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ばあやの のんび~り日記  

還暦をむかえてからパソコンの勉強を始めて
傘寿も越えてしまいました。
いつまでパソコンできるやら・・・

避けられない老い

2013年02月18日 | 気がかりなこと

 それでもまだ・・・

 

親友、Tさんのこと  (2月9日)
ぽかぽか陽気に誘われて、一人で 隣町の大型ショッピングへ。
土曜日のことで駐車場は、満杯状態。店内入り口から、う~んと離れた外柵きわに駐車。
冬物の一斉バーゲンセールを展開中で、にぎわっていたが
これといって何も買い物はなく、ブラリとひとまわりした。

暖房が効いているので、のどが渇いてアイスクリームを買って、ベンチで一休み
この近くに住んでいるTさんのことがふっと頭に浮かんだ。
ひさしぶりに行ってみようか・・・

「 あ~、Tさん? 元気にしとる? いまね、すぐ近くまで来ているけど・・・」
「あら、杏子さん!!ひさしぶりねぇ いまからおいでよ!!」元気そうな声にホッ!

時計をチラリ、もう15時頃のことだったが、ふかふかのパンをおみやげに、
いそいそと車を走らせた。



Tさんとは、もう40年以上のお付き合いで、お互いに子どもの保育園時代からの友人。
8才離れたお姉さんのような思いでいる。

玄関前に車を寄せると、もうTさんが出迎えていて、その心使いがうれしくて
二人で手を握りしめあった。
5~6年位前に、癌で亡くなられたご主人を、いまも思い出すたびに涙で曇るめがね。
ハンカチでぬぐう仕草が、愛おしくてたまらない。

あいかわらず、きれいに整理された玄関へ。
見慣れた廊下をつたって、いつものキッチンへ行く
??・・・ そこが一変しているのに、唖然となってしまった。

大きなテーブルの上は、ところ狭しと物置に変身していた。
食品、くだもの、調味料、ふくらんだままのスーパー袋、食べかけのご飯とおかず、そして一人暮らしなのに、あいかわらず大きな鍋がで~んと座っていた。
雑然としたままだ。
流し台には大きな鍋や、お皿、お玉、食器類などが、これまた放置されたままだった。

いったいどうしたことか?
あの几帳面だったTさんの異変がとても気になった。
居間のまわりは、洗濯物が山積み、新聞、雑誌、、食器類、衣類、未開封の郵便物、バックなどがあふれていて、テレビはガンガンとなりっぱなし・・・
Tさんは、「ほら、早くこっちにおいでよ」と座布団を2枚 だしてきたが・・・
絨緞の上には、小さい異物が散らばり、座る場所もないような状態だ。
「いったいどうしたの?」と言いそうになり、あわてて口をつぐんだ。

1週間に2回、近くのディケアから8時半にお迎えが来るからと下着や、洗面具等をそろえて
「お化粧もちゃんとして、身だしなみも済ませて待っているのよ」というのだが、
同じ話しの繰り返し、いま話したことをまたたずねては感心している。

しばらくすると
子供さんは、もういくつになったの?結婚したの?孫さんは何人?と矢継ぎ早に聞くので
どうどうめぐりもいいとこ、めんくらってしまった。

老いとは、こうしてやってくるのか?と悲しさが先に湧いてきた。
長男さんはもう50歳近くでまだ独身、二男さんは子ども連れの女性と結婚し、
バスの運転手で東京方面への深夜バス勤務で、なかなか実家への帰省もままならぬらしく、
Tさんは寂しい一人暮らしが続いている。

いずれ、だれでもこうなる宿命を背負っているとは思われるが、
それにしても寂しいだろうなぁ・・・

話に夢中になり、時計はもう17時近くになっていた。
「じゃぁ またね」と帰りかけたが、
「なんのおみやげもないけど、これ持って帰ってネ」とさしだしたのは、わたしが
おみやげにと差し上げた、ふかしたてのパン。
もう冷たくなっていたが、しきりにすすめる・・・

わたしからTさんへのおみやげだったとはわからないらしい。
それをしきりにおみやげに持って行ってという、Tさんの横顔をみていると、 
悲しさばかりが溢れてきた。

またきてね!とTさんがにっこりして手をふる。
車のバックミラーには、Tさんの姿が、小さくなるまで写っていた。

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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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せつないですね (ひまわり)
2013-02-18 06:44:09
涙が出ました 老いとは悲しいですね

