ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

視察@旭川 その1

2013-09-29 21:50:19 | 日記
6月5日から7日まで会派の有志のメンバーで視察でした。

6月5日は、まず旭川市役所にお伺いし、旭川市の観光施策についてお伺いしました。

旭川の観光入込客数は約576万人で、札幌・小樽に次いで全道第3位だが、平成19年をピークに減少傾向にある。
それは、旭山動物園の入園者数が平成19年に約300万人とピークだったのが、平成24年には約160万人と減少しているのと連動している。
これは、動物園ではそれほど観光客を呼び込めないことを表している。
 
また、観光の現状を見てみると、宿泊延数は約60万泊(平成24年)で、宿泊延数/観光入込客数≒0.11となっており、札幌の0.79、函館の0.78と比べると著しく低く、通過型観光からの脱却がなされていない。

そのため、外国人の宿泊数を増やそうと取り組んできた。
外国人宿泊延数は、約3万泊(平成24年)で台湾・香港・シンガポールが多く、近年は特にタイが急増している。

訪問月は7月がピークだが、年間を通じて安定した宿泊数となっている。

外国人観光客の呼び込みに大きく貢献しているのが旭川空港の国際線で、国際線乗降客数は国際チャーター便・定期便合計で約35,000人(平成23年)。
平成22年に中国上海・北京からのチャーター便が大幅増加したが、平成24年夏以降中国からのチャーター便は0となっている。
東南アジア各国へのプロモーション活動を強化しており、タイからの外国人宿泊延数が急増しているのも定期便が飛ぶようになったから。

また、月別ホテル稼働率を見てみると、夏季は高く冬季は低い傾向は変わっていない。
夏季はキャパシティが限界に近いため、冬季の魅力創造が鍵で、東南アジアなど外国人観光客を冬に呼び込む取り組みに力を入れている(タイはその成果の1つ)。

さらには、新たな取り組みとしてゆるキャラ「あさっぴー」を作り、集客力・イメージアップの効果をねらってイベント・プロモーションで活躍してもらっている。

その他、旭川を拠点に道東など広域に観光してもらうため、周辺の市町と協力し、広域で各観光地のイメージだけを伝える発地型のパンフレットを作成したりする取り組みを進めている。

また、医療観光の推進として、透析患者の誘致を進めており、昨年は台湾からの患者を受け入れた、

といったお話でした。

観光客誘致に空港が大きく貢献しているとのお話で、神戸空港も早期の規制緩和が望まれます。
しかし、それまで手をこまねいているわけにはいきませんので、旭川のように東南アジアへのプロモーション活動を推進するなど時代の変化を見極めた誘致活動や、神戸を拠点とした広域観光をもっと進めていくなどの取り組みを進めていく必要ではないかと思います。

参考:旭川市役所 経済観光部観光課 ホームページ http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/files/kankou/



視察@北九州

2013-09-25 23:34:11 | 日記
5月9日は、北九州市内の中学校にお伺いし、中学校給食の実施状況について視察しました。

北九州市では、食育推進会議での議論やモデル事業の実施を経て、平成21年度から中学校給食を段階的に実施し、平成23年度からは完全実施。

実施方式は、「親子方式」。
近隣の小学校で給食室で調理し、保温食缶で配送する方式。

「親子方式」の選定理由は、
①食事が温かい
②分量の調節ができる
③初期投資と運営経費をあわせて経費の比較すると「親子方式」が一番安い
④栄養教諭・学校栄養職員が配置できる
など。
30年前より児童数が半減しており、小学校の施設に給食を作る余力があるという側面も。

献立は基本的に小学校と同じだが、1品おかずが多い。

昼休み時間は40分の学校が多いが、配膳時間を含むので食事時間は15分程度。
小学校より残食が多いが、食事時間の短さも原因か?
残食のない給食指導の確立・浸透を図っていきたい、
といったお話でした。

北九州市のお話をお伺いして、神戸市では「親子方式」が十分に議論されたのか疑問に感じました。
神戸市では「センター方式」が導入されている小学校もあり、中学校給食の「親子方式」の導入が難しい側面もあるのかもしれません。
しかし、まずは「デリバリー方式」で進めていくにしても、効果等の検証をしっかり行い、場合によっては方式の変更も含めた対応をしていただきたいと思います。


小学校で調理された給食がトラックで運ばれくる様子


配膳室内の様子


教室前の廊下で配膳


この日の献立は、牛乳・野菜のナッツ炒め・天むす・カレーうどん、でした。

視察@門司

2013-09-06 21:39:08 | 日記
その後、北九州市の門司へ移動し、北九州市産業経済局観光部門司港レトロ課の方から門司港観光施策についてお伺いしました。

もともと門司港は、明治・大正時代には日本を代表する貿易港であり、鉄道拠点で九州の陸・海の拠点であった。

しかし、①関門鉄道トンネル・関門国道トンネル・関門橋の開通で通過点となったこと、②戦後に大陸貿易がなくなったことから、衰退した。
そのスピードが急速であったため、建物を壊す余裕がなく多くの建物が残った。

