7月3日の私の一般質問の質問と答弁の主な内容は以下の通りです。
1.特別自治市と二重行政解消について
Q: 神戸市では新たな大都市制度「特別自治市」の実現を求めているが、実現する必要性と実現に向けた決意は?
A:現行の指定都市制度は今日の指定都市が直面する諸課題に十分に対応できる制度とはなっていない。
指定都市の役割を果たすため「特別自治市」制度の創設が不可欠。
「特別自治市」の実現に向けた法整備について、指定都市市長会とも連携し、さらに積極的に国への提案などを実施したい。
また、国や県からの権限の移譲及びそれに伴う税財源の移譲についても積極的に働きかけていきたい。
Q:地方自治法の改正により来年度から県と市の間で調整会議の設置が義務化されるが、構成員や開催頻度は?
A:神戸市と兵庫県の間では、昭和54年に「兵庫県・神戸市政策調整会議」を設置し、年に1回定期的に知事との間で率直な意見交換を行ない、率直で有益な意見交換ができているが、現在行っているこの会議との関係を整理する必要がある。そのためには、何を協議すべきかということから、検討する必要がある。この調整会議がより実りのある会議となるよう、県ともよく調整していきたい。
2.市役所組織の活性化に向けた取り組みについて
Q:これまでの組織の活性化に向けた取り組みの成果と今後の課題は?
A:職員アンケートを取り、プロジェクトチームを立ち上げ、見直しを進めてきた。
これまでに予算編成方法見直し、人事制度見直し、民間企業への職員派遣といった研修の強化、イントラネットのリニューアルなどを行った。
今後も、女性職員の活躍を支援する取り組みや、ICTのさらなる活用などについて、重点的に取り組んでいきたい。
Q:地方公務員にも平成28年4月から人事評価制度の導入が義務化されるが、本格導入に向けてどのような課題があるか、また人事評価制度をどのように活用していくか?
A:人事評価制度の周知・研修を継続し、評価者のレベルアップも図っていきたい。
また、給与等への活用のあり方について、国や他都市の例も研究しながら、職員の意欲が向上し、能力向上・能力発揮を促すようなものになるように、十分検討していきたい。
3.公共交通のあり方について
Q:神戸市では公共交通課を新設したが、市長の目指す公共交通のあり方は?
A:公共交通の現状や人口・高齢化の動向などを調査して、地域公共交通網形成計画を策定し、その中で市の公共交通の将来像を示したい。
そのうえで、まずは、鉄道を基幹として路線バスなどで補完する公共交通ネットワークの維持・充実を図る。市街地の山麓部や市街化調整区域など公共交通のサービスが十分でない地域では、交通弱者の買い物や通院等の生活交通を支援する、地域にふさわしい公共交通の導入について検討を加えていきたい。
また、多様な個人の移動ニーズに対応し、市民の活発な行動を促すため、カーシェアリングやICTを活用したオンデマンド交通や、また、LRT・BRTなど新たな交通手段の導入可能性も検討していく。
さらに、都心部においては現在策定中の都心のビジョンや三宮再整備構想を踏まえて、歩く人が中心のまちとなるよう、歩行者と公共交通を優先した都市空間への再編を検討している。
様々な交通施策を一体的に推進していきたい。
Q:採算性も重要だが、場合によっては公費を投入して地域交通を守っていく取り組みが必要では?
A:租税負担も含めて公共投資に振り分けられる公費は、どのような場合に入れるのか議論を行う必要がある。そのような前提で、神戸市も人口が減少し、高齢者にとって優しい移動手段を考えていかなければならない。なかなか事業採算性が採りにくい地域がある等のことを考えると、目的を明確にしたうえで、公費投入を検討する必要がある。
Q:利便性の高い公共交通機関を整備するためには、ハード面だけではなく、料金面などソフト面の整備も重要と考えるがどうか?
A:運賃体系の一元化などソフト面での整備も重要。「ゾーン内均一料金制度」のような制度の導入が可能であるか、積極的に検討していきたい。
4.総合的な視点での政策形成について
Q:これからは都市のグレードや生活の質を高め、経済成長だけではない総合的な政策の方向性が求められており、市の総合力の向上を図るため、総合的な指標による政策判断が必要ではないかと考えるがどうか?
A:神戸2020ビジョンの策定を進めているが、重点的・優先的に取り組む項目を設定し、それに応じた市民に分かりやすい目標となる指標の設定し、この指標に基づきPDCAに取り組んでいきたい。
今後、有識者検討会議や市民、議会の皆様の意見をお伺いしながら、総合的な視点での政策形成を図っていきたい。
5.健康寿命を延ばすための取り組みについて
Q:科学的かつ効率的なアプローチにより、健康寿命の延伸に取り組んでいくべきと考えるがどうか?
A:国保のレセプトや健康情報等のデータ分析に基づくデータヘルス事業として、慢性腎臓病の重症化予防等の生活習慣病対策に取り組んでいる。
今後もエビデンスの蓄積をして、このような事業を積極的に進め、国保事業を含め科学的効率的なアプローチをし、健康寿命を伸ばせるように取り組みを進めていきたい。
なお、一般質問の模様は神戸市会のホームページから録画放送で見ることができます。
※神戸市会ホームページ→インターネット中継→本会議→録画中継・開催日で選ぶ→平成27年第2回定例市会→【6月議会】一般質問(7月3日)
http://www.kensakusystem.jp/kobeshikai/index.html