そう云う状態にならないよう お片づけ頑張っています
面倒で まぁーいいか? の時  駄目 片づけなさい の声
自分で自分のお尻を叩いていますが 認識出来なくなった時が怖いですね
>同じ話の繰り返し
2時間あまり よく聞いてあげられましたね
これって忍耐が要りますね~
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老前整理もそろそろ (杏子)
2013-02-18 22:39:14
ひまわりさんへ

今日は雨水、なんとなく雨も気にならないような・・・
水仙の花が庭と畑でいい香りをつげています。

いつか訪れることとは言え、目の前にすると、やはりドキッ!とします。

我が家も築後25年、今はもう不要なりの品物がいっぱい。何から手をつけてよいやらと!!
これはまだ要るかも?と、しばし眺めることしきり、なかなか始末がすすみません。

あ~、それにしても年はもう要らんけど~
返信する
明日は我が身? (koyuko)
2013-02-19 14:53:05
身につまされますね。

明日は我が身かもしれません。
それにしても、杏子さんを良く覚えていらっしゃいましたね。

私の友人で、最近 同じ話を何回もするようになった人がいます。
年と共に誰でもそうですが、特に彼女は最近ひどいです。物忘れも甚だしいです。
いつも、「人のふり見て我がふりなおせ」と反省してますが、年は取りたくないですね。
返信する
記憶喪失は怖い! (杏子)
2013-02-19 23:27:17
koyukoさんへ

完全な認知症状ではないようでした。感動したり、強いショックを受けたりしたときに、ふっと昔のことや、記憶に残ることなどが、はっきりと思い出すのだそうです。

脳の海馬の働きが左右するそうですが、過去にわたしも
3度、記憶を失ったことがあります。

1回目は24時間完全に失っていて、いまもそれは判りませんが、家族からの話を聞いてそうかなぁと思うぐらいです。
あまり神経質にならないように気をつけています。
返信する
老い (うっちー2)
2013-02-22 20:49:14
皆さんが通る道 私も
楽しく 明るく ありたいものですね
避けて通らず 毎日がたのしく過ごせる様に
努力が必要ですね。
返信する
ごぶさたしていますが・・・ (杏子)
2013-02-22 21:42:02
うっちー2さんへ
コメントを
このごろ更新おさぼり中ばかりです。

平均寿命も、またまたながくなりましたね。
こどもたちには、なるべく迷惑をかけないようにと、心してはいれども、いつどうなるか分からないし・・・
しかし、気持はあかるく、「これからじゃ~」と
毎日をすごしています
返信する
こんばんは・・ (ako.)
2013-02-27 03:27:59
話を読んで 杏子さんのその時の気持ちを思うと悲しくなってきます
うちの母 まだ大丈夫だと思うのですが
時々 あれ?と思う事も多々あります
こうして老いはやってくるのですね
この頃 母を見ていて 自分が年を重ねた時の事を
考えるようになりました
誰もが そうはなりたくないと思っていても
どうなるかは 分からないですもんね
返信する
いつまでも笑顔をわすれないで (杏子)
2013-03-05 23:17:57
akoさんへ
老いは避けようがありませんが、見守る誰かがいるだけで
少しでも良い方にいけるかも知れませんね。
お母さまもそうですね。
娘さんやお孫さん、そして ひ孫さんにも恵まれてお幸せだとおもいますよ、どうぞお大事になさいませ。

今まで映画『男はつらいよ』がBS放送で上映されていましたので、一緒に見ていました。

夫が、涙をながしながら笑っている姿。
抗ガン剤の副作用で少しムッつり気味でしたが、こんな笑顔は久しぶりのように思いました。
老いても二人でいれば喜びは2倍に、悲しみは半分に。
笑顔は認知症へのいちばんの妙薬、また病にも・・・

小さい子ども達と接すると、認知症の回復にも効果があるとか今日のニュースでもみました。

Tさんの、心からの笑顔にまた逢えるように、これからも時々は遊びに行ってみようと思っています。
一人では笑えませんものね。
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