へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

今年も元気、つくばった駅伝大会2

2011-12-01 13:28:15 | へちま細太郎

こんにちは、へちま細太郎です。

駅伝大会の続き。
先生たちが腰元のかっこうをしていたおかげで、他人には誰が誰だかわからない状態になっている。
おかげで、藤川先生目当てでやってきた女性たちは、右往左往していた。
ぼくたちは、見分けがつくけどね。
うすらでかいのぶちゃん先生は、腰元のかっこうを嫌がり、今年もきらびやかな坊さんになっていて、
「いいとこ天海か、白河だな」
と、けんちゃん先生に嫌みられていたけど、しかし、腰元スタイルがこうもマンガチックになる人も珍しい。
夢に出てきそうなのが金本先生で、逆に色の生っちろいおとうさんは、中学生に見えた。
藤川先生といえば、走る気がないらしくGTOの反町みたいなかっこうでバイクにまたがっていた。
「年食って、再びゾクに戻るやつが増えているみたいだけど、おまえ、大丈夫か」
と、おめえに言われたくないね、と返したくなる副住職さんがちゃんとしたお坊さんの袈裟スタイルで、つくばった町長さんと藤川先生に呆れた視線を向けていた。
この町長さんの今年のかっこうは、ジャック・スパロウだけど、どうみたって因業な海賊だ。
「おまえね、中学生の結婚相手になってみろよ、下半身も萎えるわ」
と、怒り心頭だ。
「高校生ならいいのか」
「女子大生ではどうだ」
と、口ぐちに言われ、
「は、年食った坊主が熟女のシスターと結婚するなんでもアリな状況とは違うわ」
と、ふてくされている。
「そういえば、御住職は?」
町長の秘書がいまさらのように尋ねれば、
「ハワイに新婚旅行だ」
と、副住職さんは不愉快そうな答えを返した。
「藤川家に連なる方々は、いやお盛んですな」
お愛想のつもりか、秘書の言葉に藤川先生は胸倉をつかみ、
「てめえ、次期町長選挙で落選させてえのか」
と、すごんでみせると、秘書は逃げだしてしまった。
「あの野郎、高校時代に俺に病院送りにされたのを忘れたのか」
藤川先生はヤンキーに戻ってしまったのか、地が出たのかこれがまたサマになっていて、反町顔負けのかっこよさだ。
「私、魅力ない?」
野茂の言葉がよみがえってきたけど、たぶん魅力とか中学生とかそんな問題じゃなく、藤川先生の好みのタイプじゃないんだろうな、とTシャツに上着をひっかけただけのかっこうをみてぼくは思った。

ところで、今年もまた勝敗そっちのけでの競争に、会場と駅伝ルートは大爆笑の渦に巻き込まれ、用意されていた野菜もコメも完売した。
先生たちと製薬会社の人たちは、前日の宴会のおかげで、今年も吐きまくり、終わるや否や、
「じゃ、金曜日7時に、うちの合宿所で」
と、言葉を交わして解散していった。
結局、毎年同じ終わり方だね。



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