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帰りたい

2015-07-08 15:42:22 | 日記
 久方の  光届きて  汗ばみて
  
           初夏の味わい  胸や膨らむ

                    ひのひら  ろくべえ





   認知症の周辺症状に、帰宅願望が強い人が多くいる。この帰宅願望は介護する者

  にとっては、対応に苦慮する一つの症状であろう。帰りたいと訴え、一晩中歩き回

  る。昼間も帰りたいと施設の出口を探し回る。独りでに施設を出て行くなどの行為

  を繰り返す。家族や介護者はその対応にふりまわされることも、しばしばであろう

  振り回されるが故に、その本を質が見えない時がある。そんな時は、制限したり、

  行動規制をする方向になる。気をつけたいものである。大切なのはその本質を解

  ろうとして、かかわることではないだろうか。共通課題として生物が本来持って

  いる帰巣本能との関係である。帰巣本能とは生物、人間や哺乳類、鳥類、魚類、

  昆虫類など、多くの動物が、以前住んでいた場所、生まれた場所、生活を多くし

  ていた場所、などに本能的に変えるという習性を言ううらしい。この習性は人間

  にも備わっていて、知的コントロールが困難になると、その本能のままに行動をと

  り始める。だから周りの人が、いくら言葉で説明説得しても通じない。通じないば

  かりか、相手を不愉快にさせてしまう。そんな状況下でも、相手のためにと家族や

  介護者はかかわり続けている。しかしこのかかわりが、相手に届かない表面的なか

  かわりとなってしまえば、不愉快な存在となってしまう。そうならないためには、

  時間をかけて、相手の思いを理解しようとする姿勢を持ち、相手と共に生活する

  意識を高め、共に行動し、自ら不自然さを感じてもらう事に努力できたらいいの

  ではないだろうか。介護者の価値観でなく、相手の人の価値観を受け入れるエネ

  ルギーを持ち合わせたいものである。帰りたい、帰りたい。解りたい、解りたい。