久方の 光届きて 汗ばみて
初夏の味わい 胸や膨らむ
ひのひら ろくべえ
認知症の周辺症状に、帰宅願望が強い人が多くいる。この帰宅願望は介護する者
にとっては、対応に苦慮する一つの症状であろう。帰りたいと訴え、一晩中歩き回
る。昼間も帰りたいと施設の出口を探し回る。独りでに施設を出て行くなどの行為
を繰り返す。家族や介護者はその対応にふりまわされることも、しばしばであろう
振り回されるが故に、その本を質が見えない時がある。そんな時は、制限したり、
行動規制をする方向になる。気をつけたいものである。大切なのはその本質を解
ろうとして、かかわることではないだろうか。共通課題として生物が本来持って
いる帰巣本能との関係である。帰巣本能とは生物、人間や哺乳類、鳥類、魚類、
昆虫類など、多くの動物が、以前住んでいた場所、生まれた場所、生活を多くし
ていた場所、などに本能的に変えるという習性を言ううらしい。この習性は人間
にも備わっていて、知的コントロールが困難になると、その本能のままに行動をと
り始める。だから周りの人が、いくら言葉で説明説得しても通じない。通じないば
かりか、相手を不愉快にさせてしまう。そんな状況下でも、相手のためにと家族や
介護者はかかわり続けている。しかしこのかかわりが、相手に届かない表面的なか
かわりとなってしまえば、不愉快な存在となってしまう。そうならないためには、
時間をかけて、相手の思いを理解しようとする姿勢を持ち、相手と共に生活する
意識を高め、共に行動し、自ら不自然さを感じてもらう事に努力できたらいいの
ではないだろうか。介護者の価値観でなく、相手の人の価値観を受け入れるエネ
ルギーを持ち合わせたいものである。帰りたい、帰りたい。解りたい、解りたい。
初夏の味わい 胸や膨らむ
ひのひら ろくべえ
認知症の周辺症状に、帰宅願望が強い人が多くいる。この帰宅願望は介護する者
にとっては、対応に苦慮する一つの症状であろう。帰りたいと訴え、一晩中歩き回
る。昼間も帰りたいと施設の出口を探し回る。独りでに施設を出て行くなどの行為
を繰り返す。家族や介護者はその対応にふりまわされることも、しばしばであろう
振り回されるが故に、その本を質が見えない時がある。そんな時は、制限したり、
行動規制をする方向になる。気をつけたいものである。大切なのはその本質を解
ろうとして、かかわることではないだろうか。共通課題として生物が本来持って
いる帰巣本能との関係である。帰巣本能とは生物、人間や哺乳類、鳥類、魚類、
昆虫類など、多くの動物が、以前住んでいた場所、生まれた場所、生活を多くし
ていた場所、などに本能的に変えるという習性を言ううらしい。この習性は人間
にも備わっていて、知的コントロールが困難になると、その本能のままに行動をと
り始める。だから周りの人が、いくら言葉で説明説得しても通じない。通じないば
かりか、相手を不愉快にさせてしまう。そんな状況下でも、相手のためにと家族や
介護者はかかわり続けている。しかしこのかかわりが、相手に届かない表面的なか
かわりとなってしまえば、不愉快な存在となってしまう。そうならないためには、
時間をかけて、相手の思いを理解しようとする姿勢を持ち、相手と共に生活する
意識を高め、共に行動し、自ら不自然さを感じてもらう事に努力できたらいいの
ではないだろうか。介護者の価値観でなく、相手の人の価値観を受け入れるエネ
ルギーを持ち合わせたいものである。帰りたい、帰りたい。解りたい、解りたい。