思考停止はまずい
2009-08-07 | 教育
思考停止はまずい
政治の世界は、唯一の答のない究極の世界と言えるかもしれません。そんな世界とはつきあいきれないと考える若者が多いようです。
たとえば、2003年の衆議院選挙の投票率をみると、
20代前半が最低で32.5%、
20代後半が43.9%、以後、ずっと上昇し続けて70代前半の82.1%が最高になります。
ちなみに、このときの全体の投票率は、59.86%です。
若者世代の投票率の低さが際立っています。
「投票率の低さは、「政治家におまかせして安心」というあかし」と豪語していた政治家がいました。本当にそうでしょうか。
むしろ、「唯一の答のない問題」をあれこれと考える面倒を避けたいという気持ちが低投票率に反映しているように思えてなりません。
確かに、思考放棄、判断停止(エポケ)は、こうした面倒を避ける消極的な解決策の一つです。「下手な考え休むに似たり」です。
しかし、こうした傾向が続くと危険です。愚民政治への道まっしぐらとなります。
逆に、一見すると積極的な解決策のようにみえるのが、固定観念(「ステレオタイプ」)や疑似信念(信念ほどの正当性がない、単なる思い込みに近い固定した考え)による解決です。
あれこれ考える面倒を避けて、すべてを唯一の固定化した視点からしか考えないというものです。「選挙になれば、なにがなんでも○○党に」というようなものです。
これもタイプは違いますが、思考停止です。若者より、むしろ高齢者のほうに多いのが、このタイプです。でも、「あれこれ考えるのが面倒から」、このタイプまでの距離は意外に近いのです。
こうしたことにならないために、唯一の答のない問題で、深い思考、柔軟な思考をトレーニングするのです。