ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

企業建設委員会管外視察 その2

2013-01-30 17:01:39 | 日記
つづいて、広島電鉄株式会社にお伺いしました。

広島電鉄は、主に広島市内の路面電車と広島から宮島まで鉄道の運行を行っている。

年間乗員人員は、路面電車は37,386千人、鉄道は17,344千人だが、電車部門だけでは赤字とのこと。

LRT化に向け、交通結節点の整備や電停の整備、車両の近代化、軌道の整備などを行っている。

*LRT 
低床式車両の活用や軌道・電停の改良による乗降の容易性、定時性、速達性、快適性などの面で優れた特徴を有する次世代の軌道系交通システムのこと。
近年、道路交通を補完し、人と環境にやさしい公共交通として再評価されている。

交通結節点の整備では、西広島電停や横川駅電停で乗り継ぎの不便を解消し利便性を高める整備を行ったり、電停とバス停の一体化する整備などを行った。

車両の近代化では、1999年にドイツから超低床車両(グリーンムーバー)を導入した後、近畿車両や三菱重工業などと国産初超低床車両(グリーンムーバーマックス)を共同開発し、2005年から導入している。
また、車内に車いすとベビーカーの優先エリアを設けている。
床に「ベビーカーマーク」が表示されているが、これは広島だけとのこと。

軌道の整備では、芝生軌道などの整備を進めている。
芝生軌道は、夏場にアスファルトより表面温度の上昇を抑えられたり、騒音の低減効果があったりするが、メンテナンスが必要で費用がかかる課題がある。

現在、さらに近代化を進めていくため広島駅前の駅前大橋ルートをはじめ路線の見直し計画が検討されている。

その後、車庫を見学して路面電車に試乗した後、交通結節点整備が行われた「横川電停」を見に行きました。

横川電停はJR横川駅から離れているうえ、横断歩道を渡らなければ乗り換えができない状況にあった。
また、電停が道路中央にあったため、通過交通量に対して車線数が不足し、国道54号が慢性的な交通渋滞を起こしていた。
そこで、JR横川駅前広場へ路面電車の乗り入れと広場改築を行い、乗り継ぎの不便を解消するとともに国道54号の渋滞緩和と沿道環境の改善が図られた。
この整備により、路面電車の乗降客数は約3,000人/日から約6~7,000人/日に増えたとのこと。

LRTは国内でも新たに導入されているところもあるが、神戸市では地下鉄もあり、JRや私鉄もあることから、導入するとしてもウォーターフロントなど限定的に検討すべきと考えますが、公共交通のあり方の1つとして勉強になりました。
また、交通結節点の整備については、改めて重要と認識させられました。
今後の駅前整備等にあたっては、結節点機能の改善・強化も重視して検討していかなければいけませんね。

横川電停にて

企業建設委員会管外視察 その1

2013-01-29 17:08:25 | 日記
9月4日~6日まで、企業建設委員会の管外視察に行ってきました!

9月4日はまず、広島市役所で「広島市森林づくりプラン21」についてお伺いしました。

広島市の市域面積に占める森林の割合は66.9%と高く、その森林の中でも民有林が約92%を占めている。

これまでは、木材生産を重視した林業行政を行ってきたが、木材価格の低迷・林業経営の採算性悪化・手入れ不足の森林増加といった環境の変化により、森林を育成し森林のもつ多面的機能を発揮する施策を転換し、平成16年に「広島市森林づくりプラン21」を策定した。

森林との関わりを「知る」、森林の恵みを「利用する」、森林づくりに「参加する」という3つの戦略の下にいろいろな取り組みを実施し、平成19年度からは「ひろしまの森づくり県民税」を活用した新たな取り組みも行われている。

取り組みの中では、まず間伐材の利用が進んでいる。
近隣に大きな木材加工施設ができたこともあり、平成21年度では4,000立方メートル・3,600万円の利用だったのが、平成23年度では9,940立方メートル・8,950万円に増加し、平成24年度は1億立方メートルを超える見込みとのこと。

また、植樹などの作業や講習会など自然に関するイベントに参加するとポイントがもらえ、貯まったポイントを間伐材製品と交換できる「森づくりポイント」や、里山の再生・整備に取り組む地域住民を指導したり、地域住民と協力して里山の再生・整備を行う「広島市里山整備士」の養成といった取り組みが行われており、興味深かったです。

神戸市においても六甲山を中心に森林の再生・整備は課題となっており、昨年「六甲山森林整備戦略」が策定されました。
神戸市民も払っている「県民緑税」をもっと神戸市にも配分するよう県とも協議し、それらの財源等も十分活用して、間伐の促進や市民参加を促す取り組み、森林の再生・整備の担い手づくりといった取り組みを進めていってもらいたいと思います。

*広島市森林づくりプラン21 
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1132624438022/index.html

*六甲山森林整備戦略
http://www.city.kobe.lg.jp/life/town/flower/rokkou/sakutei.html

民主党政令指定都市政策協議会研修会@仙台

2013-01-17 14:51:47 | 日記
8月30日・31日と民主党政令指定都市政策協議会の研修会がありました。

30日は、仙台市復興事業局の山田局長より仙台の被害状況や復興の現状について説明があったあと、「東日本大震災と議会」というテーマでパネルディスカッションがありました。
災害時に議会もどう動くかあらかじめ想定しておくべき、現在災害時の権限は都道府県にあるが政令指定都市などへの権限移譲が必要といった意見が出されていました。
災害時の対策について、まだまだ検討すべき課題が残っていることを認識させられました。

31日は仙台市内の視察で、まず「折立地区」というところに行きました。
東日本大震災では津波被害だけでなく、多くの宅地で地盤の崩落や地すべりが発生する被害があったとのこと。
折立地区もその一つです。
もともと沢があったところを埋め立てて、宅地造成した地区だそうです。
地震被害は津波だけではありません。
沿岸部でない地域でも、このような宅地被害対策をすべきところは多くあるのではないでしょうか?

