で、こんなことになったら大変です。 なぜこんなことになるかというと、一つには、音声言語の信頼性が低いことを挙げることができます。「DとB」「上げると下げる」「1と8」のように同音、類似音間の聞き間違えがその典型です。 2つには、誤解です。指示内容が現場の状況と整合しなかったりすると、解釈できる手がかりだけに基づいて「自分なりに」意味のあるメッセージにしてしまいがちです。そこに誤解が入り込むことになります。 3つには、単線型の一方向性のメッセージの流れです。誰かひとりが伝言を次に回すのを忘れたり、あるいは、誤ってしまうと、もはや最初のメッセージを回復することはできません。階層的な組織での命令的な伝達では、とりわけこういうことがおこりがちです。 ●類似ケース」 ○団地の電話による連絡網で、「11日ペットボトル回収日」が通知されたが、最後は、「17日、空き缶回収日」になってしまった。 ○いつもと違う指示だったが、指示通りにやったら、直後に指示の誤りだったことが伝えられた。 ●対策「間接指示を確実なものにするには、どうしたらよいのでしょうか?」 間接メッセージ伝言事態での誤りの発生について挙げた後者の2つの原因に対応した対策について考えてみます。 まず、こうした場面での誤解をどうさけるかです。指示を受け取る人には、忘れないうちに速く正確に相手に伝えなくてはというプレッシャーがかかります。ちょっと不明なことがあっても、自分なりに解釈をして相手に指示を伝達してしまいがちです。 しかも、指示を受ける人はもっぱら「伝達する」役割に徹してしまいがちです。「心理的にも」一方向のコミュニケーション態勢になってしまいがちです。 現場が近いなら自ら足を運んで、間接指示をしないですむようにすることが基本です。 どうしても間接指示にならざるをえないときは、受け手が誤解を訂正し、双方向コミュニケーション態勢になるように、次のようなことに留意することです。 ・指示ではなく対話する気持ちで ・音声よりできるだけメモで ・復唱による確認 ・疑問や意見は臆せず恥ずかしがらずに口に出す/出せる ・指示の発信源に戻って確認する チェック「あなたの”誤解のしやすさの程度”は?」******** あなたにあてはまるときは”3”を、あてはまらないときは”1”の3段階で判定してください。 1)即断即決をするほう( ) 2)よく人違いや勘違いをする( ) 3)わけがわからない状態には耐えられない( ) 4)いつも自分なりの解釈を大切にする( ) 5)人から頑固と言われる( ) *10点以上なら、思い込みをしやすいほうです。
greenの気になっていた『ミスに強くなる』本の説明内容が大まかに聞けたようで、ありがとうございます*
内省、反省する所が沢山ありました。まとめて言えば、ホウロンソウはのやり過ぎ;というか、「メリハリ付けの無さ」だったかと。休職に入る前のお電話で不調を伝えた際にそれがどんな、どれだけ長引くのか、、なので今後の仕事にどんな影響が及ぶのか、… などを伝えた結果 「うん休みはいいんだけど、で、どうなのかな?仕事を続けたい気持ちがあるかどうなのか、そのへんが上手く伝わってこなかった気がするんだけど…(苦笑い)」と言われ、思ったこと「お休みがこうして頂けてたのだから、その間様子を見てみて検査も予定してありますし、"このまま辞めてしまうのは勿体ない事だと思う。出来ればもう1度復帰してみたい。そしてもし病状が悪化してやれない!と感じたら私も好きなお店に迷惑をかける事が一番嫌なので、自分で出来ないと感じたら辞めます!でももぅ一度だけ、やってみたいと思う…"」 と伝えました店長に。持病の事をよく伝えたのは、やはりNGだっかと。私が初めて勤めた会社で散々突発的発作=仮病なのでは?本当に通院しているなら
どこかで
挨拶を喜んでいる人がいます
そのひとりのために
挨拶してみましょう
こんな話をきいたことがあります
重い病でだれも相手にしてもらえなかった少女
が
毎朝病棟そうじのおばさんが
帚でユーモラスにノックをして挨拶
その少女に笑顔がもどりやがては立派な女性に
さう
ミス・サリバン
ヘレン・ケラーを育てたあのサリバン先生ださうです
話のソースをしっかり確かめてませんが……
挨拶
きっと
どこかに届いてるはず(*^-^)b