ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

地方自治体議員フォーラム その2

2012-05-31 23:57:01 | 日記
つぎに、日本総合研究所調査部主席研究員の藻谷浩介氏より「人口減少社会におけるまちづくり戦略」というテーマでお話がありました。

藻谷浩介氏は「デフレの正体」(角川書店)の著者で有名な方です。

日本は昨年31年ぶりに貿易赤字になったが、黒字化する方法は何でしょう?
貿易赤字なった原因は何でしょう?

一番やってはいけないのは、為替の円安誘導。
昨年「輸出」は減っていないが、「輸入」が増えたので赤字になった。
リーマンショックの時は、輸出が減少したが輸入も減少したので貿易赤字にならなかった。
円高で原油などが安く買えている状況にあるのに、円安誘導してはいけない。
これからは、大口利用者の電気代を上げるなど原油をできるだけ使わないように節電・省エネを進めるべき。

バブルの時期、日本の輸出額は41兆円だったが、昨年の輸出額は63兆円。
そのかわり、輸入も増え、原油が20兆円増えた。
輸入増の分は、下請けを切ったり従業員を切ったりするなど国内でコストダウンして吸収した。
20兆円、アラブにもっていかれたのだ。
対中国や対韓国は貿易黒字になっているので、中国や韓国に負けたのではない。
エネルギーの無駄遣いをやめて、最新の省エネ家電を買うべき!

また、アメリカやインド、ヨーロッパの多くの国に対しても貿易黒字だが、逆なのがスイス。
日本は時計、つまり手作りのローテクを買って貿易赤字になっている。
ハイテクの正反対!
ハイテクをしたら競争力がアップするわけではない。
ハイテクは追いつかれるだけ。
同様なのが、フランス。
日本はワインを買って貿易赤字になっている。
ヨーロッパにもハイテクでは勝っているが、ハイブランドで負けている。

日本では数字を見てから物事を語る習慣がない。
事実を語るべき!

日本では、輸出は増やしているが、国内では物が売れていない。
輸出増で個人所得が増えたが、使わずにためている。
小泉内閣の頃から現役世代の数が減ってきたので、景気が良くなってきても国内販売はよくならない。
労働生産人口(15~64歳)のピークは、12年前の1995年であって、バブル期ではない。
高齢化率などは関係ない。
輸出は1995年から急激に増えている。
国内で物が売れないのが問題なのだ。

首都圏ではこれから64歳以下の人口が大幅に減少し、64歳以上の人口が大幅に増加する。
なので、首都圏から交付金を地方にもっていけなくなる。
関西圏でも同様。

実は東アジアの中では、日本の出生率は高い。
中国もすぐに少子高齢化になる。

これからはまちをいかに「縮小」させていくかが大事。
無駄な上下水道工事などはやめるべき。
そして、子育て支援を充実させるべき!

といったお話でした。

藻谷氏は、講演の中で何度も、「私個人の見解を言っているのではなく、事実がこうなっていますと言っているのだ。」という趣旨のことを言っておられました。
数字を見る、事実を見る、というのは、情報があふれる現代社会の中でいろいろな意見などに惑わされず物事を理解するという意味でも重要だと思いました。
また、日本はこれからいかにダウンサイジングしながら発展していくか考えないといけないのかもしれません。
いろいろと考えさせられるお話でした。

お二方の講演のあとは懇親会があり、野田佳彦内閣総理大臣をはじめたくさんの国会議員の先生方が来られていました。
野田佳彦内閣総理大臣と握手していただき、ミーハーなってしまいました。

藻谷浩介日本総合研究所調査部主席研究員


野田佳彦内閣総理大臣


川端達夫総務大臣と

地方自治体議員フォーラム その1

2012-05-27 21:27:09 | 日記
5月8日~9日に、東京で民主党の地方自治体議員フォーラムがあり、参加してきました。

まず、輿石東幹事長・参議院議員会長が挨拶され、党を一致結束させて政治を安定化させ、国民生活を第一に、逃げずにぶれずに取り組んでいきたいとの話がありました。

つづいて、三菱総合研究所理事長で東京大学前総長の小宮山宏氏より「日本再創造~プラチナ社会の実現を目指して」というテーマでお話がありました。

まず、基本的な考え方として、この21世紀は20世紀と比べパラダイムシフトがおこっている。
つまり、①人間の知識が爆発的に増え、②地球は無限から有限になり(資源・食糧・水など)、③高齢化する社会になっている。