そのような背景から、関門海峡の風景と建物を活かして衰退する門司港の活性化していくため、①歴史のいきづく大正ロマンのまち、②うるおいと活気に満ちたウォーターフロント、③特色ある文化創造の拠点、をコンセプトに昭和63年から事業に着手した。

第1期(昭和63年度~平成6年度)の事業では、国のふるさとづくり特別対策事業の補助金などを活用し約300億円(すべて公共)の総事業費で、「旧門司三井倶楽部」の移築修理・展望台の整備・「はね橋」の建設など建物修繕やインフラ整備を中心に行った。

平成7年にオープンしたが、想定以上の来客があり公衆トイレやレストランなどの施設等が不足していたこともあり、第2期(平成9年度~平成19年度)の事業では、約268億円(公共約125億円・民間約143億円)の総事業費で、滞在型観光拠点の整備などを行った。

また、平成7年オープン時にソフト面は民間にいっしょにやっていくため、行政(北九州市)・関係団体(観光協会、商工会議所など)・関係企業(JR九州など)・まちづくり団体(商店街振興組合など)などで構成する「門司港レトロ倶楽部」をつくり、イベント企画・実施などを行っている。

現在年間約280件のイベントが行われているが、必ずしもレトロにこだわらずやりたいことをやってもらっている。
観光客数は、ここ数年は約220万人で推移している。
今年度から、施設やイベントなどのリニューアルにむけた取組みを始めている、

といったお話でした。

門司港ではJRの駅舎を含め官民一体で町全体でレトロのまちづくり・雰囲気作りを行っていますが、神戸ではハーバーランドのレンガ倉庫など一角にとどまっています。

神戸港も歴史のある港ですから、門司港の取組みを参考にしながら、もう少し広範囲でレトロのまちづくりを行っていく取り組みも進めていくべきではないでしょうか。

参考:門司港レトロ倶楽部 ホームページ http://www.retro-mojiko.jp/


ブルーウィングもじ(はね橋)


旧門司税関


国際友好記念図書館

視察@広島

2013-09-01 22:19:50 | 日記
5月8日・9日と会派の有志のメンバーで視察でした。

5月8日は、まず広島市内の中学校にお伺いし、中学校給食の実施状況について視察しました。

広島市では、広域合併前の旧町村時代に給食を実施していた中学校以外の、旧市街の中学校などでは中学校給食は実施されていなかった。

しかし、実施を求める声があり検討に入る。

中学校給食には、バランスのとれた食事がとれ、給食の準備や後片付け等で人間関係の育成が図れるといった意義があるが、新たな給食施設の用地確保の土地や財源がないなどから、自校方式やセンター方式は困難と判断。

①昼休み時間や十分な昼食時間、クラブ活動等の時間を確保する
②家庭から持参する弁当も持参できるようにする、
といったことからデリバリー方式で実施することになった。

平成9年度から順次導入し、平成15年度から全校で導入となっている。

給食は、献立を教育委員会が作成(栄養士が3人所属)。
食材は一般財団法人広島市学校給食会で一括購入。
調理・配送・ランチボックスの洗浄及び保管といった一連の業務は、民間事業者7社で組織する広島市学校給食事業協同組合に委託している。

デリバリー方式は衛生管理上おかずが冷たかったり(ごはんは温かい)、つぎわけができないといった欠点はあるが、たくさんの品目のおかずを食べることができるといったメリットがある。

つぎわけについては、希望する学校には「おかわりジャー」を各クラスに配り、ごはんは量の調整ができるようにしている(おかずは一律)。

毎日の残食を見て、冷めてもおいしく食べられるよう味付けを工夫したり、おかずの組合せや食材のカットなどを工夫したりしている。
また、郷土食の日・地場産物の日といった日を作るなど毎日意図をもった献立を作ったり、小学校でプレ体験を実施するといった努力をしている。
その結果、平成15年度の申し込み率が48.9%だったのが、平成24年度には55.5%に増加している。

各業者は残食の具合をよく見ていて、お互いに情報交換しながら味付けやおかずの組合せ、食材のカットの仕方を検討しているが、おかずの色目がいいときは比較的お箸が進む傾向がある。

給食は毎月申し込みだが、食中毒の心配のある夏の時期は申し込み率が増え、冬は減る傾向にある、

といったお話でした。

神戸市もデリバリー(ランチボックス)方式による中学校給食を平成27年度中には全校で実施するとしています。
実施にあたっては、広島市の例などを参考に、多くの生徒が中学校給食を食べるような工夫・取り組みをしていただきたいと思います。


お伺いした中学校の前で


配膳室内の様子


給食。
この日の献立は、ごはん・牛乳・豚肉とたけのこの甘酢炒め・岩石揚げ・いかサラダ・オレンジでした。