ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

大都市の地方自治のあり方 その1

2012-04-30 18:47:58 | 日記
4月16日に、民主党の政令指定都市の市会議員の研修会(民主党政令指定都市政策協議会)が「地方分権改革の推進と大都市における地方自治のあり方について」というテーマで行われました。

まず、川端達夫総務大臣の基調講演がありました。

政権交代の成果として、第1に「税金の使い道が変化」したことが挙げられる。

例えば、高校授業料無償化がある。
自公政権時代、高等教育の授業料への支援は360億円だったのが、民主党政権になり4,000億円になった。
それを、自民党はバラマキといっているが、今の自民党案は360億円に戻せといっているのではなく、所得制限を設けて3,000~3,500億円にすべきといっている。

また、子ども手当は、自公政権時代1兆円だったのが、民主党政権になり当初は5兆円にしたかったが、それでも2.5兆円になった。
この度自民・公明とも合意した新児童手当は、中学生も加え2.5兆円の内容になっている。

このように、税金の使い道は変化し、自民・公明ももとには戻せない。

第2に「地域の権限強化」が挙げられる。

補助金の義務付け・枠付けを見直し、一括交付金を拡大した(昨年度5,000億円、今年度は政令市を加え8,000億円)。
特区制度も、規制緩和だけでなく、財源や税源措置も行い、融資制度も作った。

今、国の出先機関改革に向け「アクションプラン」を閣議決定し、手を挙げたところに権限等を渡す方向で取り組んでいる(現在、関西広域連合や九州ブロック、四国ブロックが手を挙げている)。

地方がほしいと言っているハローワークの職業紹介業務など、移譲する事務・権限の検討を進めている、

とのことでした。

確かに、そのような方向性で進んではいるのでしょう。
しかし、改革はまだまだ道半ばで、国民はもっと改革が進むことを期待していたのではないでしょうか。

一括交付金が拡大されたといっても、そのほとんどは継続事業に充てられ、地方の裁量で使える余地はあまりない状況です。

もっと成果をアピールするとともに、改革をさらにスピード感をもって進めていただきたいと思います。


大阪ガス姫路製造所

2012-04-25 23:05:37 | 日記
4月5日、会派の視察研修で大阪ガス姫路製造所へ行きました。

大阪ガス姫路製造所は、大阪ガスの販売する都市ガスの3割強を製造しています。

ガスの販売量は、家庭用が多いのかと思っていましたが、工業用の方が多いそうです(2006年で工業用が約50%、家庭用が約26%)。

都市ガスの原料は天然ガスは、石油や石炭など他の化石燃料に比べて二酸化炭素や窒素酸化物の排出量が少なく、また硫黄酸化物は排出されないことから、環境にやさしいクリーンエネルギーとのこと。

その天然ガスを東南アジアや中近東などから輸入していますが、最近はサハリンからも輸入しており、中東依存は少ないとのことでした。

また、天然ガスは-160℃に液化され運ばれてきますが、姫路製造所ではその液化された天然ガスが常温の天然ガスに戻るときに得られる冷熱エネルギーも利用して発電も行なっているとのこと(5万kW級の発電設備)。

都市ガスは日本全国で代替性があることから、他のエネルギー事業者とパイプラインを結んで、何かあったときでも融通しあって安定供給できるように取り組んでおり、現在姫路・岡山間や滋賀・三重間でパイプラインが建設中だそうです。

ガスエネルギーは、シェールガスなどを含めれば可採年数は160年から270年と言われているとのことで、電力のエネルギー源としても、とても重要なエネルギーだとあらためて感じました。

また、姫路製造所では生物多様性への取り組みとして、西播磨地域産の樹木による緑地形成やビオトープでの西播磨地域産の絶滅危惧植物の保護が行政と連携して行なわれており、近隣の小学校の環境学習の場としても活用されているとのこと。

