教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

新学期に向けて

2011年04月08日 | 学校の話題
【当たり前に春を迎えられるってスゴイ…見えないつながり】4月になり、私は多くの桜を眺めながら○○中に出勤する毎日です。いつまでも寒かった冬が終わり(大阪では珍しく3月下旬になっても雪が降ったね)、春になり、新学期が始まり、皆さんは2年生になり、私は一つ年齢を重ねました。これといった努力をしたわけではないのに、こうして皆さんと再会できたことを、とても凄いことだと思っています。冬が終われば春が来る…当たり前のことと思うかもしれませんが、しかしこの春を迎えることができず、ピリオドを打たされた命がたくさんあったのです。
 3月11日、私は皆さんと一緒に体育館で卒業式の準備をしていました。その作業の最中に地震が起きていたことを何人かの先生から聞きました。でもそのときは、こんなに深刻な事態が進行しているとは知りませんでした。死者行方不明者合わせて2万7343人(4月7日午前10時現在警察庁発表)。この地震による最終的な犠牲者は3万人を越えるとさえ言われています。宮城県や福島県の中には、入学式や始業式の目処すら立たない小中学校もあり、○○中にも被災地からの転校生があったのです。偶然に被災地にいたために命を終えた人がいるということは、偶然に被災地以外の場にいたために救われた命があるということです。その一つひとつが私たちだと思うと、よりお互いを大切にしようと思うのではないでしょうか。皆さんが3月に集めた被災地への募金は256521円でした。見たこともない人達にさえ多くの義援金が届けられたのです。クラスの中で、目の前で困っている人がいれば気軽に手を差し出すことができる、そんな2年生になって下さい。

【ゴールから逆算する】中学校生活も既に三分の一が終わりました。一年生の終わりには2年後の自分への手紙を書きました。2年後とは中学校生活のゴールを迎える時期です。2年生のこの一年を、常にゴールを頭のどこかで意識して生活を送って欲しいと思います。ゴールを目指してドリブルをするものだけがシュートを決めることができます。何も目指していなければ、卒業はゴールでなく単なる出口になってしまいます。二年生になった今、ゴールを意識する=目標を持った中学校生活を送ることが大切です。中学校入学時に考えた目標が見えなくなっている人は、これを機にもう一度目標を立て直すのも良いでしょう。熟慮の結果、違った目標になっても構わないのです。