ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

外郭団体に関する特別委員会管外視察 その2

2013-05-26 21:09:32 | 日記
11月8日は、まず「鹿児島市親子つどいの広場(なかまっち)」にお伺いしました。

「親子つどいの広場」は、子育て中の親とその子どもが気軽につどい相互に交流する場を提供することにより、子育てに係る不安感等の緩和を図るとともに地域の子育て支援機能の充実等を図ることを目的として建てられた子育て拠点施設。

愛称の「なかまっち」は、親子つどいの広場が中町にあることと、たくさんの出会いが生まれ多くの子育て仲間ができる広場になるようにという願いが込められて名付けられた。

施設には、子ども広場(交流スペース)・憩いの広場(情報スペース)・ママパパルーム(乳幼児親子のスペース)・赤ちゃんサロン(授乳やおむつ交換など)・施設などがある。

保育士・保健師・幼稚園教諭・看護師・助産師のいずれかの資格を有するスタッフが館長を含めて現在約10人が常駐し、その他に相談員が4名いる。

平成24年度上半期は約100名/日の利用がある。
今後は、より多くの方にご利用いただけるよう催しや支援内容等の充実を図ったり地域の核として他の子育て支援施設等との連携を強化し、情報の共有化や地域の支援者の資質の向上を図ることなどが課題、とのお話でした。

子育て中の親とその子どもの交流や子育ての相談ができるようなところは必要であり、神戸市でも保育所園庭開放やみんなの幼稚園事業、また地域福祉センター等での取り組みなどが行われています。
鹿児島のような子育て拠点施設が必要なのか、市民のニーズを聞きながら考えていきたいと思います。

参考:「なかまっち」ホームページ http://www.nakamatch.jp/

子ども広場


屋上広場


正面玄関



外郭団体に関する特別委員会管外視察 その1

2013-05-06 23:11:53 | 日記
11月7日から9日は、外郭団体に関する特別委員会の視察でした。

まず、11月7日は、久留米リサーチパークで、福岡バイオバレープロジェクトなどについてお伺いしました。

久留米ではバイオ関連企業の一定の集積や久留米大学医学部などがそろっている環境があったことから、久留米を中心にバイオ技術を核とした新産業の創出や関連企業・研究機関の一大集積(バイオクラスター)の推進に取り組んでいる。

研究開発支援、人材育成、ベンチャー育成、交流・連携・情報発信の4つの実施戦略を柱に拠点化に向けた総合的な取り組みを実施している。

久留米市を中心にすでに165社のバイオ関連企業が集積されるとともに、研究開発支援、ベンチャー育成支援体制などが高く評価され、日経バイオビジネス誌で全国バイオクラスター36か所中4位に選ばれるなどプロジェクトは順調に進んでいる。

最初の10年は医療に力を入れ、その代表的な研究として「がんペプチドワクチン療法」の開発を行っている。
「がんペプチドワクチン療法」は、患者自身の免疫機能を活性化させがん細胞を攻撃する治療法で、手術・抗がん剤・放射線療法に比べ副作用が少なく、再発予防効果がある画期的な治療法。
まだ臨床試験段階だが、全国各地から患者さんが治療に来られている。

今後は食品関係の研究にも力を入れていく。
(その成果の一つとして、種なしの甘い柿を作る技術を開発したとのことで、その柿を試食させていただきました。これまでは種なしだと渋柿しか作れなかったそうです。)

その他、全国初のバイオ専用のインキュベーションセンターやバイオファクトリーを備えており、バイオ企業200社の集積を目指す。

今後は、いかに結果を出し流出を防ぐかが課題。
研究段階からマーケティングをして売れるかを調査したり、産官学にプラスして金融との連携などに取り組んでいきたい、

といったお話でした。

神戸でもいかに医療産業の取り組みを市民に還元し成果を享受するかが課題ですが、久留米では「がんペプチドワクチン療法」により市民が最先端の医療を受けることができたり、市外から患者が治療を受けるため市内に泊まるなど一定の経済効果を生んだりしています。
神戸では「低侵襲がん医療センター」等が開設されるなどしていますが、それらの成果に期待をしたいと思います。
また、経済効果・産業化だけがすべてではありませんし、久留米は食品関係だからできるのかもしれませんが、あらかじめマーケティングをして研究を進めていくことも力を入れていくべきではないでしょうか。