そのような21世紀において持つべき視点は、まず「人工物は飽和する」ということだ。
それにより、内需が不足し、アメリカやヨーロッパ・日本が悩んでいる。
例えば、自動車の人口当たりの保有台数は、アメリカやヨーロッパ・日本では0.5台、つまり2人に1人が持っている状態で飽和状態となっていて、廃車になる分しか売れなくなっている。
中国の飽和も早いと思われる。
例えば、セメント生産量はアメリカで人口一人あたりの投入量が約16トンになっているが、中国ではもう人口一人あたりの投入量が約16トンになっている。

次に、「化石資源から省エネ・新エネの時代へ」なってきているということだ。
石油・石炭・天然ガスを大量に消費する時代から、エネルギー効率を向上させる省エネやスマートグリッド、太陽光などの新エネルギーの時代に。
特に、省エネに最大のポテンシャルがある。
例えば、日本の自動車の燃費の技術をハイブリッドや燃料電池車・電気自動車に生かし世界を引っぱっていくべき。
また、100万kwの火力発電所を作りより、1kwの燃料電池を100万軒に導入すべき。
エネファームを利用することで、100万軒の給湯エネルギーがゼロになる。
そういったことで、日本発の巨大な省エネ市場を創出することができる。

さらには、「人類は長寿化している」ということだ。
2011年の70歳は1991年の59歳と肉体年齢が同じで健康な人口の割合が増えてきている。
80歳代で長期入院・介護が必要なのは2割であり、高齢者は体力は落ちるが知力は亡くなる2~3年前まで増していく。
徳島県上勝町の葉っぱビジネスのように、いかに社会参加してもらうか。
年金や介護をゼロサムの議論をしても仕方がない。
また、IT技術を活用して、健康診断・レセプト・介護などの情報を共有化し個別化予防と個別化医療を進めていくべき。

そういった21世紀における日本の戦略を考えると、今は「課題先進国」だが「課題解決先進国」を目指すべきではないか。
それを具体化するビジョンが「プラチナ社会」である。
21世紀前半に世界にモノや情報が行き渡ったときに私たちは何を欲するか、それを実現する社会が「プラチナ社会」。
プラチナ社会の必要条件は、エコロジカルで、資源の心配がなく、老若男女が参加し、人が心豊かに成長し続け、雇用がある社会。
規格化された社会から地域毎の多様化された社会が21世紀の社会モデルだ。

といったお話でした。

省エネ技術をどう生かし伸ばしていくか、高齢者をいかに元気で社会参加してもらうかは、エネルギーや少子高齢化などの問題解決の方向性の1つといえると思います。
また、将来の先行きの見えない今、小宮山さんの言われる「プラチナ社会」がいいかどうかは別にして、「課題解決先進国」を目指すというのはビジョンになりうるのではないでしょうか。


輿石東幹事長・参議院議員会長


小宮山宏三菱総合研究所理事長・東京大学前総長

社会保障と税の一体改革対話集会

2012-05-26 20:05:47 | 日記
4月28日、「社会保障と税の一体改革対話集会」に出席しました。

講師は、民主党税制調査会会長の藤井裕久衆議院議員でした。

政策を論ずるには、「川は源流にさかのぼれ!海は渡れ!」ということで、沿革や背景、海外の事例を交えたお話でした。

戦後欧米に追いつけ追い越せと取り組んできたが、昭和40年代前半にGNPでドイツ・フランス・イギリスを抜いた。

そこで、働くだけでなく個々の幸せも大事にしようということで、昭和40年代半ばに児童手当・老人医療無料化・年金物価スライドなど社会保障の充実が図られた。

しかし、社会保障は「しくみ」であって経済が悪化したら変えるというべきものではないから、安定性・公平性のために水田三喜男氏がヨーロッパから「付加価値税」という考え方をもってきた。

