ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

人と公共交通中心のまちづくり

2017-11-28 22:59:53 | 日記
昨日はヴァンソン藤井由美さんの「人と公共交通中心のまちづくり」の講演を聴きに行きました。

フランスもかつては都市中心部に車があふれていたが、景観や環境を破壊することの解決策として、また障がい者や高齢者など誰でも交通へのアクセスができるよう福祉政策の一環として、LRTやBRTが導入され、歩行者優先のまちづくりが進められてきた。

また、住宅建設は近くに公共交通の駅がないと認めないなど都市計画とも関連させてきた。

それらを進めていく合意形成の際には、沿線地域の関係者だけでなく広い視野で語ることができる人を呼んで議論したりしながら、プロセスの透明化と徹底した情報公開が行われてきた、

といったお話でした。

フランスでは市内の電車やバスなどの整備主体はすべて地方自治体で一貫した政策で整備しやすく、またその運営費用は交通税など主に税金で賄っているなど、日本や神戸と大きな事情の違いがありますが、考え方は同感できるところも多くあり、神戸のまちづくりに少しでも活かせていければと思います。


JR北海道の再生に必要な枠組み改変の可能性

2017-11-24 22:51:59 | 日記
続いて、北海道教育大学の武田泉さんから、「JR北海道の再生に必要な枠組み改変の可能性」というテーマで講演がありました。

北海道新幹線は開業したが、運賃が高い、新幹線のきっぷの買い方がわかりにくい、在来線から新幹線への乗り換え施設が貧弱、改札外の施設も貧弱、新幹線車内広告はJR東日本管内のものが大多数など、北海道新幹線はJR東日本の管内と比べて貧弱で植民地新幹線になっている。

さらに、新幹線開通でこれまでの割引サービスが減るなど、在来線も使い勝手が悪いものになっており、道内鉄道網の危機的状況は継続している。

経営改善策として「上下分離方式」がよくいわれる。これは、車両運行・車両保有と線路施設保有に分離することをいうが、車両運行と車両保有も分離するいわば「上中下分離方式」を導入し、公的機関が車両も保有するなど公的支援を検討すべきではないか。

次に財源論だが、鉄道だけ国に財源なく事業者任せで、例えば災害があっても激甚災害指定がなく国の支援がないのはおかしい。

都会の鉄道と田舎の鉄道が同じ鉄道事業法に準拠するのではなく、田舎の鉄道は軌道法と都市モノレール法に準拠できるような法体系とし、旧道路財源を使ってインフラ部分を整備できるようにするなど検討すべきではないか、

といったお話でした。

経営方式で上下分離方式だけでなく、上中下分離方式も導入検討していくことは、例えば神戸電鉄粟生線の存続などでも有意義と思われます。

また、財源について藻谷浩介氏も言われていましたが、旧道路財源を鉄道整備に使うことも傾聴に値し、法律や財源のあり方などについて、示唆に富んでいると感じました。

これらは、鉄道など公共交通の存続だけでなく、三宮・都心部で導入可能性が検討されているLRTの整備等、公共交通の充実、まちづくりなどにも活かせる課題ではないでしょうか。

国の法改正・制度改正が必要な部分も多いですが、神戸市も必要に応じて国へ改正要望を行うなどをしながら、いろいろな可能性を検討してもらいたいと思います。


鉄道復権と地域づくり

2017-11-23 22:35:58 | 日記
11月20日は東京で交通関係の研修でした。

まず、株式会社日本総合研究所 主任研究員の藻谷浩介さんから「鉄道復権と地域づくり」というテーマで講演がありました。

鉄道のあり方に関し、「赤字路線は廃止し、黒字路線だけを残すべきだ。」という議論がある。

もしその通りだとすれば、JR北海道はすべての路線が赤字なので、すべての路線を廃止すべきことになる。

また、道路も高速道路の有料区間以外は赤字なので、この理屈をあてはめれば、道路は全路線廃止すべきことになるが、実際はそんな話にはならない。

赤字黒字が存続の理由になるのはおかしく、総合的ベネフィットで考えるべき。

岐阜は赤字の市電を廃止したことで、商業施設が廃止になり、商店街の客が減ることにつながったので、赤字だから廃止すべきはおかしい。

もっとも、存続のためにコストや財源のあり方は検討すべき。

仙台市地下鉄東西線は、約14㎞の路線を約3,000億円かけて建設されたが、LRTだったら同じコストで約300㎞の路線を作ることができた計算になり、なんでも作ったらいいというものではない。