こういった地域の植物を生かした取り組みは、神戸でももっと進めていくべきだと思います。

鵯越えの坂落とし

2012-04-23 23:48:49 | 日記
4月2日、神戸武陽会例会に初めて参加しました。

武陽会は、旧神戸二中などを含む兵庫高校のOB会です。

例会では、同じ兵庫高校出身の園田学園女子大学名誉教授田辺眞人先生より、「鵯越えの坂落としはどこか」というテーマで講演がありました。

鵯越の位置に関しては、①須磨の背山説、②兵庫の背山説、③「平家物語」の脚色説、の3説があるとのこと。

須磨の背山説は、平家物語の「一ノ谷の後ろなる鵯越え」という記述と、須磨区西部の鉢伏山の南東麓に一ノ谷が存在したことが根拠で、この説によれば「鵯越えの坂落とし」は平家の西の砦の奇襲作戦だったことになります。

兵庫の背山説は、須磨の背山を鵯越えと呼んだ歴史がないという事実と、「鵯越え道」は兵庫津の北から北区山田町への西六甲の山越え道を指すことが根拠で、この説によれば「鵯越えの坂落とし」は平家の東西の砦の中央突破作戦だったことになります。

「平家物語」の脚色説は、「平家物語」の記述は兵庫北方での奇襲を須磨北方に平行移動させたもので史実と文学は違うとして矛盾を解決する考え方です。

田辺先生は、
①一ノ谷の合戦では、平家が須磨から生田あたりまで陣を構え、それを源範頼軍が東から攻めているが、「平家物語」の記述に源軍が京都から出陣する際に範頼と義経が「一ノ谷」の東西が合戦の場所と定めていること、
②「吾妻鏡」に、関東の両将(つまり範頼と義経)が「一ノ谷」で合戦をし、9人の大将軍の首を取ったという記述があるが、その9人の中には須磨あたりで亡くなった以外の者も含まれている、
といったことから、「一ノ谷」は須磨西部を指す場合と須磨から三宮の旧神戸市街地全域を指す場合の広狭二義で使われていたのではないか。
よって、「一ノ谷の後ろなる鵯越え」は神戸旧市街地の背山、兵庫の北方で問題ない、という考えを述べられていました。

田辺先生のお話はとても面白くて、興味深く聞かせていただきました。

また、例会には高校の大先輩から若手までたくさんの方が来られていて、楽しい時間をすごすことができました!

副首都

2012-04-08 20:42:29 | 日記
3月31日、「社会保障と税の一体改革学習会」の後、「関西へ副首都を誘致し神戸の更なる発展を期す会」に出席しました。

設立総会の後、まず軍事アナリストの小川和久さんから「なぜ副首都が必要か」というテーマで講演がありました。

危機管理は、必要な時に必要なことをする必要がある、走りながらするものでスピードが大切。

東京は巨大地震から逃れられない「世界で最も危険な都市」で、もし直下型地震が東京を襲えば首都機能が失われ、日本全体がマヒすることになる。

国家全体の危機管理として、「もう一つの首都」と「衛星都市群」によるバックアップが必要。

まず2012年末までに大阪の既存施設でバックアップ機能を作り、同時に大阪(伊丹空港跡地)と東北(岩手ほか)の2つの「副首都」計画に着手し、「副首都」は2年以内の国家機能、5年以内の都市機能の完成を目指したらどうか、といった話がありました。

つぎに、参議院議員予算委員長で危機管理都市推進議員連盟会長の石井一から「副首都建設が日本を救う」というテーマで講演がありました。

伊丹空港跡地を副首都とすることは、三空港問題解決の決め手となる。
関空と神戸空港を海底トンネルで一本化し、アジアのハブ空港を目指してはどうか。
伊丹は超近代的な危機管理国際都市に衣替えし、日本の副首都として発展を目指してはどうか。

その背景として、リニア中央新幹線の建設計画がある。
リニア中央新幹線が完成すれば大阪東京間が1時間強で結ばれることになり、そうすると現在伊丹空港で路線別利用割合が約40%である東京便の需要がなくなることになる。

