ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

「地方創生」について研修

2016-02-29 23:08:49 | 日記
昨日は東京で研修でした。

その中のひとつに、内閣府の方から「地方創生」についての研修がありました。

日本の総人口は、今後100年間で100年前の明治時代後半の水準に戻っていく可能性があり、これは極めて急激な減少といえる。

日本の出生数・出生率は1970年代半ばから長期的に減少傾向にあるが、合計特殊出生率が東京が1.15に対し、沖縄が1.86になっているなど地域差がある。

また、平均初婚年齢や出生順位ごとの母の平均年齢も地域差が大きく、特に東京は極めて高くなっている。

これまで日本では昭和30年~45年に大都市圏、特に東京圏に若い世代が流入し、これらの人口が75歳以上になることで大都市圏が急速に高齢化している。

首都圏への人口集中を諸外国と比較すると、日本のように首都圏の人口比率が高く、かつ上昇を続けている国は韓国を除いて見られない。

もっとも、東京在住者の4割が今後地方への移住を予定または検討したいと考えている。

移住の不安として挙げるものは「雇用」や「日常生活・交通の不便」であり、それらを解決できれば移住意向はあるといえる。

そこで、
①地域にしごとをつくり、安心して働けるようにする
②地方への新しいひとの流れをつくる
③若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
④時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する
取り組みを進めていこうとしている。

地方経済は、若者人材の流出、地域に閉じた資金循環など、人材・資金両面から内部に完結した経済運営をしており、日本経済全体のダイナミズムとの相乗効果も得られていない。

そこで、産業・金融が一体となって、地域の技の国際化・地域の魅力のブランド化・地域のしごとの高度化などの取り組みを進めることにより、地域に生産性の高い競争力ある事業・産業を回復し、人材・資金はもとより技術・情報などが地方の隅々まで自由闊達に行き交う活力ある日本経済を作っていきたい。

その1つとして、日本版DMO(地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの「舵取り役」として、地域のマーケティング・マネジメントを一体として行っていく法人)の取り組みを進めていく。

また、地方居住の推進として、居住・就労・生活支援等の情報提供や相談についてワンストップで対応する「移住・交流情報ガーデン」を東京駅近くに開設した。

さらに、東京圏をはじめとする地域の高齢者が、希望に応じ地方や「まちなか」に移り住み、地域住民や多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができるような地域づくり「生涯活躍のまち(日本版CCRC)」構想を推進していく。

さらには、「地域アプローチ」による少子化対策・働き方改革を進めていく。

出生率は、大きく「未婚率・初婚年齢」と「有配偶出生率」とに分けて分析され、それぞれが様々な要因の影響を受けているが、その中で「働き方」は大きな部分を占めている考えられるとともに、地域差もある。

例えば、
週60時間以上働く雇用者の割合が高い地域は合計特殊出生率が低い、
1日当たりの通勤時間が長い地域は合計特殊出生率が低い、
という傾向があり、それぞれの地域に応じて雇用形態・労働環境・妊娠出産育児支援などの働き方改革を進めていく必要がある。

また、市街地が拡散し、人口が減少してきていることから、生活サービス機能と居住を集約・誘導し、人口を集積させて、まちづくりと連携した公共交通ネットワークの再構築する「都市のコンパクト化と交通ネットワークの形成」を進めていく。

それらを進めていくために、地方には情報支援、人的支援、財政支援を行なっていく、

といったお話でした。

国の考える地方創生の全体像がよくわかった研修でした。

研修の中では、他都市での先進事例なども紹介されていましたので、それらを参考にしながら、神戸や兵庫でも地方創生を進めていかなければいけません。

しかし、それは全国一律ではなく地域によって処方箋は異なってくると思います。

例えば「地域アプローチ」による少子化対策・働き方改革では、兵庫は未婚率が高く有配偶出生率が低い、週60時間以上働く雇用者の割合が高く合計特殊出生率が低い、1日当たりの通勤時間が長く合計特殊出生率が低い地域になっています。

そのような状況を踏まえて、何が有効な対策なのかを検討していく必要がありますし、私もしっかり考えて取り組んでいきたいと思います。



西鈴寄席

2016-02-21 23:10:56 | 日記
今日は第2回西鈴寄席に行ってきました!