国の道路特別会計のお金を鉄道にも使うなど、鉄道の維持にもっと財源を使うことも考えるべき。

例えば、上下分離方式をすれば黒字化する路線も多いので、その財源に活用するなど。

万葉線は、上下分離方式を採用しても赤字だったが、廃止しても福祉バスやスクールバスを運行する必要があり、かかるコストはほぼ同じで、やりようによっては乗客を増やすことができるので、残った。

鉄道はバスと比較し、乗客にとってわかりやすく使いやすい公共交通手段なので、今あるものをできるだけ残して活用策を考えた方がよい、

といったお話でした。

公共交通のあり方を考える基本的な方向性を言われており、赤字黒字だけで考えてはいけない、というのは強く印象に残りました。

神戸においても、都心部における新たな交通手段のあり方や、地域の交通手段のあり方など議論がなされていますが、採算性は重要であるものの赤字黒字だけの議論に終始しないよう、総合的なベネフィットとして何があるのかわかりやすく提示をして議論を進めていく必要があると感じました。


めざせ!世界一のクリススツリープロジェクト

2017-11-22 23:11:33 | 日記
11月17日は、「めざせ!世界一のクリススツリープロジェクト」の植樹式に参加しました。

主催団体代表の西畠さんからは、

木の命を大切に運んでくることを通じて日々使っている「木」への感謝の気持ちを感じてほしい、

材木としては価値が低く敬遠されて落ちこぼれだった「あすなろの木」が世界一になることで、あきらめない、無駄な命はない、というメッセージを伝えたい、

という話がありました。

観覧イベントは12月2日~26日に実施されます。

是非メリケンパークまで足を運んでみてください!






チームラボアイランド -学ぶ!未来の遊園地-in神戸港

2017-11-21 23:06:58 | 日記
11月16日は、「チームラボアイランド -学ぶ!未来の遊園地-in神戸港」のオープニングセレモニーに参加してきました。

子どもたちが同じアート空間の中で、自由に体を動かし互いに影響を与えながら、共同的で創造的な「共創」の体験を楽しむことのできるイベントで、お絵かき水族館などがあります!

是非子どもたちと行ってみてください!

11月17日から12月17日まで。

神戸ポートターミナルホールで。

http://www.kobeport150.jp/event/e171117.htm






箱根の観光政策・観光まちづくり

2017-11-19 22:53:37 | 日記
11月15日は、箱根町役場で「箱根の観光政策、観光まちづくり」についてお伺いしました。

箱根町には毎年約2,000万人の観光客数がありますが、宿泊客数を見ると外国人が10年前の3倍以上に増加しているものの、修学旅行生は約2分の1に減少しています。

そこで、21世紀初頭の観光地・箱根に相応しい観光振興を目指して、平成23年に観光振興条例を施行し、平成24年に「HOT21観光プラン」を見直しました。

町内の指定宿泊施設で利用できる宿泊券を販売する「箱根宿泊補助キャンペーン」や芸妓と古典芸能を体験できるお座敷券を販売する「箱根伝統芸能体験キャンペーン」を行って新しい箱根ファンを創出しようとしています。

また外国人が安心して一人歩きできるよう、総合観光案内所での外国語スタッフの増加や外貨両替機の設置、外国語パンフレット等の作成、無料Wi-Fi環境の普及促進、公衆トイレの洋式化などを進めています。

さらには、箱根火山を中心に「箱根ジオパーク」として周辺2市3町と連携しながら広域周遊観光・宿泊滞在型観光地づくりを行なっています、

とのことでした。

箱根町は東京から近く、小田急電鉄があり利便性が高いなど有利なところもありますが、自然や伝統芸能など地域の特性を活かしながら、時代のニーズを見据えて観光振興に取り組んでいます。

神戸市でも、特に六甲山や有馬温泉などにおいて、そのような観点も踏まえた活性化策を講じることは有効ではないでしょうか。


逗子市の海水浴場の健全化及び活性化

2017-11-18 23:21:46 | 日記
その後、逗子市役所で「海水浴場の健全化及び活性化」についてお伺いしました。

逗子海岸は住宅地と隣接しており、大音量で音楽を流す海の家などが増加し、苦情も増えてきたことからルールの策定や、条例の制定など健全化に向けた取り組みを進めてきました。