*参考:「福岡バイオバレープロジェクト」ホームページ http://fbv.fukuoka.jp/

会派視察@大仙

2013-05-05 22:26:51 | 日記
11月1日は、大仙市役所で「空き家条例」についてお伺いしました。

大仙市のある秋田県南部は1m超の積雪がある地帯であり、平成17年の豪雪の際に空き家等への苦情が多く寄せられた。

積雪は、空き家の倒壊を引き起こす危険性があるだけでなく、雪が屋根から落下した際に通行人に怪我をさせたり、電線を切るなどの危険性がある。

各根拠法令があっても、実際には指導・命令しにくいということもあり、平成23年12月にいわゆる「空き家条例」を制定し、平成24年1月1日に施行した。

大仙市の場合は、代執行に関する規定も盛り込んでいる。

また、空き家対策として空き家台帳を作成している。
すなわち、自治会長等にどこが空き家かを聞いてまとめ、調査員が危険度判定調査を行い、調査票を作成している。
その作成にあたっては、補正予算を組んで調査員を雇用したり、民間業者にオリジナルソフトの作成を依頼した。

その調査に基づき、危険度が高いものから対応している。
平成24年3月には、学校に隣接しており過去にも火災があった物件に対し代執行も実施している。

また、大仙市では助成制度を設けている(大仙市空き家等の適正管理補助事業)。
一定の所得制限等はあるが、解体費の50%(最高50万円)を助成するもので、現在3件の申請がある、

といったお話でした。

市の規模などからすれば、神戸市では大仙市のように空き家台帳を作成すること等は困難ではないでしょうか。
また、積雪の影響など地域事情の違いもあります。
しかし、危険度が高いものから対応していたり、代執行に関する規定を設け実際に代執行を実施していたり、助成制度を設け活用しているなど、神戸市で条例を施行していくにあたって、参考にできる点は多いように思います。

会派視察@秋田

2013-05-04 21:15:01 | 日記
10月31日は秋田へ移動し、秋田県教育委員会から「秋田県における学力向上の取り組みについて」お伺いしました。

秋田県は「全国学力・学習状況調査」で全国の平均正答率を、小学校では各教科で5ポイント以上、中学校では各教科で4ポイント以上上回っている。

児童生徒への調査では、家庭生活が安定しており家庭学習が習慣化している。
また、児童生徒は学校の授業に積極的に取り組んでおり、地域への関心も高いというのが特徴。

学校への調査では、放課後や長期休業中の学習支援、補充的・発展的な学習などきめ細かな指導などに積極的な取り組みがうかがえる。

昭和39年に行われた調査結果では、秋田県はどの教科も全国平均を下回り40位前後であった。
また、市街地と農山村などでは成績に差があった。学力と所得の相関関係があり、農山村地域の学力向上が重要な課題だった。
しかし、現在では全県で一定の教育水準が確保され、地域格差が縮小されている。

秋田県では、まず少人数学習を推進してきた。
小学校1~4年生と中学校1年生では30人程度の学級編成やティームティーチングなどでの学習集団の少人数化を行っている。
小学校5・6年生と中学校2・3年生では、基本3教科で習熟別など20人程度の少人数授業ができるように人的配置を行っている。

また、教科指導に卓越した力を持っている教諭の資質能力を複数の学校に活用し学校の教育力を高めるため「教育専門監」、いわゆるスーパーティーチャーを認定している。
教育専門監は、本務校と兼任校でのティームティーチングによる授業実践や、教育実践の公開、各種研修等の講師をしている。
現在28人の教諭が「教育専門監」として認定され、4校に1校の割合で教育専門監が教えている。

さらには、指導主事が秋田の実情に合った問題を作って各学校に配信する「学力向上支援Web」などの取組も行っている、

といったお話でした。

学力向上に向けた学校での指導体制や教員の資質向上など参考になるお話も多かったですが、秋田では昭和の時代の雰囲気が残っていて家庭環境がよく家庭の指導力がある、通塾率は低いといったお話もあって、地域事情の違いもあるように思いました。
秋田では私立の学校が少ないですが、大阪など都市部は私立の学校が多くあります。
私立の学校が必ずしも「全国学力・学習状況調査」に参加しているわけではなく、「全国学力・学習状況調査」が各都道府県の学力状況を正確に反映しているとはいえません。
秋田の取り組みが一定の成果を上げているのは事実ですが、「全国学力・学習状況調査」の結果だけを見て評価するのではなく、冷静な分析をし参考にすべきは参考にしていくことが必要だと思います。

*参考:文部科学省ホームページ「秋田県における学力向上の取組」 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/hensei/007/1298236.htm

