<船井幸雄.comより記事転載>
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「私の見る世界経済の実態」
船井幸雄
以前、このホームページ上で予告しましたので、きょうは私の経済観を書きます。
ここ10年でということですが、2000年に比べますと、日本の株価は半額くらいに下りました。
不動産も、給料などの収入もじりじりと下っています。
物価もすこしずつですが下っています。日本はこのように見ますと完全なデフレで、かつて世界第2位の経済大国で、1人当りGDPもトップクラスだったのがウソのようです。
その中で金(ゴールド)だけが5倍くらいになりました。10年前は1トロイオンスが250ドル強でしたが、いまは1,250ドル以上になりました。おもしろいものですね。
私はいま為替や株、商品相場などとは、一切無縁になってしまいました。このような汗水を流さない金融ゲームにつきましては、2007年来は個人としては完全にやめたからです。
しかし、というよりだからこそでしょうが、世界の経済情勢は、あんがいよく分ります。
それは各国の通貨発行額や財政状況を、さっと見るだけでも大体把めます。
いま、ギリシャが大変だ。スペイン、ポルトガル、イタリアなども大変だと思います。実際に国家破綻しそうな状況です。
ともにEU加盟国ですから、それらの破綻を回避するために、ユーロ圏として90兆円の基金を準備したから大丈夫だ…と一般には信じられています。
しかし本当は90兆円を保証する財源なんてユーロ圏にはないはずです。
ということは2-3年先に、ユーロ圏もEUも、変にならざるをえないということになりそうです。
もっと分りやすく言いますと、世界のGDPは約5,000兆円です。それに対していまは3-5倍のお金が金融市場で動いています。
本来はGDP5,000兆円なら、金融マーケットで5,000兆円前後以上動かさないのが安全ですが、2京円くらいは動いています。1京円こえると危険です。
それ以外にデリバティブという、どうにもならない損失になったはずのお金が5京円以上はあるはずで、やがて表に出てくるでしょう。
ということは、その時に「資本主義はつぶれざるを得ない」ということになります。
各国の中央銀行が紙幣をどうして刷りまくらねばならないか…も、このように考えるとよく分りますね。
しかし、これは一時しのぎで、何ら根元的原因の解決にはなりません。
G8やG20で、政治家たちが、どんなことを言っても、マクロには、金融恐慌に去年から世界は入ってしまいました。やがて産業恐慌になり、生活恐慌になり、2020年ごろまでに常識的には、資本主義が変質し、世の中は様変わりを避けられないでしょう。
いま、このようなマクロの見方のできる人は、日本人では朝倉慶さん、副島隆彦さん、ベンジャミン・フルフォードさんなどです。それに藤原直哉さん、松藤民輔さんらです。
彼らの著書やホームページにできればぜひ御注目ください。
みんな若いし、現役です。少しずつ観方はちがいますが、大局は見事に把んできる人たちです。
私のように達観したことを言わないので、希望を持って勉強してください。
『ザ・フナイ』や私のこのホームページの朝倉さんの解説など、いつもぜひお読みください。そうしますと中国ブームと浮かれるのも、こわくなります。また世界的に超インフレの可能性も大ありです。
いずれにしても、いまのままで行くとは思えません。常識的にはびっくりするような変化が近々来るでしょう。
それに、いまは日本とスイスがもっとも安全です。
良心に従って正しく生きてください。
=以上=
<転載終わり>
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船井氏が言われる通り、日本がデフレに陥っていることは誰でも実感していると思います。
7月17日に梅雨明けしてから、日本列島は猛暑となっていますが、私の部屋は冷暖房機が一切ありませんので、10年間夏も冬も我慢して乗り切ってきましたが、この夏はあまりに暑いので、扇風機を買うことにしました。
先週の日曜日に近所のコーナンというホームセンターに行きますと、なんと1,480円の扇風機が売っていました。1,480円? 一瞬目を疑いました。この値段ならすぐに壊れてしまうだろうと思いながら、ダメもとで買ってきましたが、結構普通の機能もあり、全く問題ありません。毎月払う携帯電話が7,000円くらいですから、1,480円は破格です。びっくりです。
この扇風機はコーナンのプライベートブランドで、中国製です。一昨日の中矢伸一氏とヤスの備忘録の高島康司氏のセミナーで、ヤスさんが言われてましたが、アメリカ資本と中国の安い労働力が生産する超破格の製品がこれから世界を席捲するとのことです。