月亭方正さんと桂三幸さんの落語がありました。

とあるテナントビルの空き室が会場でしたが、大盛況でした。

手作りの温かい雰囲気の中で、テレビとは違う楽しいお話をたくさん聴けて、あっという間の2時間でした。

スタッフのみなさん、お疲れ様でした!


難民認定制度

2016-02-07 22:53:45 | 日記
昨日、難民認定制度についてお話を聞く機会がありました。

日本での難民認定申請者数は急増しています。

これには、申請から6ヶ月すれば働くことができ、1年程度かかる審査期間中は国外退去させられない、認定されなくても何度でも再申請ができる等から、在留資格を得られない人が難民認定制度を濫用して申請しているケースが増えているのではないか、とのことでした。

そうであるとすれば、本当に助けを求めている人が十分な審査をされず、難民認定されない可能性も考えられます。

ただでさえ日本では難民認定されにくい中で、何らかの改善策が必要ではないでしょうか?


富士山保全協力金

2016-02-06 23:01:49 | 日記
つづいて、富士山保全協力金についてお伺いしました。

富士山には、毎年20万~30万人の登山者数がある。

平成25年から、利用者負担のあり方を検討し、社会実験などを経て、平成26年から利用者負担制度の本格実施している。

その利用者負担制度の名前が「富士山保全協力金」で、富士山の環境保全と登山者の安全対策を目的とし、任意の協力金(寄付金)として開始している。

5合目から山頂を目指す登山者を対象とし、金額は基本1,000円とするが、1,000円を超える金額も受け付けるとともに、子どもや障がい者等には配慮している。

山梨県と静岡県が協議しながら、各県がそれぞれ、登山口やインターネット、コンビニで受け付けて実施している。

平成26年・平成27年とも、登山口では約42,000人の方から約4,200万円、インターネット等では1,100人以上の方から約1,100万円の合計約4,300万円の協力金をいただくことができた。

平成26年より27年の方が、登山者数は減ったが、協力率は40.9%から46.7%に上がっている。

協力金は、富士山山小屋トイレ新技術の調査・検討、登山道紹介映像の制作、安全誘導員・巡視員の配置、登山者動向調査、バイオトイレの改修などに使っている。

登山者にアンケートをしているが、好意的な回答が多く、金額も適当と回答が多かった。

引き続き、事前のさらなる周知などに取り組みながら、来年以降も実施していきたい、

といったお話でした。

神戸市で具体的に何かこのようなものを検討しているわけではありませんが、財源確保の方法として「ふるさと納税」などいろいろある中で、協力金という形もあり得るのかなと参考になりました。

アンケート調査でも好意的な回答が多かったということから、目的や使途がはっきりしており、共感できるものであれば、神戸市でも市民や観光客の方々などに協力金をお願いするということも方法のひとつかもしれません。

*参考:富士登山オフィシャルサイトより http://www.fujisan-climb.jp/manner/kyoryokukin.html

静岡県の移住・定住施策

2016-02-05 23:02:16 | 日記
静岡県に移動し、2月2日は静岡県庁でまず、移住・定住施策についてお伺いしました。

静岡県は新幹線ひかりで、東京からも名古屋からも1時間のところに位置しているが、人口が転出超過になっており、平成26年は7,240人で全国第2位、平成27年は6,206人で全国第5位の転出超過になっている。

その中でも特に、15歳~19歳・20歳~24歳の区分の若い世代の転出超過が多い。

そこで、「うつくしい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生総合戦略」を作成し、
①若い世代の子どもを2人以上持ちたいという希望をかなえる、
②静岡県で働き、住みたいという希望をかなえるため、
交流の拡大、移住・定住の促進、魅力ある教育環境の整備・健康づくりの推進などの取り組みを進めている。

移住・定住の促進は、
①魅力的なライフスタイルの発信、
②就業・生活環境の充実
③移住者の希望に沿った受入態勢の整備
などを行ない、
住み帰る・住み替える・栖得るの3つの「住みかえる」を応援している。

具体的には、
①東京有楽町のふるさと回帰支援センター内に、静岡県移住相談センターを開設し、就職相談を開始したり、
②ふじのくにに住みかえるセミナーを実施したり、
③交流会・体験ツアーを実施したり、
④お試し移住施設を整備したり、
⑤助成制度など地域での受入態勢の整備をしたり、
⑥県公式移住定住HP“ゆとりすと静岡”を開設したり、
している、

