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迷歩録   おもねる

2017-06-27 12:39:04 | 日記
 <strong> 梅雨空に  トマト鈴なり  陽射待  色付け笑う  梅雨明けの朝


                              ひのひら  ろくべえ




    おもねる」(阿る)とは、面(おも)練る(ねる)顔を左右に向ける意、機嫌を取って相手の気に入るようにする。へつらう

    追従する。(広辞苑)とある。日本の大企業たかたが民事再生法を提出した、事実上の倒産である。車社会を支えてきた日本企

    業の倒産は、日本という技術大国にとっても痛手ではないだろうか。タカタの問題は経済評論家によると、車会社大手の顔色は

    見ているが、消費者の顔は見ていなかった。そのために問題発覚後の対応が遅れたなどと評する人もいる。つまりリスクマネー

    ジメントはできていなかったという事であろうか。力あるものに「おもねる」ことはできても消費者にはできなかったことが、

    このような結果に至ったのではないだろうか。人間も同じことで時の権力者に「おもねく」だけでは成長はままならないという

    ことではないだろうか。大声で秘書を罵倒したり暴力を振るう衆議院も、政党の幹部には「おもねいて」いたようだ、そのスト

    レスを秘書に向けるとはもってのほかだが、時の幹部に阿諛追従(あゆついしょう)することだけはできていたのであろう。

    「おもねる」ことがすべて悪ではなく、誰のために何のために「おもねく」のかが大切なのではないだろうか。私利私欲のため

    だけに阿諛追従する姿は、大衆には受け入れられないのかもしれない。

     阿諛追従とは人に阿って、こびへつらう事とある。阿諛とはお世辞を言って機嫌を取ること、追従はおべっかいを使う事と広

    辞苑にある。つまり現代社会はこのような人が増えているのではないだろうか。努力なしで「おもねる」ことだけに知性を磨き

    自分自身の人間性を磨くことを忘れてしまったのかもしれない。そのような人は。本末転倒で「おもねる」ことが人生の中心と

    なり、自分らしさをつくりだすことは忘れてしまうのかもしれない。言い換えればそれほど時の権力が強いという事にもなる。

    このまま発展を続けると、権力の増強がますます強くなり、ゆくゆくは独裁とか、一党支配などの状況になっていくのかもしれ

    ない。国民はその点に注意を払う必要があるのではないだろうか。

     対人援助の場でも、管理職や、経営者だけに「おもなく」タイプの援助者をよく見かけるが、本当にそれでいいのか自分を問

    いただしてみてほしいものである。誰もが出世をしたい気持ちは理解できるが、人生とか出世というものは、急がば回れである。

    自分の得意なものを獲得して、そのものを武器として活用することで、オリジナルな自分というものをアピールできる。確かに

    受け取る側が気づかないことも多々ある。しかし自分の道を頑なに歩くことも必要なのではないだろうか。無能者が考える「お

    もねく」ではなく、将棋の少年の様に、我が道を創るというプロセスの中にこそ、自分らしさを見出すことができるのではない

    だろうか。対人援助と職業は地味な仕事である。何もない日常生活が当たり前、当たり前はだれも良い評価などくれない。しか

    し、クライアントは喜んでいる。それでいいのではないだろうか。誰にも「おもねく」ことなく、人間として恥ずかしくない言

    動を続ける援助をすることが、援助技術なのかもしれない。