ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

海外視察@オランダ その5

2014-02-22 22:59:46 | 日記
5日は、食品と栄養物研究の拠点「フードバレー」の中心、ワーゲニンゲン大学を視察し、「未来レストラン」という食堂で昼食もいただきました。

「未来のレストラン」はセルフサービス形式の食堂で、誰が何を食べたか、摂取カロリーはいくらか、といったことがすべてデータ化される。

また、食堂内にはビデオカメラが設置され、トレイにはセンサーが付いており、誰がどんなルートでどれくらいの時間をかけて食べ物を選んだか、といったこともデータ化される。

それらによって、例えば、
塩分の少なめの食品だと食べる人が少なくなるか、
塩分控えめのパンを出すと塩分の多いハムなどを食べる人が多くなるか、
料理の説明書きがあると食べる人が多くなるか、
といったことが調査される。

この食堂はいわば「実験場」でもある。

他にも食品のテイスティング調査をするラボがあり、そこでは味・におい・見た目と実際の味の違いなどをテストする。

例えば55歳以上の方にテストをしてもらい、年齢により味覚が衰えてもどのようなものがおいしく感じるか、といったことが調査される。

これらは、企業の新製品開発や大学での「どういうプロセスで正確な結果が出せるか」等の研究調査に活かされる、

といったお話でした。

本当は「フードバレー」の概要などについてお聞きしたかったのですが、説明ができる方とアポが取れず研究内容中心のお話になりました。
しかし、大変興味深く聞かせていただきました。
神戸にも、スイーツなど多くの食品関連産業、北区や西区の農業、ポートアイランドの医療産業があります。
「フードバレー」を参考に、例えば「ポートアイランド」や農業振興拠点として再編される「フルーツフラワーパーク」に調査研究拠点を設けるなどし、これら食品関連産業と農業、医療産業等の連携や調査研究の促進も進めていくべきではないでしょうか。


「未来のレストラン」内の様子


「未来のレストラン」内の様子が映し出されたモニター。別室でビデオカメラでの撮影状況が確認されている。


私が選んだ昼食のメニュー


食品のテイスティング調査をするラボ

海外視察@オランダ その4

2014-02-08 21:34:19 | 日記
その後、ウェースプへ移動し、認知症施設「HOGEWEY」を視察しました。

認知症の方が暮らす施設ですが、住宅だけでなくスーパーやカフェ、美容室などがあり「街」のようになっている。
また、住宅は7つのスタイルが用意されており、本人または家族が好きなスタイルを選ぶ。
さらには、全員同じの画一的な食事や活動をするのではなく、自分で選ぶようになっている。

敷地面積は約15,000㎡、建物の延べ床面積は約10,000㎡。

現在、152人の方が23の小規模グループに分かれて、キリスト教的や職業人的などそれぞれ独自のライフスタイルで生活している。
例えば、ハイソサエティのグループは、生け花を活けたり、食事にワインの提供があったりする。
また、映画や音楽など毎日さまざまなアクティビティが用意されている。

このように、ライフスタイルやアクティビティを自分で選べるのがユニークで人気がある。

6~7人のグループに1人の介護士がつき、4住宅に1人の看護師がついている。
医師も24時間最低1人は常駐しており、中には精神科医もいる。
また、約250人のボランティアが朝・昼・夜のシフトで勤務し、お世話をしている。

国から1病床につき130ユーロ/日が支払われる。
アクティビティなどエクストラは個人負担。
平均週6~8のアクティビティに参加し、200ユーロ/月くらい支払っている人が多い。

オランダでは介護の等級が1から10の10段階で設けられており、この施設には5等級以上の人が入居している。

多くの入居者に、投薬やおむつの量が以前より少なくて済むようになったり、精神的に安定して認知症の進行が抑えられるといった改善点がみられる、

といったお話でした。

この施設は画期的で、世界的にも注目を集めています。
住む人が主人公で、本人のチョイス、自由さを重視していると言っていたのが印象的でした。
新しいスタイルで、オランダ国内には成果等に慎重な見方もあるようですが、日本でもまずは食事や活動メニューを自分で選ぶ、といったことから始められないでしょうか。


施設内のスーパー


カフェ


音楽ホール


住居棟


海外視察@オランダ その3

2014-02-06 21:43:30 | 日記
4日はまずアールスメールの花卸売市場「Flora Holland」を視察しました。

サッカー場200面の広さがあり、毎日2万種類の花が130万本取引されている。

5,000の組合員で構成される「生産者協同組合」がこの市場のオーナーだが、組合員以外も出品できる。

競りは値を下げていく方法。

毎日2,000人のバイヤーが来るが、オフィスでも取引ができるので来るバイヤーの数は減ってきている。

アフリカなどから持ち込まれるバラ等、バラの取引が多い。

市場は年間250日稼働し、年間約40億ユーロの売上がある。

市場には農林省の役人も3人常駐していて、輸出会社などで検査を行う。

輸出先で一番検疫が厳しいのは日本。

長い輸送に耐えられるように品種改良された新種の花がつぎつぎと出てくる、

といったお話でした。

広さ・数の多さだけでなく、次々と競りにかけられて仕分けされていくスピードに圧倒されました。
品質の高さと規格の画一さで、花は世界一の取引量になったとのことでした。
神戸も見習わないといけませんね。


競り会場


たくさんの花が所狭しと並ぶ


つぎつぎと仕分けされて運ばれていく