しかし、大平・中曽根内閣の時は、国民の理解が得られなかった。
それは、一般財源の穴埋めのためだったからだ。

その後、渡辺美智雄氏が全国を歩いたり、土光臨調が国鉄などの公社を民営化させるといった努力と成果もあって、竹下内閣のときに消費税が導入された。

その後、村山内閣で消費税の税率を3%から5%に引き上げた。

世界で約150カ国が付加価値税を導入しているが、完全目的税をやっている国はない。

しかし、消費税は医療・介護・年金・子育てのためだけに使う。

低所得の方々への対策として「軽減税率」があるが、
①軽減税率を適用してもらうため、必ず政官財の利権に結びつく
②軽減税率を適用する・適用しないの線引きラインをどこに引くか難しい
③納税のためインボイスにする必要があるが、特に中小企業にとって大変手間となる、
ので「給付付き税額控除」を提案している。

日清戦争のときに、「増税は悪税だがやらないといけないときがある」といわれた。
今、消費税を上げないといけないときだ。
消費税を上げないと金利が上がることになり、今の経済状況では銀行が損をすることになるが、銀行が日本経済の下支えをしているので、そうなってはいけない。

軽減税率は、諸外国では税率を20%台に上げてから導入している。
日本でも将来的には検討すべき時期が来るかもしれない。

また、諸外国では経済が安定または不景気のときに税率を上げている。
インフレのときのやると、便乗値上げがおこる。

ただし、「住宅」については何らかの対策を検討しないといけない。

今は「デフレ」ではない。
物価下落率0~1%程度で、デフレとはいわない。
ただし、実体経済と金融は違っていて、実体経済のギャップはあるのでそれは直さないといけない。
そのために、「新成長戦略」で観光や農業など成長分野への取り組み等が議論されている。
ただ単に、インフレターゲットなど「金融」をすればいいわけではない。
「金融」は成長の原動力にはならないので、過大評価をしてはいけない。

今、円高がおこっているが、それは欧米が日本より悪いからだ。
ある日突然、円が下がる可能性がある。
今は輸入が伸びて輸出は伸びないので、これまで通りには行かない。

といったお話でした。

とてもおもしろくて重みのあるお話でしたが、3月31日の長妻昭前厚生労働大臣のお話と同じく消費税や財政の話が中心だったように思います。

いずれにしても財政の話は避けては通れないとは思いますが、「社会保障と税の一体改革」というからには、社会保障の内容とそれに必要な税のあり方という議論が必要ではないでしょうか。

渋谷区の取り組み その2

2012-05-18 23:53:54 | 日記
次に、「災害時要援護者対策」の取組についてお伺いしました。

渋谷区では、平成5年から災害時要援護者登録制度として、「手上げ方式」で要援護者の名簿を作成し地域の自主防災組織に情報提供し、個別の避難支援プランを作成したり、平成8年から家具転倒防止金具の取り付け事業を実施したりしてきた。

しかし、これで十分なのかという議論があり、平成18年に「渋谷区震災対策総合条例」の改正し、災害時要援護者のために個人情報の目的外利用を行なうことと、自主防災組織・民生委員・消防団・消防署・警察署などに対して外部提供を行なうことができる規定の追加などを行なった。

そして、災害時要援護者対象者リストを作成して名簿登録し、その名簿を自主防災組織等に順次交付し、避難支援者・避難方法・避難場所・緊急時の連絡先などの個別の支援プランの作成や地域の要支援者マップの作成を進めている。

要援護者対象者は、①単身世帯で要介護2級以上、②単身世帯で身体障害者手帳2級以上などで、現在700~800人とのこと(ちなみに、渋谷区の人口は約20万人)。

災害時要支援者対策は神戸市でも課題ですが、個人情報が大きなネックになってあまり進んでいないのが現状ではないでしょうか。

条例化すればすべて問題が解決するというわけではありませんが、神戸市でも検討していくべきではないかと思いました。

続いて、「高齢者在宅福祉サービス」についてお伺いしました。

介護予防時間延長等サービスなど介護保険プラスアルファとなる独自サービスや、立ち退き等により住居の住み替えが必要がある場合の家賃の一部補助などをおこなっているとのこと。

