へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

バレンタインデーイブ 2

2015-02-13 23:32:11 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

バレンタインデーの前日の今日は、登校日だった。
ぜって~、わざろだろ。
といいつつ、スクールバス待ちしていたら、めっちゃきれいになった孟宗の先輩が、
「これから会社なの~。義理チョコ買わなかったから、細太郎君のチョコに命かけちゃった」
と、ぐっとくる笑顔で紙袋を手渡してきた。
「あ、どうも」
と、クラクラした気持ちで先輩を見つつ、はるみを見れば、余裕かました表情でたかのりとしゃべっている。
おととしくらいまでは、きいきいうるさかったんだだけどな。
拍子抜けした。。。
わがままなはるみもよかったってか?
よくねえよ。
そこへ、キチローが登場。
はるみに話しかけたそうにしていたが、
「てめえ、何回いったら変なメール送るのやめるんだ?」
と、たかのりにすごまれてこそこそとバスに飛び乗ってしまった。
続いてぼくらもバスにのれば、みきおとたかひろににらまれてキチローは一番うしろのシートのはしっこに隠れて座ってしまった。
隣に、2年のラグビー部員が座り、
「先輩、一番後ろはもう俺らの席っすよ、代替わりしたんです。どいてくださいよ」
と、どかされていた。
あ~あ、6年間、ちっとも成長しないまんまでやんの。
で、学校着いたら着いたで、学年主任の金本に呼び出されて、説教。
罪一等を減じて保護者召喚はなかったんだけど、これにはわけがあったらしい。
どういうことだろ?


バレンタインデーイブ

2015-02-13 23:05:28 | へちま細太郎

こんばんは、だよ、ピカイチだよ。

毎年毎年、自分が情けない。
何で、今年は1個もチョコがないんだよ~!!
と、叫んだら、桜井にまた食いかけのチョコを放り投げられた。
「またかよ、あんたね、毎年毎年、まともなチョコくれねえのかよ」
「お試しでまずかったんだ」
と、また、ぽんぽんしょうもないチョコを投げてきた。
「見た目珍しいからって、どうしてそう節操なくチョコを買ってくるわけ?」
と、投げつけられたチョコを拾って、ポケットにしまいこんだ。
「朝さ、美都駅で大量にチョコもらってたよ、あんたの息子」
と、桜井はうまそうなチョコをかじって満足そうに笑った。
「やっぱり、チョコはヨーロッパものに限るな」
「コレ違うのかよ」
俺は、ポケットからチョコを取り出すと、
「ハワイ土産じゃん」
と、内心儲かった、と桜井の机の上のチョコを箱ごとひったくった。
「駅ビルで売ってたんだ、アメリカものは口にあわない」
あ、そ~かよ。。。
って、ちょっと待て、さっきなんていった?
「細太郎が、紙袋つきでチョコもらってた。OL風のお姉さんもいたから、小学校の時からずっとくれてる子かもよ」
紙袋つきって、毎年、誰かが気を利かせて、大きな紙袋を持参してくれるんだ。
なんでだ~!!どうしてだ~!!
「おめえがもてないだけだろ」
男子バスケット部の顧問の関本が、桜井のチョコを盗み食いする。
こいつは、少し前にぎっくり腰をやって以来、女バス顧問の鳥谷にまかせっきりで、部活にご無沙汰だ。
「ま、なんだな、オヤジに似てなくってよかったってことで」
関本は、俺が手にしていた出張手当の袋を取り、
「ちっ、高教研の出張だけじゃ、割りにあわねえな」
と、はんこを俺の額に押し付けて、
「どうもな」
と、もらうもんもらっていっちまいやがった。
まったく、中学校は中学校で国生さゆりで騒ぎまくって、こっちはこっちでチョコのためし食いかよ。
なんで、こうも教師っていうのは、中学と高校で違いが出るんだ?
なんて、いっている場合じゃねや、細太郎、おまえ、どんだけチョコもらったんだよ~!