しかし、平成25年に海の家の客同士による殺傷事件が発生したことから、平成26年に飲酒・バーベキューの砂浜での禁止、拡声器・拡声装置を使用して音や音声を流すことの禁止、営業時間は18時30分まで(平成29年度は20時まで)、などの規制を盛り込んだ日本一厳しい内容に条例を改正しました。
 
それだけでなく、マナーアップ警備員による周知・注意、条例規則等周知啓発チラシやマナーアップに向けたチラシ・ポスターの作成、SNSによる情報拡散なども行っています。

健全化だけでなく、海開き式にあわせて人文字を行なったり、特殊な光を当てて波打ち際を光らせる「NIGHT WAVE ~光の波プロジェクト in Zushi~」など活性化の取り組みも行っています、

とのことでした。

須磨海水浴場も平成29年は海の家でウォッカやテキーラの販売を全面的に禁止するなど、健全化の取り組みは行なっていますが、逗子市の取り組みも参考に、関係者全員が協力してさらなる健全化を進め、安心して楽しめる海水浴場にするとともに、年間を通した活性化策にもさらに取り組んでもらいたいと思います。

*参考:逗子市 ホームページより 逗子海水浴場 https://www.city.zushi.kanagawa.jp/syokan/keizai/umi/kaisuiyoku.html
    
    NIGHT WAVE ~光の波プロジェクト~ ホームページ https://night-wave.com/


横浜の農業と地産地消について

2017-11-17 22:54:52 | 日記
昨日はまず横浜市役所で「横浜の農業と地産地消」についてお伺いしました。

横浜市は、乱開発防止等のために設けた農業専用地区が市内に点在している等から、農地も市内にモザイク状にあり、他の地域の比べて少量多品目生産で、直売を行う農家の割合が高く、神奈川県内1位の農業生産があります。

これまでも地産地消を進めてきましたが、平成27年度に「横浜市の都市農業における地産地消の推進等に関する条例」を制定し、食と農に関連する部局が連携・情報交換するための会議を設けて、さまざまな取り組みを進めています。

そのひとつが市内農畜産物等のブランド化であり、「横浜農場」による統一的PRなど農畜産物全体の知名度・付加価値の向上を目指しプロモーションを行っています、

とのことでした。

神戸市も農漁業が盛んですが、横浜市と異なり生産地と消費地が分離しており、それらの繋がりの強化が課題になっています。

学校給食での利用やファーマーズマーケットはもとより、農体験の充実や直売所の拡充・飲食店との連携などの取り組みも進めていく必要があると思われ、全庁的に地産地消を推進している横浜市の取り組みは参考になるところが多いと感じました。

*参考:横浜市 ホームページより 「横浜市の地産地消の取組」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/nochi/manabu/tisantisyo2.html


横浜・八景島シーパラダイス

2017-11-16 23:15:14 | 日記
11月13日から15日まで経済港湾委員会の管外視察。

11月13日は、横浜・八景島シーパラダイスへお伺いしました。

横浜・八景島シーパラダイスは、株式会社横浜八景島が運営しています。

海の生きものたちを観察でき、ショーが楽しめる水族館(アクアミュージアム)だけでなく、海の生きものたちとのふれあい体験ができるエリア(ふれあいラグーン)や、「海育」をコンセプトに釣って食べて学ぶエリア(うみファーム)などがあります。

横浜市が造成した人工島である八景島の中にありますが、施設の名称に「横浜」と入れることで地域ブランドが上がり、パンフレット作製や清掃業務などを地元企業にお願いすることで地域振興に寄与しているとのこと。

特色のある新しい見せ方で施設整備やプログラムを実施されていて、海の生きものたちを身近に感じることができるのが印象的でした。

横浜・八景島シーパラダイスは敷地面積が広いのでこれだけできるとも言えますが、須磨海浜水族園を民設民営でリニューアルする際には、海に近い特徴を生かして、体験ゾーンなど特色のある水族園として再整備してもらいたいと思います。

*参考:横浜・八景島シーパラダイス ホームページ http://www.seaparadise.co.jp/