翌日は苫小牧に移動し、苫小牧市役所でまず「苫小牧市学力向上アクションプラン」についてお伺いしました。
学びの意欲と確かな学力の向上を目的に、小4から中3で
① 教育課程や学習指導の充実
② 小・中学校間における学習指導の連携
③ 家庭教育力の向上
の3本柱の取り組みを行っている。
「教育課程や学習指導の充実」では、「学力の現状及び課題の徹底分析」ということで、全国学力・学習状況調査や苫小牧市統一学力調査などの結果を徹底分析し、課題を見つけ、6年間の推移を見る。
単に全国平均より上か下かという分析ではなく、学校ごとや市としての分析など個々に状況を見る。
その結果を、指導方法工夫改善等の加配に伴うティームティーチング・少人数指導・習熟度別指導の充実や教育課程外の補充的学習サポートの充実などに活かしている。
「小・中学校間における学習指導の連携」では、「インプルーブ6の推進」ということで、小4から中3の6年間を、基礎期(小4・小5)、充実期(小6・中1)、発展期(中2・中3)の3つの区分に分け、スモールステップを意識した取り組みを推進している。
具体的には、中学校における小学校6年生への体験授業の実施、学科担任制の一部導入など小・中学校の接続を図った教育課程の工夫・改善や、小・中学校教員の相互乗り入れ授業の実施など授業実践と指導計画の検証・改善の共有、ノート指導の共通化等、小・中で課題や対策の共有といったことを行っている。
「家庭教育力の向上」では、「基本的な生活習慣・学習習慣の定着」ということで、学校の取り組みを説明するなど家庭学力の向上を目指したPTA活動等の推進や、家庭学習の手引きの改善と活用など学習習慣の改善と定着、生活リズムチェックシートの継続的な活用や「早ね早おき朝ごはん運動」の展開といったことを行っている、
といったお話でした。
神戸市でも小・中の連携などが進められていますが、教育課題の分析や家庭教育を含めた学力向上に向けた総合的な戦略を持つ必要があると思います。
また、それは各学校ごとや教員ごとではなく、全市的なシステムを構築する中で進められるべきだと思います。
そういった点で、苫小牧市の取り組みは参考になるのではないでしょうか。
参考:平成25年度苫小牧市学力向上アクションプラン http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/gakko-sidousitu/25action.pdf