中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

毎日王冠(GⅡ)回顧

2011-10-11 23:40:00 | 回顧
12.8 - 11.5 - 11.8 - 12.6 - 12.4 - 12.0 - 10.9 - 11.1 - 11.6=1:46.7
(36.1-37.0-33.6)

ひと夏越して成長した姿を見せてくれたのはダークシャドウ。初のGI挑戦へ最高のスタートを切った。久々になるが、この中間は負荷の掛るWコースで入念に乗り込まれ下見どころでは身のこなしの柔らかい姿が目に付いた。今春のエプソムC時は大阪杯激走の反動で腰に不安を抱え、負荷の少ないポリトラックでしか追えなかったのとは雲泥の差だ。レースでは発馬後から無理することなくスッと後方に控える。レースの流れは超スロー。これを道中は後方3番手から追走する。気負うことなくリラックスした追走姿で鞍上との呼吸はピタリ。3,4角でも流れは一向に速くならなかったが、鞍上は無理することなくジッと我慢する。直線を向いて右手綱を引いてシンゲンの外めに進路を求める。だが、外のミッキードリームに締められる。立て直して追い出すと坂上で今度は前のアクシオンがフラついたために一瞬手綱を引っ張るシーンはあった。正味1ハロンから追い出しを開始した時にはまだ中団より後ろ。そこからグーンと切れ味に勝る末脚で差し切った。瞬発力勝負、底力勝負どちらでも対応できる決め手を持っている。天皇賞へ向け中間の攻め過程には注意を払いたい。

 3歳馬リアルインパクトが2着を確保した。中間の攻め馬では発汗が目立ち、当日も14㌔増。見た目にも余裕はあった。発馬でトモに重心が掛り、それほど出脚は速くなかったが、緩い流れということもありスッと二の脚で3番手へ押し上げる。道中の折り合いは実にスムーズ。4角までレースのピッチは上がらず直線へ。手綱をしごいてゴーサインを送ると、残り2ハロンからの坂上で先頭に並びかける。抜け出す時に左手前に替えてフワッとしたが、インをロスなく立ち回り粘りに粘る。ゴール前で勝ち馬の決め手には屈したが、仕上り途上で古馬と同斤量を考えれば十分な内容。距離も問題ないことが分かった。

ミッキードリームは中山記念同様に長距離輸送によってレース前からかなりイレ込んでいた。レースでは発馬で出脚が遅く手綱をしごいても先行することができなかった。仕方なく2ハロン目からは手綱を抑えて後方の外めに落ち着く。レースの流れは超スローのため馬群は凝縮し、外々を回らされる。4角では早くもステッキが入り、ハミを掛け直されて反応は鈍い。直線に入ってもかなりズブく、鞍上が懸命にステッキと手綱をしごいて末脚を伸ばす。一完歩毎に力強く伸びて際どい勝負まで持ち込めた。脚質に幅が出たのは収穫だが、長距離輸送とズブさを見せていた点に課題を残す。

 エイシンアポロンは転厩緒戦で休み明け。この中間は坂路を中心にみっちり乗り込まれ、最終追い切りでは力強い動きをしていた。レースでは、1番枠を利して昨年のこのレース同様に好位のインをぴったりと立ち回る。4角までは経済コースをロスなく運び、直線は先行馬が壁となり坂上で馬場の3分どころへ持ち出す。残り1ハロンを切ったところで左手前に替えフワッとする。そこで末脚が少し鈍り、前と脚色が同じになってしまった。ロスのない競馬ができたとはいえ、1年ぶりで勝ち負けに加わったのは評価できるし、攻め馬の動きは本物。

 ダノンヨーヨーは発馬後から内へモタれ、それを修正しながらの道中。直線を向き、一旦は馬場の5分どころへ持ち出そうとするも、進路がない。残り2ハロンを切ったところでインに突っ込む。鞍上が常に右手綱を引きながらの誘導で満足に追えない。それでも、差を詰めているのだから脚力は相当だ。ステッキが入った瞬間の反応も良かった。トモが緩くズブいため緩急のある流れだとエンジンが掛るのに時間を要するタイプ。それだけにラスト4ハロンから12秒0-10秒9の急流は厳しかった。叩いた上積みは見込めるし、本番でテンからある程度流れてくれれば。

 ナリタクリスタルは好発を決めるも、直後にズルズル後退して中団まで下げる。3角では後方集団まで下がってしまう。直線を向くと追って頭は高く、伸びはひと息。ゴール前は武豊の追いも甘く伸び切れなかった。このメンバー相手では決め手で劣ることは分かっていただけに、テンからある程度の位置で競馬したかった。理想をいえばシルポートがもう少し引っ張ってほしかった。ごまかしの利かない府中では厳しかった。

 シルポートは久々で攻めは動けていたものの、若干余裕残し。同型不在で楽にハナを奪えたが、ペースを落とし過ぎた。直線で楽な手応えだったが、あっさりと捕まってしまった。1800㍍も少し長い印象だが、ペースを落とし過ぎた。

 シンゲンは下見どころからイレ込み、相変わらずテンションは高かった。レースでは前に壁を作ることがきでず、なし崩しに脚を使わされてしまった。トモが緩いために追って頭が高くなるのも課題だ。

 

 

南部杯(GI)回顧

2011-10-11 23:39:20 | 回顧
12.0 - 10.9 - 11.4 -= 11.8 - 11.7 - 11.5 - 12.4 - 13.1=1:34.8
(34.3-23.5-37.0)
 
世界最高峰の舞台で輝いた実力は本物だった。トランセンドが苦しみながらGI3勝目を獲得した。海外遠征明けで半年ぶりの実践。攻め馬は積んでいたが、ハンデはあった。元々、上手くはない発馬地点の芝でモタつく。鞍上が懸命に手綱をしごいて行くも、反応は鈍い。ダート部分に差しかかっても鞍上の手綱は忙しく動く。ようやく3ハロン目から2番手に取り付く。しかし、レースの流れは芝並のハイラップ。3,4角でも息を入れることができず。発馬から一度も息を入れることができず、トランセンド自身はかなり厳しい競馬。4角では早くも手綱が動いて手応えは良くない。並の馬なら完全に馬群に沈むケース。直線に入っても鞍上が懸命に手綱をしごいて馬を持たせる。一旦は外のダノンカモンに差されたが、ゴール前で驚異の粘りを発揮して差し返してしまった。ドバイWC2着の実績は伊達ではなかった。着差以上に強い価値のある勝利だった。

 2着のダノンカモンは好発を決めてスーッと好位の外めに取り付く。今冬のフェブラリーS4着時は、道中のペースに対応できずズルズルと後退してしまったのとは対照的。超ハイペースに戸惑うことなく、道中の追走はスムーズ。直線を向き、一旦は先頭に躍り出るかの勢い。だが、抜け出す時に鞍上のステッキに反抗して尾を振る悪い癖を出す。フワッとした分、ゴール前で差し返されてしまった。

 3着のシルクフォーチュンは道中で行きたがるのを懸命になだめながら後方で脚を温存する。直線で外めに持ち出し、一完歩毎に力強く伸びたが、最後は前と脚色が同じになってしまった。

 ランフォルセは初めて経験するマイルGIの厳しい流れ。追走に脚を使わされた分、最後に伸びるお釣りがなかった。いい経験になった。