中国の安い労働力から生産される製品とは、例えば40インチ液晶テレビが6,000円、パソコンが1万円、自動車が10万円など、およそ想像もできない価格です。このような破格の製品がもうすぐ日本にもやってきます。扇風機などは、既に1,480円で上陸しています。
このようなグローバル生産システムから作られる製品が、怒涛のように日本に押し寄せるそうです。単にユーザという観点から見れば、安くてありがたいことでしょうが、日本の製造業は軒並み潰れてしまうことになるでしょう。そして、そこに勤務している人は路頭に迷うことになってしまいます。
ただ、船井氏はこれからインフレになると言われていますので、この異常に安い商品群が続くのも、あと半年、1年くらいだということのようです。朝倉慶氏や副島隆彦氏、藤原直哉氏は3年前からこのように警鐘を鳴らしておられます。
つまり、今が一番モノが安い時だということです。これからは、何かのきっかけで一気に価格は上がっていくかも知れません。それが、第2リーマンのような経済事件なのか、戦争か、天変地異なのかは分かりませんが、何かがそのトリガーになるようです。
地デジなど今後必要になる電気製品などは、今買っておくのがベストのようです。これだけデフレの中に居ると、インフレになることなど想像ができなくなっていますが、いずれ来るインフレに備えることも大事かと思います。私が子供のころは、インフレ気味でしたから、毎月、毎年モノの価格が上がっていきました。父の給料が2万円だったことを覚えています。アイスクリームが10円でしたし、もんじゃも10円です。コロッケが5円、イカのてんぷらが10円でした。それが、20年くらいの間に10倍くらいに値上がりしてしまいました。
そのころは、デフレが来るなどということは、想像することすらできませんでした。学校でデフレーションについて学びましたが、全く実感が湧きませんでした。
そう思うと、これからインフレになるということも、ありえる話しです。1ヶ月くらい前に読んだ朝倉氏の「裏読み日本経済」にこれから来るインフレについて詳しく書かれていますので、研究するのもよいと思います。
備えあれば、憂いなしです。
●船井幸雄.com
http://www.funaiyukio.com/funa_ima/
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「私の見る世界経済の実態」
船井幸雄
以前、このホームページ上で予告しましたので、きょうは私の経済観を書きます。
ここ10年でということですが、2000年に比べますと、日本の株価は半額くらいに下りました。
不動産も、給料などの収入もじりじりと下っています。
物価もすこしずつですが下っています。日本はこのように見ますと完全なデフレで、かつて世界第2位の経済大国で、1人当りGDPもトップクラスだったのがウソのようです。
その中で金(ゴールド)だけが5倍くらいになりました。10年前は1トロイオンスが250ドル強でしたが、いまは1,250ドル以上になりました。おもしろいものですね。
私はいま為替や株、商品相場などとは、一切無縁になってしまいました。このような汗水を流さない金融ゲームにつきましては、2007年来は個人としては完全にやめたからです。
しかし、というよりだからこそでしょうが、世界の経済情勢は、あんがいよく分ります。
それは各国の通貨発行額や財政状況を、さっと見るだけでも大体把めます。
いま、ギリシャが大変だ。スペイン、ポルトガル、イタリアなども大変だと思います。実際に国家破綻しそうな状況です。
ともにEU加盟国ですから、それらの破綻を回避するために、ユーロ圏として90兆円の基金を準備したから大丈夫だ…と一般には信じられています。
しかし本当は90兆円を保証する財源なんてユーロ圏にはないはずです。
ということは2-3年先に、ユーロ圏もEUも、変にならざるをえないということになりそうです。
もっと分りやすく言いますと、世界のGDPは約5,000兆円です。それに対していまは3-5倍のお金が金融市場で動いています。
本来はGDP5,000兆円なら、金融マーケットで5,000兆円前後以上動かさないのが安全ですが、2京円くらいは動いています。1京円こえると危険です。
それ以外にデリバティブという、どうにもならない損失になったはずのお金が5京円以上はあるはずで、やがて表に出てくるでしょう。
ということは、その時に「資本主義はつぶれざるを得ない」ということになります。
各国の中央銀行が紙幣をどうして刷りまくらねばならないか…も、このように考えるとよく分りますね。