また、今年6月から外食時に利用できる外食券を販売する「外食券事業」を行なうとのこと。

これは、外食券を1枚100円で高齢者に販売し、協賛している飲食店で250円分の食事ができる(つまり、区が150円補助している)サービスで、高齢者に自宅外での食事と温かい食事を楽しんでもらおうという事業です。

地元の飲食店の利用促進や地域の活性化にもつながる事業で、おもしろい取り組みだと思いました。

渋谷区役所のみなさん、いろいろと参考になる有意義なお話を聞かせていただきありがとうございました。


渋谷区の取り組み その1

2012-05-15 17:40:23 | 日記
4月17日、会派の数人の先生といっしょに渋谷区役所を訪問し、渋谷区の取り組みについてお話をお伺いしました。

まず小中一貫校について。

渋谷区初の施設一体型小中一貫教育校として、小学校2校と中学校1校を合併する形で新校舎を建設し、今年4月に「渋谷本町学園」が開校しました(建設費は約60億円)。

義務教育9年間を初等部4年、中等部3年、高等部2年の3部に分けて教育活動を展開している。

中学校教員による小学校での授業を行ったり、中等部で段階的に50分授業や定期テストを導入したり、5年生から部活に参加できるなど、施設一体型の特長を活かした特色のある取り組みが行われている。

品川区のように特区を取っておらず、小中の教員が交流し、教える内容や教え方を工夫しているとのこと。

小学校1年生から中学校3年生までが同じ校舎にいることで、特に中学生の表情が良くなり、落ち着いたそうです。

渋谷区は、全区において学校選択性で、私立の中学校への進学率も高いことから、公立校も特色を出し生徒を集める努力しないといけないという地域事情があります。

単純に神戸市にも施設型小中一貫校の導入を、とはなりませんが、神戸市においても小学校・中学校の連携や各学校の特色作りなどは取り組んでいかなければ課題だと思います。

大都市の地方自治のあり方 その3

2012-05-04 22:18:35 | 日記
逢坂誠二衆議院議員のお話の後、片山善博慶應義塾大学大学院教授(前総務大臣)のお話がありました。

大都市制度をめぐる議論として、特別自治市や大阪都構想などがいわれているが、それらは昔からある話の延長のような話とのこと。

大都市制度は一国二制度といえる。
国道の管理など、府県の仕事を大都市がやっている(広域団体の仕事を基礎自治体がやっている)。

東京都制度も一国二制度といえる。
大都市がやるべきことを都がやっている(基礎自治体の仕事を広域団体がやっている)。
昭和18年に東京市をなくして東京都にしたのは、戦争遂行のために二重行政を解消する目的だった。

民主党の地域主権改革は、基礎自治体重視で、地域のことは地域で責任をもって決め、広域団体はそれを補完する、としようとするもの。

特別自治市構想は戦後すぐにもあった。
旧五大都市特別市構想で、全国知事会の抵抗により実現せず、その代替として「政令指定都市」制度ができた。
韓国では、釜山・光州・大邱などが行政区的に「道」から独立している。

大都市制度が議論される背景として、まず「二重行政の解消」がある。
そのためには、独立させた方がよい。
ただ、現行制度でも解消のやり方はある。

もうひとつに、「現状へのもの足りなさ」がある。
大都市で判断できるので、権限等がほしいというもの。

このように、これまでの議論は国との権限関係など「団体自治」の話がほとんど。

しかし、大都市は民意が届きにくく、「住民自治」が不足しているという問題がある。

もっと直接請求や住民投票など住民の意思反映の手段があってもいいのではないか。
人口20万人の市で一人の長を選ぶのと人口300万人で一人の長を選ぶのは違う。

例えば、自治体の役割で最も重要なのは「教育」だが、小さな自治体も大都市も教育委員会は1つ、委員は5~6人。
大都市の教育委員会は、官僚化して官僚が取り仕切っており、委員は教育事情はよくわかっていない。
大きすぎて、各学校の事情まで目が行き届かないので、大都市の教育事情は貧弱だ。
各行政区に教育委員会を置くなどの改善策が必要ではないか。

とのことでした。

確かに、特別自治市も大阪都構想も関西広域連合も「団体自治」の議論が中心で、大阪都構想の中の区長公選制と区議会の設置くらいが「住民自治」の唯一の話のように思います。

