こんにちは、へちま細太郎です。
ぼくたちは地震の日、午後は総出でキャンパス内大清掃だったために外にいた。
すさまじい地鳴りと木々が揺れたり、校舎のがたがたいう音が聞こえてきて、かなりの大型の地震だということがわかった。
たかのりの担任の赤松は衝撃で腰を抜かし、一番悲鳴をあげてうるさかったのはやっぱりはるみだった。
さすがに野茂は落ち着いててきぱきと行動していて、中学の生徒会長だけはあるな、と感心した。
え?いつ決まったのかって?
そりゃ、空白の時期ですよ
でもって、実は大学の園芸学部の畑の入口には、あの田吾作の銅像が立ってたんだけど、根元からポッキリと折れてしまった。
藤川先生はここぞとばかりに銅像を穴に埋めてしまい、首から上だけが出ていただけだった。
「とんでもねえ子孫だ」
タコ壺保健室の匿名希望の東山先生が呆れている。
太陽に照らされていっそう不気味に輝いている小百合はふるふるふるえていて、
「お、余震」
といわれるなり、リポDをぶっかけられて満足の武者震いをしていた。
「ずいぶん、いい待遇だね」
と質問すると、
「地震の前から様子がおかしかったから、抱えて外に出た瞬間揺れた」
といつになくほめているではないか。
「かわいがってやるか、これからは」
匿名希望の東山先生は、それでも六甲おろしを小百合に聴かせながら葉っぱを丁寧に拭いていた。
田吾作の銅像とエライ違いだな。
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