へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

意外に重かった野茂の女心

2011-12-05 11:49:31 | へちま細太郎

こんにちは、へちま細太郎です。

無茶苦茶なご隠居たちの陰謀で、藤川先生と婚約させられそうになっている野茂。
中学3年なのにかわいそうだ、と思ったのは最初だけで、あとはだんだんうざくなってきて、ぼくはため息の毎日。しかも、こんなこと誰にも言えないから、野茂の愚痴はぼくにだけ向けられるから、ぼくは野茂のため息の分だけ、頭痛が増えてくる。
「だからね、おじいちゃんが藤川先生を説得するからもう少し待っていろ」
「結婚式は、教会がいいか?でも藤川家は自宅だからなあ」
「早くひ孫がみたいぞ~、って毎日うるさいの。私の気持ちなんかそっちのけ」
さっぱりしている性格かと思っていたら、まったくそうじゃなくてぼくはイライラ。
藤川先生に話したくても、
「俺はあんな小娘の話なぞ聞きたくないからな」
と、拒否をされてしまい、けんちゃん先生も「とりつくしまもねえな」とあきれ顔。
「どうすりゃいいの、俺」
涙目で訴えれば、
「簡単だよ、おまえが野茂に手をつけちまえば?まだ、ドーテーなんだろ」
と、教師とは思えないセリフをかまされた。
「う、うるせえや」
どうせぼくは、手も握ったことなんかもないや。
「早くなくしとけ~」
早かろうが遅かろうがどうでもいいじゃないか、それに僕は野茂なんか女にみええねえやあ。
「おまえはそうでも、野茂は違うと思うけどな」
なに?
けんちゃん先生はにたりと笑うと、中指を突き立てた。
「なんだよ、それ」
ぼくは非常に不愉快な気分になったぞ。



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