伊丹空港跡地に副首都を建設し、首都のバックアップ機能を完成させ、アジアにおける都市開発のシンボルとし、関西経済の復興と双眼的な国家構造の確立を図るべき、といった話がありました。

東京に一極集中している現状への危機管理として、東京に災害などがあったときのためにバックアップ機能を別のところに作っておくべきという考え方には賛成です。

また、その候補地として伊丹空港跡地というのは、三空港問題の解決を図る点でも、1つの考えではあると思います。

ただ、伊丹空港周辺の自治体には伊丹廃港に反対のところも多いのではないかと思いますので、実現には課題も多いといえるのではないでしょうか。

社会保障と税の一体改革学習会

2012-04-06 22:22:29 | 日記
3月31日、民主党兵庫県連の「社会保障と税の一体改革学習会」に出席しました。

講師は、長妻昭前厚生労働大臣でした。

まず、消費税法案の議論の経過として、10%へ引き上げた後の再増税条項は削除された、給付付き税額控除導入など低所得者保護が具体的に盛り込まれた、経済成長率の努力目標を入れて経済情勢に考慮することなった、とのこと。

政権交代後これまで、消えた年金問題について1270万人分・1.5兆円分の年金を国民に戻し、診療報酬を産科・小児科や救急医療に重点配分し医療崩壊を防ぎ、最低賃金をこれまでになく上昇させるなどの実績をあげてきました。

しかし、国の予算約90兆円のうち約44兆円が借金で、しかも金利を年間9.8兆円、1日あたり270億円払っている状況で、財政が非常に厳しい。

引き上げる消費税5%は、1%分は社会保障の充実に、1%分は基礎年金部分の支給に、3%分は借金返済の財源に充てたい。

社会保障の充実は、幼・保一体化や待機児童対策などの人生前半の充実や格差社会対策、在宅福祉の強化などを行ないたい。

といった話がありました。

それぞれの話はわかりやすかったですが、消費税や財政の話が中心だったように思います。

財源なくして社会保障制度は成り立たないのはわかります。

しかし、「お金がないから消費税を上げさせてください。」だけで国民は納得するでしょうか?

もう少し、社会保障制度のあるべき姿と税のあり方といった話があってもよかったのではないかと思いました。

災害廃棄物の処理

2012-04-01 21:46:28 | 日記
神戸市も被災地の復興のため災害廃棄物の早期処理が必要とは考えていますが、放射性物質の影響が懸念される中で、国に対し要望書を提出しています。

災害廃棄物を処理する場合、焼却した後の灰を埋立処分をすることになりますが、神戸市では焼却灰を六甲アイランド沖の海面に埋め立てており、放射性セシウムの水溶性の問題等があることから国に対して海面埋立に関する明確な基準を示すことなどを要望しています。

3月29日の神戸市会本会議でも、基準等の明確化を求める意見書が全会派一致で採択されました。

しかし、3月23日の福祉環境委員会で、その要望に対する国からの返答の見込みについて質問したところ、当局からは海面埋立の場合は非常に難しい課題であり返答があるかどうかはわからない旨の答弁がありました。

また、明確な基準が示されたとしても、六甲アイランド沖の埋立地には神戸市以外の他市町村も焼却灰などを埋め立てていること、風評被害があった場合の補償の問題、市民への十分な説明など課題は多くあると思われます。

被災地の復興には協力すべきであり、神戸市からも職員を派遣するなどの協力を行っていますが、災害廃棄物の処理については慎重に検討していく必要があり、早急に結論を出すことはできない問題だと思います。

※国への要望書 http://www.city.kobe.lg.jp/life/recycle/youseibun.pdf 

※基準等の明確化を求める意見書 http://www.city.kobe.lg.jp/information/municipal/ikensho/h24/img/0329shinsaigareki.pdf