といったお話でした。

関東圏にそう遠くはなく、特に静岡県東部は東京通勤圏をアピールすることもできるなど、神戸と違うところは多くありますが、あの手この手と知恵を絞って政策を検討されており、参考になりました。

兵庫県も平成26年は7,092人で全国第3位、平成27年は7,409人で全国第2位の転出超過となっており、早急な対策が求められます。

*参考:静岡県公式移住・定住情報サイト“ゆとりすと静岡” ホームページ http://iju.pref.shizuoka.jp/


大田区の訪日外国人旅行者の受入施策

2016-02-04 22:44:28 | 日記
つづいて、大田区役所で訪日外国人旅行者の受入施策についてお伺いしました。

これまで外国人旅行者にあまり大田区を訪れてもらえなかったが、名勝だけでなく暮らしぶりが観光資源になるという考えから受入施策を進めている。

まずは、観光マーケティング調査でも要望の高かった公衆無線LAN(Wi-Fi)環境を整備している。

駅周辺にとどまらず広域的に整備を実施し、大田区の観光情報や防災情報等を発信していく。

次に、多言語版の大田区公式観光サイトを開設した。

日本語、英語、韓国語、中国語(繁体字)、中国語(簡体字)、タイ語の6か国語に対応し、海外に発信していく。

また、京急蒲田駅商業施設内に「大田区観光情報センター」をオープンした。

英語対応可能な職員が常駐して観光案内を行なうとともに、区内産品の販売や外国人旅行者をターゲットとした日本文化体験事業などを実施していく。

さらには、大田区内の観光関係の事業者(交通・宿泊・商店街・旅行等)が情報共有し、羽田空港からの近接性を活かして、大田区を楽しんでもらう冊子「羽田⇔大田エンジョイプログラム」を提供していく、

といったお話でした。

大田区は観光の目玉になる名所・名勝が少ない中で、「暮らしぶりそのものを観光資源に!」と下町の特性をアピールしての取り組みが印象的でした。

神戸市も、異人館や南京町などの観光名所だけなく、洋菓子やパン・ファッションなど神戸らしい暮らしぶりも含めた観光アピールをしていくべきではないでしょうか。

*参考:大田区公式観光サイト ホームページ http://ota-tokyo.com/ja/

大田区の民泊事業

2016-02-03 23:20:05 | 日記
2月1日から2日まで、大都市行財政制度に関する特別委員会の視察でした。

2月1日はまず、東京の大田区役所で「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」、いわゆる民泊事業についてお伺いしました。

大田区では、

外国人観光客の増加でホテルの稼働率が91%まで上昇していることから外国人の滞在に適した施設の確保していくこと、

民泊は近隣とのトラブルが多いことから行政が関与することで安心・安全面の不安を解消するため、

国家戦略特区の旅館業法の特例を活用した特区民泊を実施するため、平成27年12月に関連の条例を制定した。

宿泊期間は7日以上で、開設にあたり事前に近隣住民へ周知することを求め、区長に立ち入り調査の権限を認めている。

特区民泊を実施することにより、

施設提供者と仲介業者が連携し、予約・保険・コールセンターなどサービスのプラットフォームを提供するような新しいビジネス・雇用の創出や、

チェックイン・チェックアウトを近くのホテルで行うなど、ホテル旅館業と不動産業との相互補完・連携、

施設内で各メーカーの製品を使用できたり、モニタールームを提供したりするなど、施設提供者といろいろな企業との連携、

が進むことを期待している。

大田区としても、公衆無線LAN(Wi-Fi)や多言語の観光公式サイトを開設したり、観光ツアーのプログラムを提供するなど外国人誘客・受入施策を進めていく。

先日の説明会には200社以上が来て、かなりニーズがある。

特区民泊を実施することで、違法な民泊施設は、認定の民泊施設に移行していくと思われる、

といったお話でした。

条例が制定されたところで、まだ民泊事業が実施されているわけではありませんが、単に宿泊施設の充実だけでなく新しいビジネス・雇用の創出といった観点や観光施策の充実といった観点もあることがわかり、興味深かったです。

安心安全をどう確保し、地域の理解を得られるかといった課題があるようで、今後の動向を注目したいと思います。

*参考:大田区役所 ホームページより http://www.city.ota.tokyo.jp/kuseijoho/kokkasenryakutokku/ota_tokkuminpaku.html