へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

スタンプラリー

2017-01-26 13:19:53 | へちま細太郎

毎日、寒い今日このごろ。。。
ネコが欲しいと思う、へちま細太郎です。

大学では後期試験に向けて、ノートが飛び交っている。俺は、悪友のたかひろたちに教わったやり方で、授業を録画するというトンデモなことをしていたので、レポートもばっちりだ。
このやり方は、絶対にバレてはいけない。なぜなら、あちこちから救済要求がすごいからだ。
やめておくに限る。
もっとも、録画しなくたってちゃんと講義はきいているけどね。
ところで、最近、荒波が大学でみかけなくなった。さては、藤川農園を脱走したかな?と思いきや、
「これだよ、これ」
と、白崎と後藤がかばんから取り出したのは、
「スタンプラリー?」
ドラゴンボールの悟空が表紙のJR東日本のイベント冊子だった。
「あいつ、ドラゴンボールの大ファンで、それで今、スタンプラリーやってんのよ」
そういえば、去年の同じ時期、藤川先生がこういう冊子を持って、土日に東京都区内の駅をかけめぐっていたっけ。
「去年まではウルトラシリーズ、今年はドラゴンボールだって、61だかいくつかの駅にスタンプが設置されていて、まずは7つ、次は30、そして全駅制覇コンプリートして記念品をもらおう」
「へー」
こんなもん1日でまわれるじゃんかよ、とつぶやけば、
「1冊で満足するようなやつか?」
と、後藤は、7つも集まっていないスタンプ押印ページを開いたまんまに放置している。それを手にとって
「誰だよ、ジャコって」
と聞いてみると、
「シラネ」
と返ってきた。
「俺、ドラゴンボール好きだけど、日曜日の午前中、草むしりで見てないのよ」
白崎はため息をつき、後藤は大あくび。
「ドラゴンボール超(スーパー)のキャラよ」
後方から手が伸びてきた。
「あ、梶谷女史」
後藤は、少々どぎまぎした様子で、いかにも研究肌といった優等生の梶谷真紀を振り返った。
「今年は、ドラゴンボールだから、私も週末まわっているのよ」
へー。
「近藤君も一緒にまわる?」
と、冊子をめくりながらさらっと誘ってきやがったけど、
「いや、興味ない」
と答えてやった。
ホントは、はるみのやつがドラゴンボールの大ファンで誘いを受けている。興味ない振りをしたら、
「あーそー」
と答えて、どうやら一人でまわっているらしい。
「スキでしょ?ドラゴンボール」
なおもしつこいので、
「興味ない」
と改めてこたえた。
うるせえんだよ。男同士の会話に割り込んでくんな。
俺、優等生タイプの女には、二度と恋しないもんね、悪いけどさ。
「で、荒波、毎日いってんの?」
「もう、5冊目っていってた。。。」
ばかか。。。

*一人1冊にしてください、と注意書きしてありますよ❤
土日は、都区内切符が便利です。
私は、まだ7つだ~!!




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