教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

こんな母の日のプレゼントもあるのです

2007年06月01日 | 子育て
 皆さんにとって『母の日』はどんな一日だったでしょうか。下の記事は2年前の朝日新聞『ひととき』というコーナーに掲載されたものです。「息子がくれた最高の贈り物」というタイトルを見て、幸せな一日を送ったのだろうと思い読みはじめました。
予想は見事に裏切られ、涙が溢れました。こんなことを「最高の贈り物」と喜べるようになるまでに、このお母さんはどれだけ悲しい涙を流したのだろうかと思います。同時に我が子の欠点ばかりが目に付く自分に反省したのです。皆さんにとって母の日の最高のプレゼントとは何なのでしょうか。

新聞から~和歌山市 39歳主婦
 186㌢、104㌔という健康そのものの息子が昨年9月、足の痛みを訴えて病院に行きました。
 診察結果は悪性骨肉腫。多発性で肺にまで移転していると言われ、何がなんだか分からないまま入院しました。
 病気と闘った7ヶ月の間、私には一言の愚痴も言わず、弱音も吐かず、周りの方々からは温かい励ましと心遣いを頂きました。
 最先端の治療をしていただきましたが最悪の結果となり、4月26日、16歳8ヶ月の若さであの世へ旅立ちました。たった一人の最愛の息子でした。
 8日の明け方。その息子が夢の中で「お母さん!筆箱とノート忘れた」と言って自転車にまたがり、生前の元気な姿そのままで戻ってきたのです。はっきりと話をしました。忘れ物を渡し、「ゆっくりと気をつけて、学校に遅れないよう行くんやで」と言って、お尻をポンポンとたたいて送り出しました。
 目が覚めると、その日は母の日でした。寂しく、心細くなっていた心が癒され、ポカポカした温かい一日になりました。
 旅立った息子が出来るたった一つの最高のプレゼントでした。