鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

鏡の国の現実では“火のない所に煙が立つ”ことがあるかもしれない(GLASS1-8)

2011-03-19 22:44:52 | Weblog
 暖炉の上の鏡の中に広がる鏡の国。ところが鏡の国の暖炉は鏡の真下なので、中が見えない。果たしてそこに火は燃えているのか?アリスが言う。「こちらの火が煙を出して、鏡の向こうの部屋で煙が上がれば、あなたは火があると言えるわ」と。

 PS1:“火→煙”の因果連関(=“火のない所に煙は立たぬ”)。そして火が煙という結果の唯一の原因なら、火はある。アリスの言うとおり。ここでは場面が暖炉だから“ドライアイス→煙”の因果連関はまずありえない。ところがこのような日常的現実と鏡の国の現実は異なるかもしれない。

 アリスが話を付け加える。「でも鏡の向こうの部屋で煙が上がったとしてもそれは見せかけかもしれない。その部屋で鏡の国の人々が火をたいているように見せるただの見せかけ!」と。

 PS2:“火→煙”の因果連関が日常的現実で生起するからといって、鏡の国の現実で“火のない所に煙が立つ”ことが否定されはしない。

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