それも、片山先生が橋下知事(当時)に助言したからとのこと(片山先生は必ずしも大阪都構想に賛成ではないようですが)。

教育委員会の例はとてもわかりやすく、衝撃的でした。

「住民自治」が充実してはじめて、「地域のことは地域で責任をもって決める」ことができるといえるかもしれません。

地方のあり方を検討するには、「団体自治」だけでなく、「住民自治」の観点も忘れてはいけませんね。


大都市の地方自治のあり方 その2

2012-05-03 22:49:29 | 日記
川端達夫総務大臣の基調講演に続いて、逢坂誠二衆議院議員のお話がありました。

逢坂誠二衆議院議員は、北海道のニセコ町長を3期務め、その間に全国初の自治基本条例となった「ニセコ町まちづくり基本条例」を制定するなど地方自治に詳しい方です。

まず、民主党政権になって、3年間で地方交付税を4.2兆円増やす、小学校1・2年の少人数学級を実現、医学部の入学者数を増やす、診療報酬を上げるなどの取り組みを行なってきたが、これらは公共工事などとは違い、成果が出るまで時間がかかるとの話がありました。

つづいて、地方自治について検討が進められているテーマとして、①地方自治法の改正、②地域主権改革、③大都市制度、があるとのこと。

まず、地方自治法の改正については、鹿児島県阿久根市の件などを踏まえ、①地方議会の会期を通年にすることができる、②議長に臨時会を招集することができる、③解散・解職の請求に必要な署名数の要件を緩和する、といった内容の改正案が国会に提出されている。

※改正案の概要 http://www.soumu.go.jp/main_content/000150167.pdf

地域主権改革については、消費税を10%に引き上げた場合の地方への配分を増やす(増収5%中1.54%に。現在は5%中1%。)などの取り組みが行なわれているが、これらは事務次官会議を廃止し、「国と地方の協議の場」を作って協議した結果だ、とのこと。

※地域主権改革の取組と成果(内閣府資料) http://www.cao.go.jp/chiiki-shuken/doc/16shiryou1.pdf#search='地域主権改革のこれまでの取組'

※いわゆる「3次一括法案」の概要 http://www.cao.go.jp/houan/doc/180-4gaiyou.pdf

大都市制度については、「地域主権戦略大綱」で地方のあり方を地方と協議することになっており、現在その受け止めの場を作って、法案作成に向け協議中。
特別自治市や大阪都構想、新潟州などが地方から提案されているが、大阪都構想は、それをテーマにした選挙をくぐっているので一段進んでいるといえるのではないか。
東京の特別区のようなものを、府県と市が協議して地域で議決し、総務省との協議により作ることができないか、といったことを検討中。

※特別自治市…大都市が、現行制度で国や道府県の事務とされているものも含め、地方が行うべき事務の全てを一元的に担う新たな大都市制度。指定都市市長会が主張している。なお、指定都市市長会会長は矢田立郎神戸市長。

※特別自治市の概要 http://www.siteitosi.jp/necessity/city/pdf/h23_07_27_01.pdf

地域でそれぞれあり方を発信してもらいたい。政府はそれを受け止める。ただ、現行制度でもできることはあることは理解してもらいたい。

一般論として、特別自治市と大阪都構想の違いは、大阪都は大阪府から独立するものではなく、その地域の問題といえ、大阪だけの議論で済むかもしれない。
それに対し、特別自治市は府県から独立しようとするもので、地方のあり方の根幹に関わる問題といえ、地方だけの議論では済まないといえるのではないか。

また、道州制に関して、民主党内の議論は進んでいない。道州制の定義が定まっていないので、まず定義を定めて交通整理をする必要があるのではないか、とのことでした。

逢坂先生の大阪都構想へ肯定的ともとれるお話に、不満な方もおられるようでしたが、選挙を経ているというのは確かに大きいといえるでしょう。
しかし、大阪だけの話となれば、全国的な二重行政等の問題の解決にはなりません。
全国一律である必要はないのかもしれませんが、国・広域行政・基礎自治体のそれぞれのあり方と権限の一体的な見直しの議論が必要ではないでしょうか。