会派視察@多摩 その2

2013-05-03 21:48:12 | 日記
その後多摩平団地(多摩平の森)へ行き、UR都市機構のニュータウン・団地の再生についてお伺いしました。

多摩平団地(多摩平の森)は東京都日野市にあり、敷地面積は29.6haで昭和33年度から管理が開始されたが、老朽化により平成9年から建て替えに着手。
建て替え前は、1階から4階の低層の住棟で戸数は2,792あったが、建て替え後は6階から13階の高層の住棟で戸数は1,528になっている。
もともとの敷地全域で建替えたのではなく、民間業者に土地を譲渡しマンション等や商業施設の建設が行われているところもある。
また、もともとの住棟を活かした「住棟ルネッサンス事業」を行っているところもある。

UR賃貸住宅の団地再生では建替えという手法のみならず、持続可能なまちづくりという観点から、既存住棟を有効に活用するための実験的な試みでハード・ソフト面での再生手法に取り組んでいる。
「住棟ルネッサンス事業」は、団地再生事業の新たなメニューとして、民間事業者の創意工夫を活かし、UR賃貸住宅とは異なる住宅や子育て・高齢者施設等として再生・活用することで団地や周辺地域の魅力向上を図ることを目的とした事業。

多摩平団地では、引越して空き家となった5棟の建物を建物ごと民間事業者3社へ15~20年間賃貸し、各事業者が自らの企画・設計により改修工事を行い賃貸住宅等として活用されている。

①ある棟は若者や学生向けの「団地型シェアハウス」に、②ある棟はアクティブシニア等向けの「貸し菜園・庭付き共同住宅」に、③ある棟は高齢者向けの「サービス付き高齢者向け住宅」等、として活用されている、

といったお話でした。

「住棟ルネッサンス事業」は興味深かったです。
建て替えだけでなく既存の住棟を活用することは、費用が抑えられるだけでなく、さまざまな発想で多様なニーズに応えられる住居を作り出すことが可能です。
団地だけでなく、一般の賃貸マンションなどでも応用できる手法だと思います。
神戸市でも市営住宅などでこのような手法を活用したり、一般にノウハウを提供していくことも検討すべきではないでしょうか。

*参考:UR都市機構ホームページ「多摩平の森 ルネッサンス事業の概要」 http://www.ur-net.go.jp/rebuild/rn2/gaiyou/


団地型シェアハウス「えりんと多摩平」


貸し菜園・庭付き共同住宅「AURA243」


サービス付き高齢者向け住宅「ゆいま〜る多摩平の森」
エレベーターを外付け


「ゆいま〜る多摩平の森」の食堂兼多目的室


会派視察@多摩 その1

2013-05-02 23:55:54 | 日記
その後多摩市へ移動し、多摩南部地域病院で「多摩胃ろうネットワーク」についてお伺いしました。

在宅患者の急増に伴い胃ろうの管理トラブルが増えてきたことから、胃ろうの適正で安全な管理の普及のため、平成18年1月に胃ろうの造設・交換を行っている5施設を中心に胃ろうネットワークを立ち上げた。

地域連携パスを多摩市と共同で作成し、さらに総務省のモデル事業(ユビキタスタウン構想推進事業)でIT化に取り組んでいる。
つまり、医療・介護の関係者が参加した地域連携パスをIT化し、インターネットを利用した地域連携システムのブロードバンドネットワーク環境を活用し、多職種による患者情報の共有化を図り、在宅医療及び在宅支援の充実で、患者が安心して地域社会で生活できるよう取り組んでいる。

電子カルテのシステムは20数社が構築しているが、互換性がなく統一が不可能であったため、医師会等の協力により胃ろうについてクリニカルパス(紙情報)の共有を5枚に集約し、OCRで読み取りデータ化することでシステムを構築した、

といったお話でした。

「在宅医療・介護」は思うように進んでいないのが現状と思われますが、進めていくためには医療・介護間の情報共有などが課題になってきます。
そのためにIT化は有効な手段ですが、その前提として医療・介護・行政など関係当事者みんなが協力しようということが大事です。
多摩では「胃ろう」限定ですが、それができたからネットワークを構築できたといえるのではないでしょうか。
そのベースがあれば、他の分野にも広げていくことができていくと思われます。
神戸市もそのようなしくみの構築に主体的に取り組んでもらいたいと思います。

*参考:「NPO法人多摩胃ろうネットワーク」ホームページ http://www.tama-irount.com/