迷歩録 答え

　　秋雨や　　雫を垂れて　　花盛り


　　　　　命の水や　　ありがたきかな


　　　　　　　ひのひら　　ろくべえ





　　　知人援助には答えはない。コミュニケーションが中心の仕事には答えはない。それはこの世の中に同じ人は

　　二人といないからであろう。しかし、多くの人は、マニアルを欲しがり答え探しをしている。特にその中でも

　　職場研修という催しでは、如何にもこれが答えですと言う先生の話を聴き、それで解かった気になる。しかし

　　実際の場では役に立たない、そのうちに忘れてしまう。高い講師料は一時の慰めに過ぎないといったことが、

　　続けられる。これも答え探しなのである。答えは探しても探してもない。対人援助職のコミュニケーションは

　　誰も歩かない道を手探りで歩いているようなもの、だから答えはつくるもの、見つけるものなのである。

　　　如何なる参考書を見ようが、そこには答えはない、でも、ヒントは沢山ある、ヒントを手に入れたら、答え

　　をつくる。見つけることが大切ではないだろうか、コミュニケーションは常にオリジナルな行為、自分のやり

　　方、方法を熟成することが大切なのであろう。

　　　答えのないものの答えを探し悩んでみても、悩むことに疲れてしまう。迷いながら歩く道、迷っていること

　 に悩むのでなく、自分で自分の道を手探りで探し、自分の足跡をつくり、見つけることが大切ではないだろう

　　か。そのためには考える習慣をつくり、考えて答えをつくる見つけ出すそのような人間を目指し、ヒントを見

　　つけオリジナルなコミュニケーション技術を持ちたいものである。