ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

フランス視察~SPLリヨン・コンフュランス再開発事務所~

2015-11-16 23:39:44 | 日記
次に「SPLリヨン・コンフュランス再開発事務所」でコンフュランス地区の再開発に至る歴史的経緯や再開発の現状と課題などについてお話をお伺いしました。

コンフュランス地区はソーヌ川とローヌ川に挟まれた約100万㎡のエリアで、駅や高速道路建設で街が分断された南側の地域にあたる。

かつては工業地域であり、刑務所やと殺場などがあり環境のよくない地域となっていたため、工業の不振もあり1990年代から再開発が計画され、リオンメトロポールの第三セクターSPLが事業主体となって2005年に本格的に開始された。

2005年~2015年が第1期、2015年から2025年が第2期で計画が進められている。

街の中心部をもう1つ作る目的で、新築だけでなくもともとあった建物を残して開発を行なっており、刑務所は2009年から2年かけて改築してリヨンカトリック大学が入居したり、砂糖倉庫はビエンナーレ会場になるなどしている。

また、自然景観を守り、街中の快適空間を維持することも目的としており、WWFと提携して果物や野菜を作る庭を作ったり、高い建物に巣箱を設置したり、土地売却の前に土壌改良をしたりするなど環境改善を行なっており、トンボやビーバーなどが戻ってきている。

EU環境政策20-20-20も踏まえて省エネにも取り組んでおり、NEDOが支援し東芝が中心となっている「リヨンスマートコミュニティ事業」などが行なわれている。

開発が進むにつれて市民の目が向いてきており、地域内のマンションは5,000~6,000ユーロ/㎡で分譲されている。

また、地域内にはリオンメトロポールが建設した低所得者向け公営住宅が国内の基準(20%)以上の25%ある、

といったお話でした。

SPL(リヨン開発公社)の方に直接お伺いすることができなかったため、SPLの組織概要や再開発事業の手法や財源確保などは調査できませんでしたが、事業の概要はよくわかりました。

既存建物のリノベーションを中心に環境や自然環境にも配慮して取り組みが進められており、特にWWFと提携しているのは印象的でした。

既存建物の活用はコスト削減や景観保護にも繋がると考えられることから、神戸の都

心再整備にあたってもこのようなコンセプトを取り入れていくべきではないでしょうか。