その後、がれき等の搬入場の1つの「蒲生搬入場」に行きました。
仙台市では、自己完結型のがれき等の処理を目指して3つの搬入場が整備されています。
場内では「分別」が徹底されており、リサイクルできるものはリサイクルし、リサイクルが困難な可燃物は場内に設置された仮設焼却炉で焼却処理が行われていました。
また、仙台市内だけでなく石巻ブロック(石巻市・東松島市・女川市)のがれき等の受け入れもおこなっているとのこと。
今後、市内のがれき等の処理と並行して処理を進め、平成25年12月末には処理を完了する見込みだそうです。
仙台市のがれき等の処理は比較的進んでいると感じました!

*折立地区の宅地被害の様子



この道はもともとまっすぐだったそうです

*蒲生搬入場

搬入されたがれきの山


分別されています


テレビなどは家電リサイクルのシステムでリサイクルされるそうです


仮設焼却炉

共進牧場

2013-01-09 14:19:47 | 日記
8月9日、会派で小野市にある共進牧場の工場に行ってきました。

共進牧場は、神戸市中央区に本社がある県内で数少ない牛乳・乳製品の製造・販売をしている会社で、共進牧場の牛乳は、兵庫県内の約40%、神戸市では西区以外の学校給食に出されています(西区はメグミルクです)。

学校給食用は特に品質管理や検査に力を入れているとのことでした。

牛乳は、夏は乳牛が水をよく飲むので脂肪分が少なくなり、逆に冬はためこむので脂肪分が高くなるそうです。
また、共進牛乳では全体の40%は、北海道や九州から原乳をもってきているそうです。

そのような季節や産地の違いによる味の微妙な違いなどに子どもたちが1番気付くそうです。

また、毎日生産しないといけないので、機械のメンテナンスに気を使っているとのことでした。

神戸市で中学校給食が始まったとしても、供給できるだけの生産能力はあるようです。
これからも安心して飲める牛乳の安定供給にがんばってもらいたいですね!

参考:共進牛乳ホームページ http://www.kyoshin-milk.jp/




ブランディング

2013-01-05 10:23:37 | 日記
7月30日、ブランディングがテーマのセミナーで、近畿経済産業局総務企画部長の中村稔さんのお話を聞きました。

ブランドには、
1.商品(例:スーパードライ)
2.企業(例:ソニー)
3.地域(例:神戸ビーフ)
の3つの概念があり、

ブランドの機能には、
1.識別機能(A社の商品、B社の商品など)
2.品質保証機能(例:トヨタ→品質が良い)
3.想起機能(例:スーパードライ→ビールと連想する)
などがある。

また、ブランディングには、
1.みんながついていく「バンドワゴン効果」
2.限定品や高級品など、人とは違うというイメージを与える「スノッブ効果」
3.自慢したり誇示したい心理にさせる「ヴェブレン効果」
がある。

持続的成長のためには「戦略」や「戦術」を考え、そのための「方法論」を考えるべき。

その戦略と戦術として、例えば
1.日本や神戸に対する憧れをもってもらえるよう、「大粒」の感動を味わってもらい、思い出を売る
 *大粒→OTUB→おいしい、楽しい、うれしい、勉強になった
2.「技術で勝ってビジネスで負ける」日本からの脱却し、イメージ戦略を立てる
 例えば、鯖江のメガネの製造技術は高いのにブランド料を払っていたり、シャープの液晶の技術でアップルは大儲けしている。
 それに対し、アニメやコスプレで日本が儲かるようにはなっていない。
 価格競争に入らず、どう売っていくかを考えていくべき。
3.文化や歴史をふまえてストーリー性のあるブランディングをする
 神戸は大阪や京都とは違うイメージ。
 神戸といえば「おしゃれ」といったイメージがあり、それは日本だけではなく世界的なイメージ。
 そのようなイメージをふまえて、ブランディングをしていくべき。

そのための方法論として、例えば
1.ターゲットを拡大するなど、すそ野を拡大する
2.「素敵な暮らしを楽しむために」といったライフスタイルに提案するなど、「もの」を売らずに「こと」を売る
3.協力し合うところと競い合うところを考える

ブランディングにより、心の豊かさを実現し、Win-Winで地域活性化ができることに期待している、

といったお話でした。

「技術で勝ってビジネスで負ける日本」という話は印象的でした。
日本経済の発展には技術革新をつづけていくことが必要というのが常識になっているように思いますが、必ずしもそうではない。
今ある技術でどう売っていくか、技術競争をしないでどう売っていくか、を考えることも必要ということだと思います。
また、そのためにブランディングすることが地域のイメージアップにもつながり、地域活性化にもつながっていくのではないかと思います。
神戸市でも「神戸セレクション」などブランド化やブランド力向上への支援をしていますが、さらにどのようなことができるのか考えていきたいと思います。

参考:神戸セレクション http://www.kobe-selection.jp/