しかし、これは一時しのぎで、何ら根元的原因の解決にはなりません。
G8やG20で、政治家たちが、どんなことを言っても、マクロには、金融恐慌に去年から世界は入ってしまいました。やがて産業恐慌になり、生活恐慌になり、2020年ごろまでに常識的には、資本主義が変質し、世の中は様変わりを避けられないでしょう。
いま、このようなマクロの見方のできる人は、日本人では朝倉慶さん、副島隆彦さん、ベンジャミン・フルフォードさんなどです。それに藤原直哉さん、松藤民輔さんらです。
彼らの著書やホームページにできればぜひ御注目ください。
みんな若いし、現役です。少しずつ観方はちがいますが、大局は見事に把んできる人たちです。
私のように達観したことを言わないので、希望を持って勉強してください。
『ザ・フナイ』や私のこのホームページの朝倉さんの解説など、いつもぜひお読みください。そうしますと中国ブームと浮かれるのも、こわくなります。また世界的に超インフレの可能性も大ありです。
いずれにしても、いまのままで行くとは思えません。常識的にはびっくりするような変化が近々来るでしょう。
それに、いまは日本とスイスがもっとも安全です。
良心に従って正しく生きてください。
=以上=
<転載終わり>
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船井氏が言われる通り、日本がデフレに陥っていることは誰でも実感していると思います。
7月17日に梅雨明けしてから、日本列島は猛暑となっていますが、私の部屋は冷暖房機が一切ありませんので、10年間夏も冬も我慢して乗り切ってきましたが、この夏はあまりに暑いので、扇風機を買うことにしました。
先週の日曜日に近所のコーナンというホームセンターに行きますと、なんと1,480円の扇風機が売っていました。1,480円? 一瞬目を疑いました。この値段ならすぐに壊れてしまうだろうと思いながら、ダメもとで買ってきましたが、結構普通の機能もあり、全く問題ありません。毎月払う携帯電話が7,000円くらいですから、1,480円は破格です。びっくりです。
この扇風機はコーナンのプライベートブランドで、中国製です。一昨日の中矢伸一氏とヤスの備忘録の高島康司氏のセミナーで、ヤスさんが言われてましたが、アメリカ資本と中国の安い労働力が生産する超破格の製品がこれから世界を席捲するとのことです。
中国の安い労働力から生産される製品とは、例えば40インチ液晶テレビが6,000円、パソコンが1万円、自動車が10万円など、およそ想像もできない価格です。このような破格の製品がもうすぐ日本にもやってきます。扇風機などは、既に1,480円で上陸しています。
このようなグローバル生産システムから作られる製品が、怒涛のように日本に押し寄せるそうです。単にユーザという観点から見れば、安くてありがたいことでしょうが、日本の製造業は軒並み潰れてしまうことになるでしょう。そして、そこに勤務している人は路頭に迷うことになってしまいます。
ただ、船井氏はこれからインフレになると言われていますので、この異常に安い商品群が続くのも、あと半年、1年くらいだということのようです。朝倉慶氏や副島隆彦氏、藤原直哉氏は3年前からこのように警鐘を鳴らしておられます。
つまり、今が一番モノが安い時だということです。これからは、何かのきっかけで一気に価格は上がっていくかも知れません。それが、第2リーマンのような経済事件なのか、戦争か、天変地異なのかは分かりませんが、何かがそのトリガーになるようです。
地デジなど今後必要になる電気製品などは、今買っておくのがベストのようです。これだけデフレの中に居ると、インフレになることなど想像ができなくなっていますが、いずれ来るインフレに備えることも大事かと思います。私が子供のころは、インフレ気味でしたから、毎月、毎年モノの価格が上がっていきました。父の給料が2万円だったことを覚えています。アイスクリームが10円でしたし、もんじゃも10円です。コロッケが5円、イカのてんぷらが10円でした。それが、20年くらいの間に10倍くらいに値上がりしてしまいました。
そのころは、デフレが来るなどということは、想像することすらできませんでした。学校でデフレーションについて学びましたが、全く実感が湧きませんでした。
そう思うと、これからインフレになるということも、ありえる話しです。1ヶ月くらい前に読んだ朝倉氏の「裏読み日本経済」にこれから来るインフレについて詳しく書かれていますので、研究するのもよいと思います。
備えあれば、憂いなしです。
●船井幸雄.com
http://www.funaiyukio.com/funa_ima/